第6週前半、結の台詞とウジウジ、大女優の歩さん問題…雑過ぎの残念過ぎ

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-11-05 18:13
投稿日:2024-11-05 16:00

第6週「うち、ギャル、やめるけん」#27

 結(橋本環奈)は、タンスにしまっていた糸島フェスティバルのステージ衣装を見て一時感慨にふけるが、思いを断ち切るように引き出しを閉める。

 一方、歩(仲里依紗)は天神にいるハギャレンのギャルたちに会いに行き、結が最近どういう様子なのかを聞き出そうとする。

 そんな折、米田家では永吉(松平健)が昼寝をしていると、見知らぬ男が訪ねて来る。


▶▶結をめぐる翔也と陽太の三角関係。恵美も“突然”加入で四角関係ぼっ発!?

【本日のツボ】

ハギャレン聖地のゲーセンがショボ過ぎる

 ※※以下、ネタバレあります※※

 娘想いで心配性の聖人(北村有起哉)よりも、ウジウジモードの結のほうがよっぽどウザいと思うのは私だけでしょうか。

「実家の手伝いが忙しい」ことを理由に、ギャルをやめ、ついでに書道部もやめる結、ちっとも共感できません。まだ「書道部の風見先輩に彼女がいたからや~めた」と言ってくれたほうが可愛げがあるってもんです。

 しかも、家の手伝いも意地になってやっているようで、糸島のおいしい新鮮野菜たちまでしょぼくれて見えてしまうので、なんとかして欲しいです。

 翔也(佐野勇斗)も翔也で、結の顔が寂しそうだとかなんとか気にしている暇があったら、野球の練習をせい! と思ってしまいます。

 さらに、駄目押しが、結の「うちはもう何もやらん。ギャルも書道も全部。どうせ一生懸命やっても意味ないけん。みんないつか消えてしまうけん」です。

 震災の時、自分はまだ幼かったからあまり覚えていないと言っていたはずなのに、なんだか違和感ありまくり。「どうせ全部消えてしまう」は、親友を失って、茫然自失となった歩が言うのならまだわかるのですが…。


 その歩が結の様子をギャルたちに聞くために、ハギャレンの聖地であるゲームセンターを訪れます。このゲーセン、改めてじっくり見渡してみると、経営はどうなっているのか、というくらいゲーム機がほとんどなくスカスカ。なんとなく、コントのセットのように見えてしまうのはきっとそのせいなのでしょう。

 ざっと見渡したところ、プリクラ2台とガンシューティングゲーム1台、そしてレトロすぎるドライブゲーム1台に、ガチャガチャ6台。ほかのフロアもあるのでしょうが、1日の売上げが心配になるレベルです。

 ゲーセン独特のさまざまなゲーム機から出る音や大音量でかかる音楽もなく、なんとも不思議な空間に仕上がっています。そんななかでも、唯一、「春夏秋月」というプリクラが、当時、流行った「花鳥風月」を彷彿させる仕上がりで、NHK美術スタッフのこだわりを感じました。

あっちもこっちも雑過ぎて…

 さて。「大女優の歩さん」問題ですが、糸島は離島か僻地かなにかですか。電気も通っておらず、テレビねえ、ラジオもねえ、と吉幾三もびっくりなド田舎なのでしょうか。でなければ、歩が大女優かどうかだなんて、わかりそうなものではないでしょうか。そんなことで集まってくる住民って…。

 しかも、その歩。マネージャー(一ノ瀬ワタル)を見て、逃げ出しました。そして、「ハァハァ」言いながら博多のいきつけのバーに駆け込み、「マスター、水を一杯」と頼みます。電車の中もずっと走っていたのでしょうか? そんなアホな!

 おそらく何か理由があるのでしょうけど、いろいろ雑過ぎて、その先に興味をもてないというのは、朝ドラファンとして悲しいことです。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

エンタメ 新着一覧


いよいよ裁判官編。NHK制作陣の遊び心、8時14分過ぎに見たり
 昭和22年3月。新しい日本の憲法に希望を見出した寅子(伊藤沙莉)が向かったのは法曹会館。そこには空襲で被害を受けた司法...
桧山珠美 2024-06-03 16:05 エンタメ
「虎に翼」お宝物件!三山凌輝はピアスにアクセジャラジャラの“チャラ”男
 先週のNHK朝ドラ「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」は、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)にとって、悲しみの連続でした。...
刮目!伊藤沙莉“静”の演技、「佐田優三 仲野太賀」表示も期待は泡沫に…
 これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言(岡部たかし)は安らかに亡くなった。  寅子(伊藤沙莉)は何事もなか...
桧山珠美 2024-05-30 19:10 エンタメ
古谷徹は“あの役”降板?声優不倫騒動の後始末、カギは「キャラの私物化」
 レジェンド声優・古谷徹(70)の不倫報道が世間を騒がせている。 『文春オンライン』よって報じられた37歳年下女性...
優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ
朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...