優未の言葉「困っている子を助けるのは普通」に教えられた真っ当なコト

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-07-31 16:30
投稿日:2024-07-31 16:30

第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」#88

 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、涼子(桜井ユキ)の店がたびたび嫌がらせを受けていたことを知る。警察に相手にされず、涼子と玉(羽瀬川なぎ)は嫌がらせにも慣れつつあると聞き、寅子は怒る。

 そして、改めて放火事件の証拠品を調べた寅子は、顕洙(許秀哲)が弟の広洙(成田瑛基)に宛てて送った手紙の内容に疑問を持ち、小野(堺小春)に協力を仰ぐ。


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【本日のツボ】

「困っている子を助けるのは普通のことでしょ」(優未)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 仕事でクタクタになって帰宅した寅子は、山登りで疲れて寝てしまっていた優未に、「お夕飯はお菓子にしましょう」と提案します。突拍子もない提案に優未の笑顔もさく裂します。

 食卓には、カステラやらクッキーやらが並んで、おままごとのよう。よく見ると真ん中にはお漬物も。お菓子にお漬物の組み合わせがおかしいと指摘する優未に、「しょっぱいモノも食べたくなるから」と寅子。親子の距離がまた少し近づいたようでした。

 お菓子の夕飯を食べながら山登りの話を。すぐ怒鳴るからクラスで嫌われているという子と同じ班になったと言っていた優未が心配なのかもしれません。一番に登ろうと競ったら、よその班の子が転んでしまって、嫌われている子がその子をおんぶし、優未がその子の荷物を持って山を下りた云々。それを聞いた寅子が「優しいのね」と感心すると、「困っている子を助けるのは普通のことでしょ」と優未。

 子どもの頃は、誰もが持っていた真っ当に優しい心。それが大人になるに連れて、差別や偏見などと歪んでしまうのはどうしてなのでしょう。優未に教えられた気がします。

望む!ライトハウス同窓会

 朝鮮語の手紙を翻訳し、本当の意味を教えてくれたヒャンちゃん(ハ・ヨンス)。寅子は本当に周りの人に恵まれているなあとつくづく思います。

 多岐川(滝藤賢一)に子どもを預けて、遠出してきたヒャンちゃんには、ぜひ「ライトハウス」に寄って、涼子や玉と旧交を温めてもらいたい、と思います。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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