「まぶたのたるみ」原因と予防法。おでこのシワにボトックスが不向きな人は注意【目元の美容専門医師が解説】

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2024-12-21 18:45
投稿日:2024-11-25 06:00

まぶたがたるむ原因は「まばたき」

 まぶたのたるみを訴え、来院される患者さんの中で、最も多い原因は何だと思いますか? 日頃の「まばたき」です。

 ヒトは日に1~2万回のまばたきをすると言われ、使い続けたヘアゴムがビヨ~ンと伸びてしまうように、自然現象であるまばたきをすることで、徐々に伸縮性がなくなっていくのです。

 年齢を重ねるとたるみが生じるのは仕方のないこと。ただし、極力伸びさないために、摩擦や炎症を加えないように心がけたいところです。

 長年のアイプチや、紫外線対策を怠ってまぶたに付加がかかり、炎症が続いているような状態を放置しておくと、皮膚はどんどん伸びてしまいますし、アトピーやアレルギーで目を擦る癖があるのも、慢性的な炎症につながります。

 炎症同様、乾燥も大敵。洗顔後に保湿する習慣がない人は、慢性的に皮膚にハリがない状態となり、皮膚の弾力がなくなってシワが入りやすく、お化粧ノリも悪くなります。

 皮膚のシワをたるみが出てきたと訴える患者さんには「日頃のケアの積み重ねを怠らずに行いましょう」とお話ししています。

 美容医療は施術に限らず、日々のケアも重要。多くの症例と向き合い、治療・診断する経験を活かして開発されたクリニック発のスキンケア商品はいろいろ出ているので、気になるものがあったら、担当医と相談の上、お試しになってもいいかもしれません。

まぶたのたるみ解消法は「二択」

 伸びてしまった皮膚はセルフケアで戻すのは難しいとされ、美容医療で「たくし上げる」か「切り取る」かの二択の施術が効果的だとされています。

 昔より二重の幅が狭くなり横から見たら一重のような状態にお困りの方には、まず、埋没法という二重ラインを広げる手術がおすすめです。2~3日のダウンタイムで昔の二重幅を取り戻すことができます。

「たくし上げる」埋没法

 しかし、埋没法はたるみをたくし上げる対処療法なので、限界があります。元々の二重幅が広い方や、一度埋没法でたくし上げても糸が取れてしまったような方は、伸びてしまった皮膚を切除する必要があります。

 その際、皮膚を切除する箇所がミソになります。まぶたの皮膚は二重ライン付近は薄い皮膚ですが、上の方、つまり眉毛付近は厚めの皮膚です。

 自然な美しい二重は、薄い皮膚が折りたたまれていることが必須なので、二重ライン付近の皮膚ではなく、皮膚の厚い眉毛の下で切り取ることが、自然に若返るポイントになります。

「切り取る」眉下切開

 上述した眉下切開の手術で、眉毛下のラインに沿って皮膚を切除すると、若かりし頃の自然な二重が蘇ります。傷が怖い方には、当院では術前に眉アートメイクをしており、“ダウンタイム中の傷跡が全く気にならなかった”という声を多くいただいています。

 ご興味がおありの方はぜひ適応だけでも聞きにきてくださいね。

  ◇  ◇  ◇

 次回は、よく聞く『眼瞼下垂』についてです。目が開けにくい原因がたるみではなく、目を開ける機能の衰えの場合は、こちらになります。

 周りから眠そうと言われる、夕方〜夜になると目の上が凹んできた、最近二重ラインが2本になってきたなどの症状がある方はぜひチェックしてください。

 美容医療にまつわる知りたいこと、聞きたいことなどありましたら、コメント欄(執筆者は「増田えりか」を選択)へのメッセージをお願いします^^

「イートップクリニック」院長/増田えりか

 2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


急に夜が淡白になり、枯れてしまった彼氏…【薬剤師監修】浮気以外で考えられる原因は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代で「実年齢+5歳老け見え」は絶対回避したい!【美容家激推し】お助けアイテム3選
 40代を迎えると、ちょっとした老け見えにも落ち込みますよね。「43歳なのに、48歳くらいに見られた…」なんてしょんぼり...
お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容医療11年目の美...
腹痛だけと思ったら大間違い!本当は怖~い「便秘」の5つの影響【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
冬でもテカる! 厄介な「油田肌」3つの原因と対策3カ条。逆効果のケアしていませんか?
「夏はまだしも、真冬の今でも肌がテカるのなんでなの!?」とキレている女性の皆さま、必見!  今回は冬でも肌がテカる原因...
40代に高額な美容液は必要なの? 愛すべきプチプラではなく、全力で投資すべきデイリーコスメは…
 40代半ばを過ぎてくると「高価な美容液に変えるべき?」の疑問が湧いてくる人も多いよう。実際に私のもとへも、「プチプラ美...
脱ネガティブ! マインドフルネスって何?【専門家監修】1日5分から始める簡単メソッドを解説
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
美容家熱弁!40代以上に大人気のプチプラで“買い”な最新作(UV対策、ポイントメイク、ヘアアレンジ)は?
 ここ数年で「プチプラ」と呼ばれるコスメのレベルが、格段に上がっていますよね!  大人世代が使っても納得と満足の両方を...
噂の美容法「タオルで顔拭きはNG」って嘘でしょ!? 医師3人の回答は/専門家監修【美容のウソ・ホント】
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
洋服でお金を浪費する人の特徴4つと回避策。通販サイトは“鬼門”かも?
 お金は稼いでいても、なかなか貯金が貯まらない人に多い特徴が「洋服でお金を浪費している」ケースです。なかには、洋服はたく...
お風呂から出てもすぐに足先が冷えるのはなぜ?【専門家監修】温活で全身ポカポカにする秘訣とコツ
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代が実例チェック! アラフォー女性がハマる“逆パンダ”アイメイクの罠
 アラフォー世代のみなさ~ん。若々しさを意識して華やかなメイクをしたつもりなのに、気づけば目元が浮き上がり、さながら“逆...
夫がハゲてきた…プライドも頭皮も傷つけない伝え方と妻にできること3つ
 夫婦の間でも、デリケートで伝えにくいのが「夫のハゲ問題」です。ハゲてきたと感じても正しい伝え方をしない場合、夫を傷つけ...
ダイエット成功の秘訣は「楽痩せ」【薬剤師監修】過去の失敗は“宝”。本当に好相性な超簡単ダイエットは?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
「なんだかキマらない…」【美容家厳選】“メイク下手”40代こそ使いたい! 優秀プチプラ3選
 40代以上の自称「メイク下手」女性の多くが悩む「昔と同じようにメイクをしても、なんだかキマらない」問題。きちんとメイク...
「膣トレ」きちんと知りたい!インナーボール、膣ハイフ、膣ヒアルロン酸はwinwinな治療法!?
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容外科医の増田えり...