球根をお得に買うなら秋! でも植えるのは“待ち”が正解。「秋植え」のベストタイミングはいつ?

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-10-02 06:00
投稿日:2024-10-02 06:00
 もー、いきなりの秋! その秋は「ほっぽらかし園芸」の明暗を左右する宿根・多年草を植えるベストシーズンです。

「ほっぽらかし園芸」の準備は秋にする

 ここでの努力を怠ると、今後の“楽だけどきれい”な植物生活にも支障をきたしかず、「ほっぽらかし園芸愛好家」にとって不本意にも若干忙しくなる季節なのですが…今回は、ほっぽらかし園芸を死守するための大事な「球根」のお話し。

「今すぐ走って! お目当ての球根は今買わないでいつ買うの?」の解説です。

球根の購入時期は短期決戦

 春の美しいお庭やベランダ園芸には欠かせない球根植物。低予算でお求めになるなら、秋が一番お安いです。通販では夏から予約販売もしていますが、じっくり現物を拝んで選びたいアナタ。秋の声が聞こえる頃、量販店は品ぞろえ豊富となりますが、それもほんのわずかな期間です。まもなく終了~でござんす、見かけたらすぐに購入くださいませ。

 球根を売る側からすれば、球根が休眠しているわずかの期間、まさに今、死ぬ気で追い込みをかけています。球根ゲットは秋の短期決戦です。

【読まれています】ガーデナーの必見「服部牧場」ルポ ペレニアルガーデンってなんですか?

球根はいつ植えるのが正解?

 早々に球根をゲットしたものの、植えないでそのまま放置は気になって仕方ねぇ! というアナタ。お気持ちはわかりますが、植えるは少し辛抱してください。絶好の時期をジリジリと待つ、が基本ですのよ。

 植えたばかりの球根は地熱が高いと激変した環境に慣れる前に弱ったり腐ったりしてしまい、結果、咲いてくれない…はよくある話。以前、お客様から「通販で1万円もかけて球根セットを買って植えたのに、ひとつも芽が出ないんだけど!」とお叱りを受けました。

 ワタクシのお店で買ってないのにナゼ? なクレームでしたが、お伺いすれば、海外サイトの猛烈な量が届くお安い球根セットをゲットし、秋の始めに植えてしまったとのこと。うーん、それダメー! なヤツでござんす。

 球根を植えるのは、自宅周辺の紅葉が始まったらがひとつの目安です。つまり、アナタが「ちょっと寒っ!」と思う頃合いが正解なのです。

 都会でも紅葉がロマンチックなイチョウ並木なんぞございますからね。イチョウ並木が黄色くなったら、ではどうでしょう。

 出番を待つ球根は涼しく完全遮光した場所で、スタンバイ。ワタクシは大きな冷蔵庫があるお花屋なので、基本、球根は冷蔵庫保管です。

 一般冷蔵庫でも野菜室など5℃程度の場所であればOK。新聞紙などに包んでビニール袋に入れた保管も良いですわよ。

他の草花と植える際の注意点

 カタログなどで見かける、背丈の低い草花が咲き誇った中からチューリップやヒヤシンスなどの球根植物がところどころ咲いているお庭、素敵ですよね。

 自分も真似したいけど、草花or球根、どっちを先に植えるのか気になるところ。植えやすさや今後のことも考えるなら、草花を先に植え、寒くなってから球根をゆっくりとね、が楽チンでしょうか。

 10月にもなれば、パンジー・ビオラやアリッサムなど、冬の定番商品が次々と登場してまいります(ほんとはまだ早いけど)。一緒に植えたいけれど球根の植え時まで待ってられるかーい! なら、草花をお先にどうぞ。

 地域にもよりますが、ハッキリ言って、年が明けた1月あたりからでも全然大丈夫ではあります。

 そもそもお花屋さんで球根苗物が売られるのもそのあたり。秋販売の球根に比べたらだいぶ高額ですけれども。

宿根・多年草とのコラボの注意点

 春から秋まで楽しめる宿根・多年草のコラボもオススメですぞ。人気のチューリップなどは一年草扱いですが、ムスカリや水仙、ユリなどは植えたらそのままでも数年咲き続けます。

 ただし花が咲き終わった後、葉は球根を再び太らせるために光合成を行い、枯れて朽ち果てるまでそのままにしておくことが前提です。

 ただし難点は見た目が汚い! それを上手にカバーしてくれるのが、四季咲きの宿根・多年草やオシャレなカラーリーフやカラーグラスたち。クリスマスローズやチェリーセージなどのハーブ、ヒューケラやギボウシなど美しいカラーリーフは花まで咲き、球根が太ってパワーを蓄えてくれるまで目隠しをしてくれます。

 球根だけでなく花やグラス、リーフたちの美しいバトンリレーは、秋に作られると言っても過言ではござらん。もっといえばワタクシの信条、ほっぽらかし園芸も秋にちょっとだけ努力が必要です。アナタもお試しくださいませ。

 あーやっとアノ暑さから解放されますねー。秋の夜長、月明かりに照らされて眺めるお庭の美しさを、アナタも堪能できますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


お正月にしめ縄って必要かぃ?「しめ縄」と「しめ縄飾り」の違いも解説
 今年もあと2週間を切りました。年末だというのにあまりの暖冬、ここ数日は少しは寒くなったものの更年期のワタクシは、本職の...
「女は見た目がすべて」の思い出に悶々…容姿いじりのトラウマの克服法
「女は見た目がすべて」なんて言葉が昔からあるように、男性よりも女性の方が外見を厳しく見られる傾向です。そして残酷なことに...
落ち込んだらシーラカンスのことを考えるといいかもしれない
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
人生初のぎっくり腰なぜ発症? 40女の激痛を救った意外なコスメは…
 齢46、人生初のぎっくり腰になりました。腰が砕け、身動きがまったく取れない状態に陥るって本当にあるんですね。  デス...
韓国は「ひとり飯」ほぼタブー! おひとり様=みじめな人認定で苦労した
 ちまたでは『孤独のグルメ』(テレビ東京系)や『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系)、『めんつゆひとり飯』(BS松竹東...
2023-12-19 06:00 ライフスタイル
“たまたま”とももうすぐお別れ…去勢前のおやつシーンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
自然の石を積んだ石垣でできた江戸時代から続く「棚田の村」
 見知らぬ土地で、山道を越えて現れた見事な石垣に圧倒される。ここまで積み上げる労力を想像すると途方に暮れるし、これが自然...
妙齢って何歳? 三省堂 現代新国語辞典のいまっぽい凡例に注目
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
#3 結婚で“輪”から去る友人への寂しさ。心地よい独身生活で失ったもの
【#2のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、毎晩芸人の卵や音楽仲間と飲み歩いている。高円寺はうんざ...
#2 友達の結婚、喜べないのはなぜ? 勝ち組を裏切りだと感じてしまう記憶
【#1のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、芸人の卵や音楽仲間と毎日飲み歩いている。高円寺はうんざ...
「最終的には学歴!」すごいですねー(棒)高学歴義母のマウントLINE3選
 義母が高学歴だとなんとなく上品でスマートな人柄が連想されますが、現実では学歴の高さと人格は比例しないようです。実際には...
2023-12-16 06:00 ライフスタイル
#1 夢を諦めきれない32歳の女。高円寺で燻る芸人らと酒に溺れる日々
 この街は、まるでネバーランドだ。  いつもの店に行くと、いつもの仲間がいて、相変わらずのバカな話で盛り上がれる。...
母親が施設から帰ってくる夢…認知症の予兆を「ボケたな」で済ませない
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
おひとり様全盛時代でも? 老後こそ“コミュ力”がものを言う
 ぶっちゃけ、私はあまり人づきあいが得意なほうではありません。一人のほうが気を遣わなくていいし、楽だから。  これから...
ムーミン好き必見!ESSEの時短レシピ&開運グッズ付録など使いこなす術
 今回ご紹介する雑誌付録は、「ムーミントラベルポーチ3点セット」と「別冊付録:保存版!ESSEのBest時短ベストおかず...
同僚のボールペン“カチカチ”に敏感反応!繊細すぎる人へのLINEどう返す
 世の中には、人一倍豊かな観察力や感受性を持つ人も存在します。そうした人は「優しい」「気遣いができる」などの長所をたくさ...