更新日:2025-03-03 19:13
投稿日:2024-12-06 06:00
故人のお気に入りの席で
春美さんは語る。
「もちろん、OKしました。あまりの衝撃でこのまま帰宅する気にはなれませんでしたし、弘道さんとももっと話したかった…。
バーに入ると、Fさんがお気に入りだった角の席が空いていたんです。その席に座り、弘道さんはノンアルコールカクテルをオーダーし、私はモヒート、そしてFさんの好きだったロイヤルハウスホールドの水割りを頼みました。
弘道さんは、空席にロイヤルハウスホールドのグラスを置き、『Fさん、今日は春美さんも来てくれたよ。お疲れ様』と、グラスを持ち上げ、私も献杯をしました。その瞬間、言いようのない悲しみがこみあげ、涙がこぼれてきて…。
弘道さんも『新しいプロジェクトに向けて、2人で頑張ろうと言っていた矢先なんだ。僕にも彼が逝った理由が分からない。悩んでいるなら、ひとこと相談して欲しかった』と唇を噛みしめて…。そんな弘道さんを見て、私も涙が止まりませんでした。
一番近くでFさんを見ていた弘道さんの悲しみは計り知れません。店を出て車に乗り、再び帰路に就きました。
車の中で手を握られ
走行中、私はいつの間にか彼の肩に寄りかかっていました。身内だけしか知らない悲しみを共有した仲間との触れ合いが欲しかったのか、私自身が人恋しかったのか…いまだに定かではありません。
そんな私の心を慰めるように、弘道さんは車を路肩に寄せ、私の手を握ってくれたんです。その日からです。私たちが不倫関係になったのは…」
次回に続く。
ラブ 新着一覧
結婚前は、大好きで仕方なかった夫の性格や癖。それなのに、結婚して夫になり、気がつけば大嫌いになってしまったという人は多...
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
「冷酷と激情のあいだvol.125〜女性編〜」では、恋人・ナオトさん(47歳仮名)が過去の恋愛について自分に一切明かして...
不倫相手vs妻の修羅場は、映画「危険な情事」にあるようにすさまじく、そして壮絶に描かれてきました。娯楽としてスカッとす...
2023-01-14 06:00 ラブ
好きな彼がいるのについ出来心で浮気してしまったら、「私はなんてダメな女だ」と落ち込むでしょう。その浮気が原因で彼を失っ...
長引くコロナ禍で「恋の始めかたを忘れてしまった……」とぼやく女性が大勢います。
今までは知らない人と顔を合わせて交...
友情結婚とは、恋愛感情や体の関係がなくても「友情」という気持ちの繋がりで婚姻関係を結ぶこと。まだ認知度はさほど高くはあ...
なかなか本命の恋人関係になれず、友達止まりであったり、大人の関係になったりしていませんか?
誰かを好きになると、「...
今の彼との結婚を考えているなら、旅行がおすすめ。これまで見たことのない彼の本性がポロリと出る瞬間を見逃さないで! 結婚...
前回、離婚を考えた時に問題になる「お金」についてお話ししました。今回はもう1つ大きな懸念である「子供」について考えてい...
新年を迎えると、なんとなく身が引き締まりますね。昨年はやりきれなかった仕事や恋愛の目標に対して「今年こそは」と燃えてい...
大好きな彼と喧嘩してしまった時って、本当に落ち込みますよね。怒りにまかせて言ってしまったセリフに後悔したり、意地を張っ...
彼氏と最後にキスしたのはいつですか? 最近、彼氏がキスしてこなくなっているなら、静かに“別れのとき”が近づいているのか...
出会いの方法のひとつとして当たり前になってきた、マッチングアプリ。便利な反面、一見普通に見える男性の中に、地雷男が隠れ...
2023-01-07 06:00 ラブ
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
「冷酷と激情のあいだvol.124〜女性編〜」では、アプリで知り合った恋人・ユウジさん(49歳・仮名)とのデートが、体の...