『おむすび』結と翔也の交際は「プロ野球選手と結婚=チャラい女」に対するアンチテーゼでは?

小政りょう ライター
更新日:2024-12-08 16:05
投稿日:2024-12-08 16:05

野球選手と派手な女性の交際は批判されがち

 古くは女子アナウンサー、昨今ではモデルやインフルエンサーと、有名野球選手との交際や結婚が報じられるたびに、その妬みからか一部ファンが「騙されている」「目を覚ませ」と、批判をされることが多々ありました。

 ふたりがどんな形で愛を育んできたか、そして選んだ女性がどんな人生を歩んできたかは深く考えず、肩書と見た目だけでチャラチャラしている恋愛だと判断され、釣り合わない、見た目だけで選んでいると断定されてしまうことはよくあります。

 世界的スター・大谷翔平選手が結婚した際も「女子アナじゃなくてよかった~」というような反応が数多くあったのも記憶に新しいですよね。今まで多くの野球選手がアナウンサーと結婚し、幸せになっているにも関わらず、です。

報道の見出しは 「野球選手がギャルと結婚」に違いない

 もし、翔也がこのままプロ野球選手に進み、有名になり結と結婚すれば、報道は 「プロ野球選手がギャルと結婚」という見出しになることは必至です。高校時代からの恋人、栄養士という形容があっても、表向きには関係や人間性の軽薄さを与えかねません。

 しかし、結の素直で頑張り屋な人間性や、翔也との関係が軽薄ではないことは、ここまで朝ドラを見てきた視聴者なら分かるはずです。もし、結婚という展開になった際は、心から祝福できるでしょう。

 なぜなら、それは序盤の丁寧な描写があったから。展開がゆっくりと言われど、結の聡明な性格、心の傷、ギャルへの覚悟や、何年も股にかけた翔也との交際に至る経緯などをじっくり見守ってきた結果、結をパブリックイメージ通りのギャルとして視聴者はもう括れなくなっているのです。

 糸島編は、「なにかと薄っぺらい、考えなし、見た目だけ」「ただ、底抜けに明るい」「悩みなんて何もない」という風に誤解されやすいギャルが、実はそうではないのだと強い説得力を持たせるために、描かねばならなかった繊細な展開だったのかと、腑に落ちました。

 当初から『おむすび』の裏テーマは「人を見た目や肩書で判断することへの問題提起」かとほんのり思ってはいましたが、その説にさらに説得力が増しました。でなければ、平成を描くためのアイコンとして主人公をギャルにした、という理由以上にギャルである必要性がないのです。

佐々木希にみちょぱ…ギャルは一途なはず!

 12月9日から放送される第11週は、前週の予告で翔也の結へのプロポーズのようなセリフがありました。このまま結婚へ進むかどうかは気になるところですが、栄養専門学校を卒業し、ここからが正念場の結にとってはあっさり結婚とはいかないはず。

 今までの数多の朝ドラがそうであったようにヒロインの相手役はひとりとは限らないため、もしかしたら翔也との別れという展開もあるかもしれません。

 ただ、大倉士門さんと7年の交際の末結婚したみちょぱさんや、夫が浮気をしても関係を続けている元ギャルの佐々木希さんのように、ギャルは恋愛においても真直ぐ一途であると言われています。

 これを証明するが如く、個人的には結は翔也との関係をずっと貫いて欲しいと思います。

小政りょう
記事一覧
ライター
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」嵩らの“腹痛”は史実とちょっと違う? 懐かしい2人の登場には狂喜乱舞! 生きていてよかった…
 東京に到着したのぶ(今田美桜)たちは、さっそく聞き込みを始めるが「ガード下の女王」はなかなか見つからない。みんなで屋台...
桧山珠美 2025-07-11 18:33 エンタメ
「あんぱん」メイコ、夢はお嫁さんでいいのか? 健太郎(高橋文哉)ともう1人の“三角関係”を妄想する
 東京出張の前日。みんなで取材する代議士の資料を確認していたのぶ(今田美桜)は、岩清水(倉悠貴)が話す「ガード下の女王」...
桧山珠美 2025-07-10 18:34 エンタメ
timelesz、新体制が“古参ファン”に受け入れられる日は来るのか? 旧ジャニ「シャッフルメドレー」不参加の賛否
 7月5日、櫻井翔(43)が総合司会を務める音楽特番「THE MUSIC DAY 2025」(日本テレビ系)が放送され、...
こじらぶ 2025-07-10 11:50 エンタメ
石田ひかり53歳、今を生きる女性に伝えたい“楽しく生きていく”ためのメッセージ|映画『ルノワール』
 1986年のデビューから、映画『ふたり』『はるか、ノスタルジイ』や、連続ドラマ『悪女』、連続テレビ小説『ひらり』、『あ...
望月ふみ 2025-07-10 11:50 エンタメ
『あんぱん』ツダケンの“にゃあ”が秀逸だにゃあ!「月刊くじら」には色々とツッコミどころもあるが
『月刊くじら』創刊号は2日で2000部を売り切り、好調な滑り出しを見せる。嵩(北村匠海)は『月刊くじら』編集部に異動に。...
桧山珠美 2025-07-09 17:00 エンタメ
【10万いいね】鈴木えみ、20年前→現在の比較写真が“美しすぎる”と絶賛「変わらなすぎ!」「今の方が可愛い説まである」
 ファッションモデルから俳優業まで、幅広い分野で活躍する鈴木えみさん(39)。2025年7月7日に自身のInstagra...
春ドラマの評判を調査!本命『最後から二番目の恋』は2位。1位は意外な快進撃。日常系が人気、刺激疲れか?
 2025年の春ドラマが、次々とフィナーレ。今期はSNSでバズった顔ぶれも多く、ドラマファンからしても楽しいシーズンだっ...
「あんぱん」嵩は受かるのか…って次週予告編でネタバレか? アンパンマン声優の姿もチラリ
 のぶ(今田美桜)の家で暮らすことになったメイコ(原菜乃華)は、夢に向かって一歩を踏み出す。そしてのぶも、月刊誌の刊行に...
桧山珠美 2025-07-05 08:00 エンタメ
『あんぱん』のど自慢といえば「ひよっこ」有村架純を思い出す。メイコが歌うのはどの歌なのか?
 夕刊の話がなくなり、時間を持て余すのぶ(今田美桜)だったが、夕刊の代わりに月刊誌を出せることに。岩清水(倉悠貴)と歓喜...
桧山珠美 2025-07-03 18:11 エンタメ
TOKIO 国分太一騒動で危うい“料理イケメン”たち「男子ごはん」での気になる発言
 またひとり、旧ジャニーズのタレントが消えてしまいました。今度はTOKIOの国分太一(50)です。今月20日、無期限の活...
東海林(津田健次郎)はエラいのかポンコツなのか? ともあれ“ツダケン”の魅力的な演技に惚れ惚れ
 高知新報が夕刊発行の申請をし、のぶ(今田美桜)は編集長を任された東海林(津田健次郎)と先輩記者の岩清水(倉悠貴)と共に...
桧山珠美 2025-07-01 18:19 エンタメ
【再募集】2025春ドラマどうだった?面白かった&ガッカリを教えて!『あんぱん』『最後から二番目の恋』『対岸の家事』etc
 引き続き、2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。続々と最終回を迎えた4月よりスタートの春ドラマ、あなた...
「あんぱん」竹野内豊らが退場→津田健次郎と倉悠貴が新たに補充。イケメン好きにも優しい朝ドラに感謝したい
 闇市で渡された東海林(津田健次郎)の名刺を頼りに、高知新報にやってきたのぶ(今田美桜)。しかし、東海林は全く記憶にない...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
さや香、バッテリィズ…意外と多い「不仲コンビ」にグッとくる理由。仲良し芸人だけが正解なのか?
 千鳥MC『相席食堂』(ABC/テレビ朝日系)の6月3日放送回にて、「カウンセリング相席」と称した、お笑いコンビ・流れ星...
『あんぱん』嵩(北村匠海)に“たっすいがー”の面影はない。のぶへの言葉が胸を打つ「正しい戦争なんか、あるわけがないんだ」
 空襲の焼け野原でひとり佇むのぶ(今田美桜)の前に、嵩(北村匠海)が現れて再会を果たす。釜次(吉田鋼太郎)から事情を聞い...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
国分太一活動休止で消えた「TOKIO再集結」の光…木村拓哉に見せていた別の顔
 6月20日、複数のコンプライアンス違反があったとして、TOKIOの国分太一(50)が無期限の芸能活動休止を表明した。出...
こじらぶ 2025-06-25 07:50 エンタメ