やす子「24時間テレビ」での好感度上昇は諸刃の剣…早くも“イジリにくい芸人”になる懸念

更新日:2024-09-04 17:03
投稿日:2024-09-04 17:00

 いろいろ批判、逆風もあったが、何はともあれ、お笑い芸人のやす子(26)はチャリティーマラソンを完走し、日本テレビ「24時間テレビ47」(8月31日~9月1日)の平均世帯視聴率は12.5%、最高25.4%と、昨年の11.3%、24.8%を上回って「関係者はホッと胸を撫で下ろした」(番組制作会社スタッフ)。当然ながら、やす子の注目度はうなぎ上りだ。

「やはり『全国の児童養護施設に募金マラソン』のランナーを務めたやす子さんの存在は大きかった。彼女の完走に向けて視聴率はピークへ。4世帯に1世帯がリアルタイムで『見たい』と思ったわけです。8月2日に始まったフワちゃんの暴言騒動は《タイミングが悪い》と思いましたが、それもうまく乗り切って、結果的に多くの視聴者を味方につけた。やす子さんは“持っている芸人”ですね」(前出の番組制作会社スタッフ)

 確かに例の暴言騒動をめぐっては、当初、なぜか“被害者”のやす子を批判する書き込みもあった。

「やす子さんが《とっても悲しい》とリアクションしたせいで、余計に《騒ぎが大きくなった》と責める向きもありました。まあ、芸人なのに笑いに転嫁できなかったから炎上したという“言いがかり”に過ぎませんが。騒動にかこつけて、やす子さんの自衛隊時代のパワハラ疑惑を蒸し返す連中もいた。ただ、やす子さんの凄いところは“リスク管理”ができているところ。5月にパワハラ疑惑が報じられた際も、すぐに謝ってみせて炎上の拡大を防いだ。自衛隊出身だからというオヤジギャグはさておき、自己を守る術に長けていますよね」(スポーツ紙芸能デスク)

 芸人に限らず、今どきの芸能人にはリスク管理能力が必須。やす子の“防衛能力の高さ”にも業界の注目が集まっているらしい。

「いつ、どこで、誰が、何で炎上するか分からない時代です。芸能人にとっては致命傷になりかねないし、制作する側のテレビ局も困る。もちろん清廉潔白なのが一番ですが、潔白でも炎上するケースがあるので、うまく自分を守れる、決して悪者にはならない、うまくリカバリーできる芸能人とマネジャーは重宝されがちです。そもそもやす子さんの頑張り屋、一生懸命キャラは敵をつくりにくいというか、攻撃されにくい。それが『24時間テレビ』にもうまくハマっていた。まだ若手でギャラも安いですし、当面、やす子さんへのオファーが途切れることはないでしょう」(前出のスポーツ紙芸能デスク)

 やす子の真逆が、活動休止に追い込まれたフワちゃんということか。ただ、チャリティーマラソンの感動のフィナーレで高視聴率を叩き出したをやす子が、「苦労もあった生い立ちと相まって、笑ってはいけないというか、ツッコミにくい、イジリにくい存在になってしまったら、お笑い芸人としてはいかがなものか、でしょう。アピールしすぎは諸刃の剣というか、カードを切るのが早すぎた印象はありますね」(芸能事務所幹部)。

 お笑い芸人の若い頃の“ビンボー話”とか“苦労話”なんかは鉄板中の鉄板のネタ、大きな武器になるが、単にツッコミにくい“いい人”なってしまったら本末転倒。それを“持っている芸人”と言えるかどうかは、今後のやす子次第か。

  ◇  ◇  ◇

 まともな総括なきまま「強行放送」された今年の24時間テレビを識者が論じた。●関連記事【もっと読む】「何のために放送しているのか」が分からなくなった「24時間テレビ」は来年も放送へ…識者は「何となくの良かったね感」は禁物と苦言…では、早くも言及されている来年の放送について批判している。

エンタメ 新着一覧


「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になっていた
 リモートワークの日は、羽鳥さんのモーニングショーからそのまま「じゅん散歩」(月〜金曜9時55分、テレビ朝日系)を見るの...
「クソばばあ」に「クソ小僧」、涼子のリアクションにも注目
 寅子(伊藤沙莉)は、戦争によって航一(岡田将生)が背負った苦しみに寄り添いたいと思う。  一方、寅子から「よりど...
桧山珠美 2024-08-08 16:37 エンタメ
早くも“NHK御用達俳優”の片鱗が?「虎に翼」出演の岡部ひろきはそんじょそこらの2世俳優とは違う
 1日放送「ダウンタウンDX」(日本テレビ系・読売テレビ制作)に故・西城秀樹さんの息子・木本慎之介(20)が出ていました...
なぜ令和ロマンは賞レースに出続ける?3冠制しヘイトも無視する戦闘力
 芸歴10年以下のお笑い賞レース「ABCお笑いグランプリ」(テレビ朝日系/以下ABC)が7月7日に開催。M-1に続き、令...
帽子田 2024-08-03 06:00 エンタメ
航一の秘密、明かされる。久々の回想シーンでも発揮した直道の顔芸パワー
 判決後、涼子(桜井ユキ)の店で寅子(伊藤沙莉)らと杉田(高橋克実)たちは偶然顔を合わせる。  戦争で娘と孫を亡く...
桧山珠美 2024-08-02 16:00 エンタメ
【写真特集】ワンピース姿を披露する、珍しく清楚なあやまん監督
【この写真の本文に戻る⇒】 【独自レポ】あやまんJAPANは健在だった! Tバックにぽいぽいコール、コンプラ無視の危ない...
優未の言葉「困っている子を助けるのは普通」に教えられた真っ当なコト
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、涼子(桜井ユキ)の店がたびたび嫌がらせを受けていたことを知る。警察に相手にされず...
桧山珠美 2024-07-31 16:30 エンタメ
赤いミサンガの女・美佐江、来た~!“放置エピソード”の回収がお見事
 寅子(伊藤沙莉)と優未(竹澤咲子)の姿を見ていきなり号泣した杉田(高橋克実)。実は杉田は昭和20年の長岡空襲で娘と孫を...
桧山珠美 2024-07-29 16:45 エンタメ
目黒、ニノを“沼落ち”続出の松村北斗「西園寺さん」が猛追!視聴率やTVerではない意外なデータが急上昇
 7月も後半に入り、2024年夏期主要ドラマの初回がほぼ出揃った。その中でも特に、STARTO ENTERTAINMEN...
こじらぶ 2024-07-27 06:00 エンタメ
「ごめんなさい」を連呼する航一。“戦時中の何か”は来週判明する?
 玉(羽瀬川なぎ)の将来を奪ったのは自分だと、涼子(桜井ユキ)も悩んでいた。寅子(伊藤沙莉)は2人の決断を応援するため、...
桧山珠美 2024-07-29 15:49 エンタメ
涼子さまの消息も明らかに…「ヒロインじゃない面々」のその後を描く意味
 寅子(伊藤沙莉)は「学校に友達はいない」という優未(竹澤咲子)の発言が気にかかる。  出勤すると、杉田(高橋克実...
桧山珠美 2024-07-23 15:45 エンタメ
夏ドラマ何見てる?『新宿野戦病院』『ブラックペアン2』への本音を調査
 2024年7月スタートの夏ドラマが出揃ってきましたね。今期もたくさんのドラマが放送していて、どれを見ればいいのかわから...
“カウンセラー”星航一(岡田将生)、ちぐはぐぶりがチャーミングだった件
 父親の話が聞きたいと言う優未(竹澤咲子)に、寅子(伊藤沙莉)は優三(仲野太賀)の話をすることができない。寅子は航一(岡...
桧山珠美 2024-07-18 15:50 エンタメ
なぜ塚地武雅、藤井隆はドラマ出演が続く? 不人気芸人との決定的な違い
 7月に入り、2024年夏の新ドラマが次々にスタートしています。なかでも話題になっているのが、宮藤官九郎脚本の『新宿野戦...
高橋克実「ショムニ」超えの名演技に注目!歴代朝ドラで舌打ちといえば…
 山の境界線をめぐる現地調停で書記官の高瀬(望月歩)と申立人の森口(俵木藤汰)との間にトラブルが発生。寅子(伊藤沙莉)も...
桧山珠美 2024-07-17 15:30 エンタメ
木村拓哉は逆に演技がうまい! わざと「いつもキムタク」を貫く役者魂
 最新主演ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)が高視聴率でフィニッシュし、かつての人気ドラマの映画版...
堺屋大地 2024-07-17 06:00 エンタメ