再び東京編で“嫁姑”。花江はサザエさん、寅子はこんもりマダムヘアーに

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-08-12 17:00
投稿日:2024-08-12 17:00

第20週「稼ぎ男に繰り女?」#96

 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、互いの思いを確かめ合う。

 そして昭和30年、東京に戻ることになった寅子は杉田(高橋克実)らに盛大に見送られる。だが寅子と優未(毎田暖乃)が登戸の猪爪家に着くと、何やら不穏な空気が。

 猪爪家では、結婚したら家を出るべきだという花江(森田望智)と、結婚しても同居を続けたいと主張する直明(三山凌輝)が対立していた。


【読まれています】朝ドラ史上に残るラブシーン。視聴者をやきもきさせた深夜の本庁トーク

【本日のツボ】

名残惜しやの“新潟編”

 ※※以下、ネタバレあります※※

 物語は昭和30年春に。3年間の新潟赴任を終え、東京に戻る寅子。髪型もマダムになっていました。

 驚いたのは稲(田中真弓)さんです。あんなに元気だったのに、お亡くなりになってしまったとは。写真の中の稲さんの笑顔には救われましたが、ちょっぴり「稲さんロス」で、先週の稲さんが歌う「砂山」のシーンを思い出し、しんみりしてしまいました。

 杉田ブラザーズ(高橋克実&田口浩正)や、高瀬(望月歩)&小野(堺小春)、入倉(岡部ひろき)、そして、涼子(桜井ユキ)や玉(羽瀬川なぎ)、モヤモヤを残したままの美佐江(片岡凛)など、新潟編の登場人物も個性豊かな人揃いで、とてもよかったですね。

 当初はことごとく寅子と対立する閉鎖的な田舎の人たちに辟易でしたが、終わってみれば、みんないいひと。もう会えないなんて残念でなりません。新潟編のキャストの方々、ドラマを盛り上げてくれてありがとうございます。


寅子と花江、昭和後期マダムの髪型に

 そして、舞台は再びの東京へ。寅子のマダムな髪型と、花江のサザエさんチックな髪型に戸惑いつつ、自分が子供の頃のアルバムに映る母たちもこんな髪型をしていたなあ、と懐かしくもあり…。

 たった3年の子どもたちの成長には驚きましたが、直明のお付き合いしている人がどんな女性かも気になります。

 自分が苦労したから同居は断固拒否という花江の気持ちもわからなくはないですが、花江の拒否っぷりに、そこまでひどいお姑さんじゃなかったのに…とはる(石田ゆり子)さんがなんだかお気の毒に思えてきました。

“嫁姑”は女性にとって永遠のテーマなのでしょうか。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
 カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&...
帽子田 2025-08-15 11:45 エンタメ
島崎遥香31歳、40代を迎えても「幸せの更新」方法は変わらない。カテゴライズせず“ぱるる”として生きていく
 昨年、初めての著書『ぱるるのおひとりさま論』(大和書房)を出版するなど、このところ「ひとりが好き」「結婚願望はナシ」と...
望月ふみ 2025-08-14 11:45 エンタメ
ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ
キンプリ岩橋玄樹、A.B.C-Z戸塚祥太ら夏の深夜ドラマ、極上イケメン4選。“フェミ男”の二世息子も俳優デビュー
 常夏の国、ジャパン 日本列島沸騰中です! 連日、熱中症警戒アラートが発令し、無駄な外出はしないようにと呼びかけます。コ...
1位の道枝駿佑を抜いた!2025年上半期「国宝級イケメン」を検索数でランキング。最も調べられた日の出来事は
 7月15日、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」(以下、「ViViランキング」)が発表されました。N...
こじらぶ 2025-08-10 11:45 エンタメ
「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った...
桧山珠美 2025-08-09 10:38 エンタメ
山田裕貴、“気持ち”を考え続けて撮影に挑んだ。W主演の堤真一に「恥ずかしくて聞けないこと」とは?
 太平洋戦争末期の沖縄で、アメリカ軍に追い詰められて木の上に身を潜めた日本兵が、終戦を知らないまま2年間にわたって潜伏生...
望月ふみ 2025-08-08 11:45 エンタメ
「あんぱん」健太郎(高橋文哉)闇市→ディレクターへ謎すぎる大出世。スピンオフに期待していい?
 嵩(北村匠海)の漫画が入選し、大喜びののぶ(今田美桜)。嵩はのぶの笑顔がうれしくてたまらない。そんな中、蘭子(河合優実...
桧山珠美 2025-08-05 16:53 エンタメ
お受験界隈が「神回」と絶賛。藤本美貴、澤部ら芸能人はなぜ私立を目指す?『しくじり先生』で語られた“二世”息子の壮絶エピソード
 実業家の岸谷蘭丸(24)さんが7月25日深夜に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(ABEMA・テレビ朝日...
「あんぱん」ミセス大森、キター!! 誰もが知る名曲がどう生まれるのか? のぶのパヤパヤ感はちょっと不安
 のぶ(今田美桜)は鉄子(戸田恵子)の秘書として多忙な日々を送っていた。嵩(北村匠海)も三星百貨店の宣伝部で一目置かれる...
桧山珠美 2025-08-04 21:25 エンタメ
高野洸は同郷の大スター“藤井フミヤ”を追いかけたい。実は過去2回の紅白出場、3度目を目指す目標とは
 ミュージカル『刀剣乱舞』の主演や、近年では帝国劇場での舞台『キングダム』主演など、舞台を中心に、歌手やダンサー、俳優と...
望月ふみ 2025-08-05 12:03 エンタメ