粗品と令和ロマンの「テレビ嫌い」に焦る業界 若手芸人が抜擢された背景

帽子田 芸人、ライター
更新日:2024-07-10 06:00
投稿日:2024-07-10 06:00

影響力が薄れてしまった第七世代

 一時期のテレビ番組を席巻したお笑い第七世代。EXITやハナコ、ゆりやんレトリィバァ、四千等身などが爆発的に売れ一大ブームとなったが、その先頭を走り、なおかつ「第七世代」の名付け親でもあるのが霜降り明星なのは、皆さんよく知るところだろう。

 そして、最近は第七世代の影響力が、あの頃より薄れてきているというのも皆さん何となく勘付いている事実。同じ世代がずっと爆発的影響力を持つことなんてないので当たり前だ。

 しかし、第七世代が勢いを落としている今の状況は、お笑い界とテレビ界にとって由々しき事態だ。

 時流に乗ったスターが不在だと視聴率は稼げないし、お笑い界も元気が出ない。だから一刻も早く、あの頃のEXITやハナコのような勢いのある売れっ子若手が出てきてほしいと思うのも無理はないわけだ。

 ということで、次世代スター候補として白羽の矢が立ったのが、まだまだ劇場が主戦場である9番街レトロとナイチンゲールダンスなのだと思う。

扱いにくい芸人、粗品の言動が悪影響か

 第八世代の台頭が望まれる理由の一つには、第七世代のリーダー格である霜降り明星――特に粗品の言動にあると思う。

 粗品の先輩後輩関係ない口撃はよく炎上する。ファンや視聴者は面白いかもしれないが、踏み込まれて本当に嫌な業界人はたくさんいそう……というのが僕の所管だ。

 改変期ではない時期の「霜降りバラエティX」終了は、いわゆる「打ち切り」などではなく、粗品の意向では? という報道もある。番組に何か気に入らないことがあって、熱意がなくなった粗品が終了を申し出たという説だ。


 正直僕もこの説が有力なんじゃないかと思う。粗品とは直接面識はないが、霜降り明星に関わるスタッフから、笑いに対して妥協しない厳しい態度に対する逸話はよく聞く。

 いまのお笑い界は厳しい先輩や面倒くさい人はほとんどいなくなったが、粗品は現存する最後の「扱いにくい芸人」かもしれない。

帽子田
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別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

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