そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。
1. 脂肪燃焼効果があるというL-カルニチンが気になる!
ゆう子さん(31歳女性/仮名)からご質問をいただきました。
「最近、ちょっと太り始めていて気になっています。さまざまなダイエットを試してみるんですが、どれもうまくいかなくて…。周りはスレンダーな女性ばかりで、余計にコンプレックスを感じます」
えりのボスは深く頷きます。
「体型の悩み、あるわよねえ。私も今はふくよか系路線にシフトしたけれど、うら若き乙女だった頃には悩んだりしたものよ。最近は『L-カルニチン』とかもおすすめだけどね」
「L-カルニチン? それはどんなものなんですか?」
聞き慣れない言葉に興味津々のゆう子さん。これは放っておけません!
2. L-カルニチンで脂肪燃焼がすすむ
「L-カルニチンというのは、アミノ酸の一種で、血中や細胞など、からだのあらゆる場所に存在しているの。
L-カルニチンの主な役割は、脂質の代謝を助けること。効率的に中性脂肪を燃焼させるには、L-カルニチンがきちんとはたらくことが大事だわ。
皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積しないように、中性脂肪の燃焼を促すの」
「L-カルニチンって大事なんですね!」
えりのボスはゆう子さんに忠告します。
「でもね、加齢による体内合成能力の低下や、食事量の減少によって、L-カルニチンは減ってしまうの。それだけでなく、若い人も無理なダイエットや偏食でL-カルニチンが不足しがちなのよ」
「ええっ…じゃあ私も不足しているのかも!?」
「きちんと意識すれば改善できるかもしれないわ。さらに詳しくL-カルニチンについて学んでいきましょう」
3. L-カルニチンとは
ここからは、L-カルニチンの基礎知識や、効果や効能、摂取方法について解説します。
3-1. L-カルニチンとは
L-カルニチンとは、血液中や細胞内に存在する遊離アミノ酸です。脂肪酸をミトコンドリアに運搬し、筋肉を動かすためのエネルギーを作り出す手助けをします。
L-カルニチンが不足すると、脂肪が燃焼されずに蓄積されて肥満の原因になります。
3-2. 効果と効能
L-カルニチンは、前述のような脂肪燃焼効果による肥満抑制やダイエットだけでなく、疲労感やだるさの緩和にも役立ちます。
また、老化をはじめ、脂質異常症、心臓病、心血管疾患、2型糖尿病、HIV、がんなどの疾患でL-カルニチンが不足することがあり、L-カルニチン補充療法で症状を和らげる場合もあります。
3-3. 摂取方法のすすめ
L-カルニチンは肉類や魚介類に多く含まれています。とくにおすすめの食材は以下の通りです。
・牛肉
・豚肉
・鶏肉
・貝柱
・シジミ
・牡蠣
また、サプリメントを摂取する方法や、医療機関で内服薬を処方してもらうといった方法もあります。
L-カルニチンの摂取量の上限は、1日1,000mgです。一般的な食生活ではとくに気にする必要はありませんが、サプリメントの併用などで摂取量が増える場合は気をつけましょう。
4. L-カルニチンで脂肪をしっかり燃焼させよう!
「L-カルニチンには脂肪燃焼効果があるの。からだに余計なお肉をつけないように、L-カルニチンを意識しないとね」
「食事やサプリメントで気軽に摂取できるのがうれしいですね。理想の体型めざして頑張ります!」
「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
優しい表情でサロンを去っていくゆう子さんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
医療・健康ジャーナリスト 後藤 典子(ごとう・のりこ)
一般社団法人日本サプリメント協会理事長、賢く選ぶ食と健康プロジェクト統括。同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。「ヘルスデザイン」をテーマに掲げ、健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス- Youtubeチャンネルでは、健康リテラシー向上のための情報を発信している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」の統括も行う。
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