プロ作家・村上龍先生をリスペクト。64歳のプロ童貞が語る「自己啓発本を好きなこれだけの理由」

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2024-10-12 06:00
投稿日:2024-10-12 06:00

商品と作品の違い

 当時、オレが仕事で付き合っていた出版業界の人の中にはこういう自己啓発本への嫌悪感をあらわにして「売れれば何でもいいのか!?」なんて言う人も多かったんだけど、これは自分が作っているのが商品なのか作品なのかって話だよね。

 オレも以前、書籍のデザインとかを仕事にしてたときは常に自問自答してたような気がするし、出版だけじゃなくて映画や音楽、すべての表現者にとって正解のわからない永遠のテーマだよね。

――商品と作品の違いはどこにあると思います?

 オレの考えを言わせてもらうと、人が欲するものを提供するのが“商品”ならば、それを超えたものを提供するのが“作品”。作品は目にしたり手に取ったりすることで、人々や社会に新しい価値感や気づきを与えるような存在だよ。

 例えば、ここ最近のアカデミー賞を受賞するような映画って人種やジェンダー、分断とかの新しい価値感や世界感を描いた映画だったりする。それは地味だしヒットしないこともあるけど、確かにすばらしい“作品”なんだよ。

 一方、シリーズ化されて大ヒットしてるアクション映画って、どれだけ観客動員数が多くても賞は取らなかったりする。こっちはすぐれた“商品”なんだろうね。そんな風に考えると自己啓発本も“商品”枠になるよね。

――どっちも必要ですよね。毎回“作品”ばかり観ても疲れそうだし。

なぜ自己啓発本を求めるのか?

 なぜ人々は自己啓発本を求めるのか? やっぱり多くの人が、今の世の中に不安を感じてるからだろうね。

 人の不安に付け込む霊感商法みたいな、あこぎな商売にも見えるけど、出版社や作家サイドから考えたら大きなビジネスチャンス。

 いち自己啓発本好きの童貞としては、出版社はアレルギーを持たずに、ひとつのジャンルとしていろんな本を出してほしいと思うよ。

「売れなくてもいい」「良質な作品を作りたい」と考える志の高い出版関係の方々もたくさんいるでしょうが、作り手側が「売れなくていい」なんて表現を使うとコンテンツとしての力を失うし、やっぱり「売れるものには何かしらの意味がある」と思っているよ。

 皆さんDOなのYO!! 次回もお楽しみに。

(聞き手・箕浦恵理/コクハク編集部)

【童貞のつぶやき(おまけトーク)】

 実は陰謀論系やスピリチャル系みたいな“怪しいジャンル”の書籍も大好物。近所の書店をパトロールするのが日課なんだけど、結構たくさん置いてあるんだよね~。

 本は時代の世情をあらわすから、この手の本があふれているのも、世の中の“怪しさ”を反映させているんだろうね。

 普段、小説をあまり読まないオレだけど、久しぶりにおもしろいと思ったのが柴田哲孝先生の「暗殺」

 元総理の暗殺事件がモチーフになった話で、35年前に起きたあの未解決事件がつながってるなんて…! みたいな、フィクションとノンフィクションの垣根がわからなくなる内容で、小説だけど陰謀論っぽさもありオススメ!

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


移住の思わぬ落とし穴。収入激減で大後悔!こんなはずじゃなかった…
 コロナ禍でリモートワークに対応する会社が多くなり、地方への移住を一つの選択肢として捉える人は増えました。でも、あまり調...
直木賞作家・荻原浩氏インタビュー 世にはびこる誹謗中傷「耳の痛い意見が人を成長させるとは言い切れない」
 パリ五輪でも選手や審判などに対する誹謗中傷は深刻な問題となっている。誹謗中傷は、他人への悪口(誹謗)と根拠のない出鱈目...
まるで最高級の餡子玉! 黒猫のプリプリ“たまたま”がキュートすぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(後編)父を亡くした喪失感を「ゆみ子」に重ね合わせた
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(前編)伴走してくれた能登の人たちに「感謝と恩返し」を
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル
「夏の庭の花・植物の水やり問題」災害級の暑さで1週間留守に…対策は?
「災害級の暑さ」なるフレーズ、耳にする日が続いていますが、気付けば夏休みシーズン到来!  我が花屋は神奈川の片田舎の温...
深夜3時にメッセ連続投下!グループ脱退したい…常識知らず&KYなママ友のお騒がせLINE10連発
 保育園や幼稚園の保護者同士でやりとりするママ友LINE。同じクラスのママに誘われて断るわけにもいかず、半ば強制的にグル...
ふるさと納税について夫婦で考えたら、意見が食い違って爆笑の大喧嘩に…「特別vs日常」何が正解?
 選んだ自治体に寄付をしてお礼をもらうことができるだけでなく、一部の税金が還付または控除される、“ふるさと納税”。  ...
2024-08-07 06:00 ライフスタイル
「子どもの夏休み暇対策」どうしてる? 頑張るママのお助けアイデア7選
 子どもが小学生になると、夏休みの過ごし方で悩む大人がたくさんいます。近年では外遊びも猛暑による熱中症の心配があるので、...
【調香師解説】夏バテ解消アロマでフェロモンも復活!睡眠、胃腸、イライラを鎮める香りは?
 毎日暑いですね。フェロモンは最低限の生命力が維持されたうえで、余力から生まれてくるものです。うだるような暑さが続くと心...
【独自】大満足の新作すいか「夕焼けセレブ」を収穫! 白州のすいかばか'24~究極のレシピを求めて#3
 すいか生産量全国47位、ごくごくレアな山梨県ですいか作りに情熱を注ぐ「寿風土(こどぶきふうど)ファーム」代表の小林栄一...
無意識な「フキハラ」あるある4選 職場や家庭でやらかしていない?
 ここ最近でできたハラスメント用語の一つとして「フキハラ」があるのですが、ご存じでしょうか。 「不機嫌ハラスメント」の...
「キメ顔、お願いします!」と念じて叶った“たまたま”な1枚
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
暑いときは「花魁」に限る?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
娘に「ママは全部諦めた」って愚痴るのは反則だ!被害者面炸裂LINE3選
 世の中には、「私は悪くない」と自分を正当化したり、自己中心的な視点から何かにつけて被害者面(づら)する人がいますよね。...