TBS日曜劇場は神木隆之介の次回作で“真の王者”へ 手がけるのは「ラストマイル」のヒットメーカー

更新日:2024-09-16 17:03
投稿日:2024-09-16 17:00

 二宮和也(41)主演の「ブラックペアン シーズン2」(TBS=日曜夜9時)が15日に最終回を迎えた。低調と言われた夏ドラマで唯一、世帯視聴率2ケタをキープし、他局からも「予算も企画力も別格」と羨望の声が上がるTBS日曜劇場。なのだが、配信の視聴回数や若年層の視聴率、ネット上の評価などを見ると、“独走のナンバーワン大ヒット作”とまでは言い切れないようだ。

「伝統枠のアドバンテージもあったし、同枠でヒットした作品の続編ということもあって、世帯視聴率ではまずまずの結果が出ました。他局がうらやむのも分かります。ただ、ドラマ好きを夢中にさせるほどのインパクトはなかった印象ですね。むしろフジテレビ月9の『海のはじまり』のほうが、作風に好き嫌いがあって評価が極端に分かれ、数字では『ブラックペアン2』の後塵を拝したものの、好きな人の“夢中度”という面では上だったかもしれません」(エンタメ誌編集者)

 決して圧勝とはならなかった“ドラマのTBS”。とはいえ「秋ドラマはかなり攻めている」と、テレビ誌ライターがこう続ける。

「TBSの夏ドラマは日曜劇場、火10、金10とGP帯の3作とも原作のあるものでしたが、秋ドラマは3枠ともオリジナル脚本。特に日曜劇場の次作『海に眠るダイヤモンド』は、プロデューサーが新井順子さん、脚本が野木亜紀子さん、演出が塚原あゆ子さんという強力なチームが手がけることで、早くから注目されています」

 現在公開中の満島ひかり(38)主演の映画「ラストマイル」では、彼女たちがTBSで手掛けたドラマ「アンナチュラル」(2018年放送)と「MIU404」(2020年放送)の世界を交差させた“シェアード・ユニバース・ムービー”という手法で大ヒット中。神木隆之介(31=写真)主演の「海に眠るダイヤモンド」は、その3人による初の日曜劇場で、《1955年の長崎県・端島と現代の東京を舞台にした70年にわたる壮大な物語》だ。

 ネット上でも《夏ドラマではクドカン脚本とか、『silent』チームだとか、スタッフ名で期待度を上げるような座組はいくつかあったけど、この3人が今いちばん期待できる組み合わせ》《既発表のキャストに、旧ジャニやLDHや坂道系の名前が見当たらない。そこに自信を感じるし、好感が持てる》《『アンメット』の杉咲花の神演技が見られるのが、ただただ楽しみ》など、期待する声が多い。ちなみに杉咲は、過去と現在で1人2役を演じる神木の、過去の幼なじみという重要な役どころだ。

 テレビコラムニストの亀井徳明氏も「日曜劇場のイメージを、いい意味で覆してくれることに期待しています」と、こう続ける。

「これまでの日曜劇場は企業もの、事件ものだったり、派手なキャスティングなど“分かりやすい作り”で、視聴習慣のある従来のファンのリアタイ視聴者を捉えてきました。そういう意味では今度の作品は“異質”かもしれません。でも、名前だけで期待させるヒットメーカーは、どこか“分かる人だけ分かればいい”という部分が目立って時に鼻についたりするものですが、この3人の過去作を見ると、そういう“〇〇節”的なものを前面に押し出したりしない。いろんな世代や立場の人に刺さる工夫をしながらも、3人ならではの独特な世界がある。だから日曜劇場の従来のファンにも受け入れられつつ、ネットのうるさ方もある程度満足させられるんじゃないかなと思っています」

 当然ながら「ラストマイル」興行収入30億円超えという大ヒットも追い風に。スポンサーが求めるコア層(13~49歳)のリアタイ視聴、配信の視聴回数、ネット上の評価、すべてを狙って“真の王者”に向かおうとするTBS日曜劇場は、勢いある女性3人のヒットメーカーで“ダイヤモンド”を手にできるか。

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