なぜ令和ロマンは賞レースに出続ける?3冠制しヘイトも無視する戦闘力

帽子田 芸人、ライター
更新日:2024-08-03 06:00
投稿日:2024-08-03 06:00

M-1王者を酷評できる審査員がいるのか?

 そもそも令和ロマンのテレビ拒否宣言をはじめとしたスタンスを、「それってどうなの?」と思っている芸人は多々いる。それは「妬み」だ、と言ってしまえばそれまで。

 だが、やっぱり芸人になるからにはテレビに出たいと夢見ている若手はいまだに多い。テレビに出て売れるには賞レースで結果を残す方が早いので、テレビを目指してネタを劇場でネタを頑張っているのだ。

 それなのに、喉から手が出るほど欲しい賞レースタイトルを総なめしている令和ロマンが、「テレビには出たくない」と言い出したら、若手芸人の癇に障るのは仕方ないと思ってほしい。飲み会で令和ロマンに対する妬み嫉みで、酒を飲みたい夜だってあるのだ。

 そのような前提がある中で、M-1を獲得後のABC参戦。M-1より賞レースとしてはイージーで、なおかつ無名の若手の登竜門であるABCまで荒らす理由が分からない、というのが僕の正直な感想だ。

 別にルール違反ではないけど、モラル違反に近いという感覚がある。M-1王者を酷評できる審査員なんているはずもないし、現にABCの審査員コメントでも非常に気を使われているのが見てとれた。

賞レースに出続ける彼らは「バーサーカー」だ

 では何故令和ロマンは若手芸人からのヘイトを集めながらも、賞レースに出続けるのか。僕はただ令和ロマンとしては優勝に伴ってもたらされる賞金や仕事はどうでもよく、ネタと賞レースなどのバトルが好きなただの「戦闘狂(バーサーカー)」なんじゃないかな、と何となく想像している。

 令和ロマンは今年もM-1に出て、優勝する気マンマン。もう令和ロマンは殺す勢いで誰かが快進撃を止めなければ、賞レースでの爆走を止められないと思う。

 個人的にはそれが今年のABCで爪痕を残した若手の誰かだったらいいな、とお笑いファンの一人として夢見てしまう。その方がドラマが起こって面白いから。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」脚本家が“1番書きたかったこと”に目からウロコ! すべては聡明なお子様のおかげ…
 ある日、嵩(北村匠海)にファンレターをくれた小学生の佳保が、祖父の砂男(浅野和之)と柳井家にやってくる。笑顔で迎えるの...
桧山珠美 2025-08-28 15:25 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)カップル、オトナの視線の絡み合い…朝から見ていいんですか?
 八木(妻夫木聡)のひらめきで嵩(北村匠海)の詩とイラストが入った陶器のグッズは追加注文が来るほど売れていた。それでもも...
桧山珠美 2025-08-28 15:03 エンタメ
坂口健太郎に逆セクハラ騒動。永野芽郁にmiwaとも…BLACKPINK リサだけじゃない“女性に押される”男の特徴
 BLACKPINKのリサ(28)が国境を越えて、大炎上中だ。今年2月にリリースしたソロデビューアルバム『Alter E...
田中麗奈、45歳。心も体も変化するなか、ずっと変わらない“芝居”への気持ち
 多くの人の心をつかんだ「なっちゃん」のCMの初代キャラクターに始まり、映画『がんばっていきまっしょい』『はつ恋』、近年...
望月ふみ 2025-08-24 11:45 エンタメ
『あんぱん』のぶ、山に登って「ボケー!」は“征服欲”の成せる業か? アンパンマンの原型がついに爆誕
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の別居生活が続く中、登美子(松嶋菜々子)から嵩の名前の由来を聞いたのぶは、ひとり山へ向...
桧山珠美 2025-08-28 15:04 エンタメ
ラウール、22歳の色気が破壊級!「愛の、がっこう」は“代表作”になると断言してもいい
 夏ドラマも中盤にさしかかりました。そのなかでも回を重ねるごとに盛り上がっているのが、木曜劇場「愛の、がっこう」(フジテ...
【芸能クイズ】松本人志が福山雅治と「HEY!HEY!HEY!」で作った“オリジナル料理”の名前は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
「あんぱん」羽多子らの“あの言葉”にあんぐり…のぶも感動してる場合か。落語家の年齢も気になる
 嵩(北村匠海)は「まんが教室」という番組に出演してほしいという健太郎(高橋文哉)の頼みをしぶしぶ承諾する。そして第1回...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
「あんぱん」のぶ、議員のコネ入社なのに“クビ”の謎。急成長したアキラ君と老けないオトナ達に酔いそう…
 嵩(北村匠海)が書いた詞にたくや(大森元貴)がメロディーをつけて生まれた「手のひらを太陽に」は、「みんなのうた」でも紹...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
スキャンダル続出の花田優一、美女にモテまくるのは何故? 不誠実男に学ぶ「悪名は無名に勝る」メリット
 元横綱・貴乃花光司と元フジテレビアナ・花田景子を両親に持つ“親の十四光り”の花田優一。  現在、元テレビ東京アナ...
堺屋大地 2025-08-17 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)、“何か”が始まっちゃう? 嵩は作詞能力をいつ見抜かれたのか
 舞台公演は成功裏に幕を閉じる。数日後、なぜかぼんやりした様子の嵩(北村匠海)。そこに、また一緒に楽しい仕事をしようとた...
桧山珠美 2025-09-04 12:26 エンタメ
カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
 カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&...
帽子田 2025-08-15 11:45 エンタメ
島崎遥香31歳、40代を迎えても「幸せの更新」方法は変わらない。カテゴライズせず“ぱるる”として生きていく
 昨年、初めての著書『ぱるるのおひとりさま論』(大和書房)を出版するなど、このところ「ひとりが好き」「結婚願望はナシ」と...
望月ふみ 2025-08-14 11:45 エンタメ
ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...