「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-04-05 15:14
投稿日:2024-04-02 15:15

NHK朝ドラ「虎に翼」~第1週「女賢しくて牛売り損なう?」#2

 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めていた。

 在学中に結婚することが夢だった花江。寅子には女性が当然歩むべきとされる道がピンとこない。

 そんな中、大学の夜間部に通う下宿人・佐田優三(仲野太賀)に弁当を届けに行った寅子は、教授・穂高重親(小林薫)、裁判官・桂場等一郎(松山ケンイチ)と出会う。

 この出会いが寅子の運命を変える。

【本日のツボ】

「カーネーション」の糸子とおとうちゃんだ!

 ※※以下、ネタバレあります※※

「虎に翼」の語りは尾野真千子です。朝ドラのナレーションは前回の「ブギウギ」の高瀬耕造アナや、「スカーレット」の中條誠子アナのように、NHKのアナウンサーが担当するものと、今回のように俳優が担当するものがあります。

 好みの問題でしょうが、どちらかといえば私は俳優の語りが好みです。アナウンサーの場合、職業柄、正確に原稿を読むことを使命としており、どうしても人間味に欠けてしまいがち。

 その点、俳優は演者の一人として物語にしっかり溶け込み、見ているこちらもドラマの世界に浸れる気がします。

 特に今回は、ナレーションのみならず、トラコの心の声など、演じ分けも絶妙で、もうひとりのヒロインといった存在感があります。

 そういえば、最近の傾向として語りを担当していた俳優が、最終週近くに登場人物としてサプライズ出演するパターンがあります。

 たとえば、「らんまん」の宮﨑あおいは万太郎(神木隆之介)の死後、遺品整理のお手伝いをする女性として、「カムカムエヴリバディ」の城田優も語学番組の講師として登場したように。

尾野真千子と小林薫

 今回もオノマチさんがどこで登場してくるのかな、と楽しみに思っていたら、本日は本日で“えらい感じの人”、穂高重親教授役の小林薫が登場。

 オノマチさんと小林薫といえば、あの「カーネーション」(2011年)のヒロイン糸子とおとうちゃんではありませんか。

 13年の時を超えての共演に、朝ドラファンとしては激萌えの回でした。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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