『おむすび』が本当に描きたいもの
橋本環奈さん演じるギャルの主人公が、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”という触れ込みのNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』。
神戸編に移ってからは話がだいぶ進んできたものの、開始当初の糸島編は展開がゆっくりで、暗く悩んでばかりの不安定な主人公に批判の声がありました。展開や描写もどこか回りくどさがあり、この段階で離脱してしまった視聴者もいるそうです。
ですが、ちょっと待ってください。筆者はここ最近の展開を見て、ようやく『おむすび』の描きたいものが分かってきたように感じます。そのカギは結と翔也の交際にある…!?
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「ノロノロ展開」には意味があった?
糸島編で筆者が視聴しながら感じたのは、「ギャルになる人は、そこまで思い悩んで覚悟を決めてギャルになるのだろうか」ということ。
仲里依紗演じる姉の歩がギャルで確執ゆえにギャルを毛嫌いしていた設定や、黒髪のイイ子が田舎道を自転車で走る「典型的な朝ドラ」ヒロインの橋本環奈を、まずは思う存分見せたい制作側の意図は理解できます。それでも、ギャルになりそうでならない主人公に筆者はヤキモキしてしまいました。
翔也と結の交際の過程もそうです。想いが通じ合っていることが分かっているにもかかわらず、甲子園を目指している翔也側の都合で、3年次にやっと交際に至りました。
しかし、2年の期間はなぜか早送り。時間を費やしたという事実や健気に応援する結の姿には、ふたりの強い絆を感じたものの、何も展開がないのであればそこまで結果を引き延ばす必要があったのだろうかとさえ感じました。書道、震災、家族のごたごたなどの情報量も多く、どこかゴチャゴチャしている感もありました。
ですが、のんびりすぎる展開が表すのは、テンポの悪さを犠牲にしてまでも物語を丁寧に描く選択をしたということです。
スポーツ選手の交際ゴシップでピンときた
過去の多くの名作で、序盤のダルい展開が答え合わせのように後の展開でハマっていき、なぜテンポが悪かったのか理由が明らかになることがよくあります。
『おむすび』もそのパターンであるはずだと我慢して静観していたところ、最近一部で噂されたある有名スポーツ選手の交際ゴシップにファンたちからの批判がSNSで溢れていることを目にし、『おむすび』の序盤が意味するものが分かってきたような気がしてきました。
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