妻と娘の近況に安堵
――昨年の運動会の写真です。咲子ちゃん、すっかり美人さんになって…。
画面には、スポーツウエアを着てダンスを踊る娘の動画が流れていました。笑顔で踊る娘を見て、思わず目頭が熱くなりましたね。ああ、立派に成長しているって。
――咲子ちゃんの動画や写真は、ジンさんに送りますよ。あとでLINEのIDを教えてください。
――分かりました…あの、妻は再婚しているのでしょうか? 咲子は妻の旧姓に戻ったと聞いたんですが、その後は分からずじまいで…。
――安心してください。奥さまは独身のままですよ。見合い話もあったようですが、思春期になる咲子ちゃんのことを考えて、シングルマザーの小児科医として頑張っています。
――そうですか。良かった…実はかなり気がかりだったんです。連れ子のDV事件などをニュースで見るたび、咲子が心配になって…。
――そのことは奥さまも慎重に考えているようです。ただ…ジンさんは再婚したと聞きましたが、どうして既婚者サイトに?
小首をかしげる杏奈さんに、僕は素直に『妻とのセックスレス』『妻の実家ではマスオさん状態で居場所がない』『仕事もテレワークで単独でやっているため、ひと肌恋しい』旨を正直に話したんです。
突然キスを求められて
すると、
――私も同じです。夫は出張がちで以前からセックスレスですし、娘もお友達との時間や習い事で楽しんでいますし、自分の女としての価値が失われていくのが怖くて…。
――杏奈さんは十分お綺麗です。自信を持ってください。
僕は彼女を見つめました。潤んだ瞳が美しく、まるで澄んだ湖のようで…。すると、彼女は心配そうに目を見開いたんです。
――先ほども言いましたが、今日のことは公言しないと約束してくれます?
――もちろんです。僕だって咲子の父親としての立場がありますから。
そこまで言いかけた時でした。
――じゃあ、約束の証としてキスしてください。
彼女が毅然と言ってきたんです。
(えっ、キス…?)
僕が言葉を失っていると、
――約束できません…?
――いえ、そういうわけでは…ただ、いきなりキスとは…。
面食らう僕に、
――いいから、キスして。
再度、彼女がキスをねだってきたんです。
――わ…分かりました。
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