歩の「大女優」が判明。“カラオケスナック”の見せ場シーンもやもやを振り返り

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-11-08 17:30
投稿日:2024-11-08 17:30

第6週「うち、ギャル、やめるけん」#30

 歩(仲里依紗)が付き人の佐々木佑馬(一ノ瀬ワタル)と一緒に東京へ帰る日、ハギャレンのメンバーが結(橋本環奈)の見舞いに来る。

 歩と会ったメンバーは、さすが大女優だと歩を持ち上げ、以前歩は「自分は偽物のギャル」だと言ったが、やっぱり「チョー本物でカリスマ」だと語る。

 それを聞いた歩は、考えた末、みんなをカラオケボックスへ連れていく。


【こちらもどうぞ】中川大志はドM? 橋本環奈を天使に変える“1000年に1人のイケメン彼氏”だ!

【本日のツボ】

「あらららら、あんまりうもうなかね」(ひみこ)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 上のあらすじ、公式のものですが、時々、ん? と思うことがあります。まあ、ネタバレは避けなくてはいけないという大原則があって、書けることも限られているのでしょうが…。

 それにしても、今回の最後の一文<それを聞いた歩は、考えた末、みんなをカラオケボックスへ連れていく。>というのは間違いではないか、と思うのです。

 厳密にいうと、ひみこ(池端慎之介)のスナック「ひみこ」であり、カラオケボックスとは言わないのでは、と…などという、いちゃもんはこの辺にして。

 歩がカラオケビデオ女優だった件です。ハギャレンのギャルちゃん達、アユさんを崇めているはずなのに、「聞きましたよ~。よっ、大女優!」とはどういうことでしょう。完全にチャカしているとしか思えないのですが…。「よっ、大女優」の「よっ」にはリスペクトがまったく感じられません。

「皆に私の本当の仕事を教えます」。米田ファミリー&ハギャレンをスナック「ひみこ」に連れて行き、浜崎あゆみの『Boys&Girls』のイントロをバックにマイクを持ちます。

「もしかして歌手?」とギャルちゃんたちがざわめくなか、歌い出した歩はとんでもなく音痴。「あらららら、あんまりうもうなかね」とひみこ。ここ、笑うところなのでしょうか。いっそ画面に「笑」とでも入れてくれれば、と願います。

「みんなよく見て。画面よく見て」と歩に促され、全員が画面に注目。そこに映っている金髪の女性が歩だったというわけです。

「東京に行ってギャル雑誌の読者モデルになったけど、すぐに現場呼ばれなくなったの。その後、小さい事務所入ってこういう仕事ばっかしてた」と歩。「大女優でもなければ、カリスマでもない。なんならギャルでもないから。ただのニセモノだから」と言ってマイクを置きます。

 そのマイクを手に取り、「♪輝き出した僕らを~」と歩の背中に向かって歌い出す結。「お姉ちゃん、知っとう。この曲ギャルにとって救いの歌なんよ。みんながこの曲を歌って元気になっとう。それってチョーかっこいいやん。お姉ちゃんはニセモノなんかやない」と。そして、ギャルちゃんたちと歩、米田ファミリーもタンバリンで盛り上げます。

 なんだかとてもいい話ふうなのですが、ギャルたちを元気にしているのは、この曲を作って歌っているアユ(浜崎あゆみ)であり、画面に映っていても誰にも気づかれもしなかった歩ではない、という気がするのですが…。

「うちギャルやりたい」

「お父さん、お母さん。うちギャルやりたい。それに書道もやりたい。もしかしたら、これからもっとやりたいことがでてくるかもしれんけど、その時は全部やってみたい」と言う結に、「人に迷惑かけんって約束できるなら、好きなことばやれ!」と父・聖人。

 これとて、誰に強要されたわけでもなく、結が勝手にギャルも書道もやめてムキになって農業の手伝いをしていたようにしか見えなかったので、感動も半減です。

 しかも、来週の予告では「うち、栄養士になりたい!」と。結局、農業を継ぐと言っていた話はどうなったのか。

 ギャルもやって書道もやって、家の手伝いもするなどと、調子のいいことを言っていましたが、それではまた過労で倒れるのがオチです。目の下のクマは役作りなのでしょうか。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


寅子の同級生・崔香淑が「香子ちゃん」として出現!気になるのは…
 家事審判所と少年審判所の合併の話し合いはまったく進展しない。しかし多岐川(滝藤賢一)には今一つやる気が感じられない。 ...
桧山珠美 2024-06-12 16:00 エンタメ
渡部建を“腫れ物”扱いするテレビは古い! めちゃ美味しい“食材”なのに
 2020年6月に複数の女性との不倫スキャンダルが勃発し、活動自粛していたアンジャッシュ・渡部建。活動再開後、徐々にメデ...
堺屋大地 2024-06-12 06:00 エンタメ
太陽とシスコムーンとの共通点にザワッ Z世代に人気のIS:SUEがたまらん
 6月7日、太陽とシスコムーンの楽曲がサブスク解禁され、40代を中心としたお祭り状態になっていましたね。懐かしすぎて私も...
よねと轟の新「相棒」爆誕!男と女“くっつく思考”に冷や水を浴びせた
 花岡(岩田剛典)が違法である闇市の食べものを一切拒否して栄養失調で亡くなったと聞き、衝撃を受ける寅子(伊藤沙莉)。花岡...
桧山珠美 2024-06-10 16:20 エンタメ
“マッチ先輩”近藤真彦がうたコン降臨!ヤンチャ返上?謙虚な発言に驚き
 4日放送のNHK「うたコン」は「作曲家 筒美京平特集」。尾崎紀世彦「また逢う日まで」、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、...
花岡死す「栄養失調で死亡」見出しの衝撃…“甘党男子”桂場は和洋イケる口
 穂高(小林薫)は法の道へ導いて不幸にしたと寅子(伊藤沙莉)に謝罪し、新しい仕事を紹介すると言い出す。しかし寅子はむしろ...
桧山珠美 2024-06-07 15:30 エンタメ
公園ランチの約束は叶うのか? 花岡の“しょんぼり言動”が不穏すぎる
 ホーナー(ブレイク・クロフォード)から子供たちにとチョコレートをもらった寅子(伊藤沙莉)は、公園で花岡(岩田剛典)に再...
桧山珠美 2024-06-06 17:00 エンタメ
いよいよ裁判官編。NHK制作陣の遊び心、8時14分過ぎに見たり
 昭和22年3月。新しい日本の憲法に希望を見出した寅子(伊藤沙莉)が向かったのは法曹会館。そこには空襲で被害を受けた司法...
桧山珠美 2024-06-03 16:05 エンタメ
「虎に翼」お宝物件!三山凌輝はピアスにアクセジャラジャラの“チャラ”男
 先週のNHK朝ドラ「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」は、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)にとって、悲しみの連続でした。...
刮目!伊藤沙莉“静”の演技、「佐田優三 仲野太賀」表示も期待は泡沫に…
 これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言(岡部たかし)は安らかに亡くなった。  寅子(伊藤沙莉)は何事もなか...
桧山珠美 2024-05-30 19:10 エンタメ
古谷徹は“あの役”降板?声優不倫騒動の後始末、カギは「キャラの私物化」
 レジェンド声優・古谷徹(70)の不倫報道が世間を騒がせている。 『文春オンライン』よって報じられた37歳年下女性...
優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ