年末年始に増えるご不幸と葬儀。花屋が心底思う「後悔しない直葬」とは?

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-11-13 06:00
投稿日:2024-11-13 06:00

「お亡くなり現象」が増える季節に…

 寒くなり、アノ不思議現象がボチボチ起こり始めております。それは、年末から年明けにかけて頻発する「お亡くなり現象」。多くの火葬場がお休みになることもあり、亡くなったのは年末でも故人がお骨になったのは、年が明け、1月の半ばだった…なんてお話は、あるあるでございます。

 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋でも、ご葬儀関連の仕事は承っており、アフターコロナの今、内容も規模も様変わりしたな、と実感しております。

 今回は「家族を『直葬』で送った後に訪れる後悔とは?」の解説です。

「直葬」とは?

「直葬」「仮葬式」とは、従来のお通夜や葬式などを行わず、納棺後にそのまま火葬場に送られ火葬を行うスタイルのこと。総称して「直葬」ともいいます。

 以前は経済的あるいは核家族化などの理由で選ばれていた直葬ですが、アフターコロナの今、宗教色が薄く、近親者のみが火葬場で故人とのお別れを選択される方がとても多くなりました。

 ある統計では、直葬を選択するケースが全体の20%を超え、「家族葬」も含めると60%超え…といったデータもあるぐらいです。この現象は都会であるほど顕著に現れております。

 お亡くなりになる場所は、病院や施設といった自宅ではないケースが多いのですが、故人は亡くなった場所から直接火葬場に送られることはありません。亡くなってからお骨になるまでの流れは、臨終→病院や施設の安置所→葬儀者や搬送専門の方が搬送→納棺→火葬場へ搬送後、火葬となります。

 一般的な葬儀の場合、通夜や告別式を行いますが、コロナ禍以前でも核家族化や高齢化により参列者も減り、通夜を省略した「一日葬」や家族や近い親戚のみで取り行われる「家族葬」が増えておりました。

 そしてアフターコロナは参列者の負担を軽くした葬儀すら選ばれず、たとえお見送りする人が多くても、火葬場の火葬炉の前で執り行われる直葬が普通に選ばれる時代になりました。

【あわせて読みたい】控えめな家族葬が200万ってマジ? 祖母急死で痛感!葬儀業者の“こっそり上乗せ”テク

直葬や火葬式のメリットは?

 直葬や火葬式の最大のメリットは、経費の安さにあります。また菩提寺を持たない、あるいは、菩提寺との関係が希薄になった理由からお坊さんを呼ばない方も多く、戒名も必要無し、お寺へ支払われる“経費”もバッサリ切る…なんて方もいらっしゃいます。

 ある日突然訪れる家族とのお別れは、予定外の出費なのは間違いありません。医学の発展により、病院生活や施設での生活が長く続き、それにかかる医療費が挟み、葬儀ところではない方も多くいらっしゃるのも事実です。

 直葬の場合、搬送代を含めれば経費はおよそ30~50万円程度といわれておりますが、一般の場合、100万円以上なのは確実です。私の場合も父を亡くしたあまりの悲しさで冷静に葬儀の準備どころの話じゃねぇ! 状態になり、まさかの400万円超え。数カ月の入院生活で膨らんだ病院への支払いと合わせて貯金が一気に減った記憶があります。

 身内だけだと遺族の精神的負担軽減も大きなメリットとなりますね。最近よく聞く小さな小規模タイプの葬儀や家族葬にもいえますが、ただ、小規模だから大丈夫だろうと臨終から火葬まで畳み掛けるような怒涛の時間の流れに身を任せてしまうと、蓋を開けたら思ってもいない費用に膨れ上がっていたというお話しも、実はよく聞きます。

 故人自ら「葬儀はしないでくれ」と遺言に残す方も珍しくなく、直葬が選ばれる理由もわからないではありませんが、大きな問題が後々出てくるものでございます…。

後悔しない直葬とは?

 とりわけ初めての直葬で驚かれるのが、最後のお別れの短さです。

 火葬炉に到着後、10分程度でご遺体は炉の中に納められます。お通夜や告別式などでたっぷりと時間をかけるのとは違い、あっけないお別れ…。

 本当に弔うことができたのかと、ほどなくして、取り返しのつかない後悔と猛烈な寂しさにさいなまれる方もいらっしゃいます。最期のお別れの時は、もう二度とこないというのに…。

「お見送り」事前準備の重要性

 最後のお見送りの方法は、事前に調べておくと全然違います。どれだけ遺族に寄り添う気持ちがあるのか。当日に「初めまして」の方よりも事前に何社かの葬儀社と直葬でも後悔しない方法等を相談できていれば、状況はだいぶ変わってまいります。

 やり方も価格もハッキリ言って、葬儀社の、もっといえば担当者の人となりで同じ直葬でも満足度は雲泥の差です。

 後悔するのか、心穏やかにお見送りできるのか。一歩引いた場所から葬儀屋さんを見ているワタクシのようなお花屋や出入り業者は、こう思います。結局は「人」、「人間力」でございますのよ。

 残すお金も精神的な負担も考えれば、最終的には生きている者が大事。ですが、故人も遺族も双方が悲しいお別れにならないよう、心優しい「おくりびと」に巡り会えることを…遠いお空の向こうでお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


おすそ分けが楽しみにゃん♡ 猫島の港で漁師さんを待つご機嫌“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
レズビアンバーを初体験! 接客、ショータイムにドキドキ…そこは「秘密の楽園」だった
 レズビアンバー。名前は聞いたことがあっても、足を踏み入れたことがある人は、少ないのではないでしょうか。  店内ではど...
40女「神戸マラソン2024」走ったで!ランナーのポイ捨て、アカンやろ…
 11月17日に行われた「神戸マラソン2024」に参加してきました! 倍率2倍をくぐりぬけ、今回で3回目の出走です。
生きた化石のイチョウをかわいく楽しむ! 花屋が教えるイチョウの葉を使った簡単フラワーデザイン
 猫店長「サブ」率いる我がお花屋は、神奈川県の片田舎にあります。今時分から年末にかけて、配達途中にちょっぴり遠回りを...
女性の「更年期と老化の受け止め」に3パターン。休むのはわがまま? 更年期休暇も求む!
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
【備蓄の日】うまっ…!無印良品級の「レトルト専門店」でごちそうを見つけた♪ ストックしたいオススメ3つ
 東京都では、11月19日を「備蓄の日」としているそうです。「1年に1度は、びち(1)く(9)の確認」なのでこの機会に保...
「乾燥対策」に使うべきベスト・オブ・アロマオイルは?【フェロモンジャッジ調香師が解説】
 女性ホルモンのバランスがよく、フェロモンが溢れる女性の共通点に「肌のみずみずしさとツヤ」があります。これは、体の内側か...
「やば、出ちゃった…」の強い味方!『吸水ショーツ』日仏対決。実際の履き心地、吸水させてみたら…
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
芸術の秋、散歩の秋!「緑と道の美術展 in黒川2024」の楽しみ方
 今年で9回目となる野外で楽しむ美術展覧会「黒川黒山アートプロジェクト 緑と道の美術展 in黒川2024」が開催中です(...
Z世代界隈に多い!? 「静かな退職」を選ぶ心理と、先輩として上手な接し方
「仕事には熱を持って取り組むべし!」アラフォー世代以降はこのように思っている人が多いですよね。その一方で、Z世代の若者は...
ひろゆき氏に言いたい! 48歳まで処女だった私は、本当に魅力がなかったのか?
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。48歳で処女を卒業し、現在はフリーで自分の時間を楽しんで...
3年ぶりのご登場! 超個性的なうし柄“たまたま”は今日も元気です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「姿」の部首は何? イメージにとらわれてはダメ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
週末だ、包丁も火も使わん!正義の炭水化物“爆速レシピ”5選【爆速レシピクリエイター・およねさんの自信作】
 SNSで話題の「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《ひとり分の分量で》《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》...
打倒、借りパク民!「貸したもの返して」催促LINEの“角が立たない”お手本はこれだよ~
 人に貸したものを返してくれなかった時、催促するのは気まずいと感じる人が多いですよね。  どうしたら角が立たない伝...
げっ困った! 超苦手なカラオケに誘われたら…場の空気を壊さずに切り抜ける方法
 冬が近づいてきて、そろそろ忘年会のシーズン。忘年会の二次会といえば、カラオケが定番ですよね。でも、「カラオケ、苦手だか...