今年の春も元気に鼻歌歌ってます
今回は、いまが花の盛りの崇高な花姿で涙を誘う「気高く尊い白木蓮の花」の解説です。
木蓮ってなんですか
木蓮(モクレン)は春を代表するモクレン属(マグノリア属)の花木。江戸時代より以前に中国からやってきたといわれています。
恐竜がいた頃の化石の中にもモクレン科の植物は混ざっていたようで、地球上最古の花木ともいわれ、相当に根性のある植物ともいえます。
比較的温暖な地域に自生する落葉高木で、春になると公園や街路樹で迫力のある花が枝いっぱいに咲いている木蓮。一般的には紅紫色の花ですが、ワタクシは白い木蓮の花がとても好きでございます。
大きな花の白木蓮(ハクモクレン)はモクレン属の中でも大柄で、樹高も10~15mと結構な大きさ。枝の先に白い鳥が大量にとまっているようにボリューミーな花が咲き始めると、離れた場所からでも主張度高めな存在感で目を惹きますな。
木の枝に蓮の花が咲いているようだから
肉厚な白い花弁が独特で、天に向かって両掌を合わせたみたいな花姿は、「おててのシワとシワを合わせて幸せ。な~む~」のCMを思い出します。初老のワタクシ、動物と子供と尊いものを見るだけですぐに涙腺が緩んじゃう。
そもそも木蓮の由来は、花姿が蓮の花に似ているから。木の枝に蓮の花が咲いているようだから「木」と「蓮」でモクレンといいます。
蓮の花は仏教と深く関わっているせいか、お寺には蓮池以外にも白木蓮をよく見かけます。「な~む~」の場所に祈りのポーズの白い花は、ハマりすぎてびっくりでございますよ。
木蓮の花言葉も仏教と関連しています。仏教においての蓮は、汚れた泥(俗世)から真っ直ぐに咲く大輪の蓮の姿が悟りの境地を意味しますが、木蓮の花言葉はその蓮に由来し、「崇高」。
天に向かって真っ直ぐに咲く様は蓮も木蓮も一緒で、空を見つめるような姿は気高く、そして美しいのです。
「マグノリア」のほうが馴染みがある?
みなさまの中には、木蓮よりも「学名:マグノリア」のほうが最近では馴染みがあるかも。えぇ、そうです。香水やアロマオイル、ルームフレグランスなどで聞く名前「マグノリア」のことで、日本ではコブシやタイサンボクなどのモクレンの仲間をマグノリアとまとめて呼んでいます。
ですので、マグノリアの花は知らんけど、匂いだけは知ってるよ~という方もいらっしゃるのでは? 木蓮は香りが楽しめる花木として知られ、特に白木蓮は香りも特別。フレッシュな花はレモンのようなライムのような、爽やかな柑橘系の香りです。
アロマオイルで精製される花は白木蓮とは違いますが、同じ仲間でさらに香りの強い花が使われています。
花も葉も香りもいいとこどり
そういえばここ数年、「おや?」と思う素敵な葉っぱが夏前から入荷するようになりました。表は深いグリーン、裏は茶色のベルベットのような触感で肉厚で、なんだかとってもおしゃれ。ドライフラワーにもなるその正体は、やっぱりマグノリアです。
同じモクレン科のタイサンボクの葉で、アレンジに使えば、出来上がりがすっかり垢抜けて、魔法レベル。おそるべしマグノリア…花も葉も香りもいいとこどりで欲張りな植物でござんすよ。
路地ものの木蓮の開花時期は3~4月がピーク。一雨ごとに本格的な春を迎えると同時に、花の見頃は過ぎていきます。
今年も卒業式の仕事でお邪魔した多くの学校で、見事な白木蓮の花が咲いていました。
木蓮を見るたびに思い出す様々な思い出がアナタにとってどうか幸せなものでありますように…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。
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