年末の定番「シクラメンって古くない?」その感覚こそ古すぎる!進化系続々、安価・高価な株の違いは…

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-12-11 06:00
投稿日:2024-12-11 06:00
 今年も順当に(?)曖昧な秋が過ぎていきなりの冬になったかと思うと、残すところ1カ月を切り、お歳暮シーズン真っ只中。ただでさえ年末年始商材でひっくり返る店内にお歳暮商品も加わり、身動きが取れなくなります。

シクラメンはお歳暮商品で不動の人気

 お歳暮商品で不動の人気は、やはり「シクラメン」。「え~シクラメン? どこでもあるけど、なんだか古くない?」と思っているアナタ。ハッキリ申し上げて、その感覚とんでもございませんわよ。

 お花屋のワタクシでさえ「これは何と言うお花ですか?」と聞きたくなるほど、シクラメンは進化を遂げております。今回は「世界が認める日本の感性、進化系シクラメン」の解説です。

安いシクラメンと高いシクラメンの違いは?

 冬の人気商品シクラメンが販売されているのは、お花屋さんや園芸屋さんだけではありません。八百屋さんでもスーパーでも、はたまたコンビニなどでも、欲しいと思った時に手軽に購入できる価格と品揃えで売られています。

 そこで不思議と思いませんか?

 あちらこちらで買えるし、リーズナブルな印象のシクラメンだけど、お花屋さんや園芸品屋さんで買うシクラメンはなんで高額なの? 同じシクラメンなのにボッタ食ってるのかしら? と。

 そのお気持ち、わからなくはない(笑)。ワタクシも仕入れをする立場でなければ、違いに気が付きませんでした。人気商品であるがゆえの品数。だがしかし! 見比べるほど、雲泥の差でございました。

【読まれています】「旦那死ぬよ!」住職から叱られて以来、大事な“トイレのあれ”。運気アゲアゲ狙うなら「水回り」が狙い目

開発→生育過程が違う

 シクラメンを取り巻く状況は、大きく分けて2つ。

●栄養系…進化系シクラメンとも呼ばれる変わった品種。流通量、販売数ともに少なく、価格が高い。優れた性質や花形・配色を持つ親株を組織培養(クローン)などで長い時間とコストをかけて増やすため、生産家が限られる。

●実生系…手軽でオーソドックスな品種、大量流通しているのがコレ。種から生産ができ、種苗会社から安価で買えるため、生産コストを抑え、安定した価格と数の設定ができる。ただし、種から育てるため出来上がりの株に優劣のバラツキがある。

 開発と生育過程の違い、商品の優劣が値段に反映されるのでござんすな。花市場で大量に見ていると、その差は歴然です。

 あまり知られていませんが、日本は繊細かつ美しい品種を次々と生み出す、世界でもトップクラスのシクラメン大国。個人の育種家さんでもクオリティーの高い品種を次々と手がけ、シクラメンの新しい扉をこじ開けまくっております。

シクラメンの革命児とは?

 感度の高い園芸愛好家の間で話題だった「イリュージア」は、シクラメンの概念を覆す「上を向いて咲く」花形で、進化したシクラメンの夜明けを感じさせます。

 桜のような花1輪が2カ月ほど楽しめるロングライフ。株の上を追い尽くすように咲き乱れ、葉を見なければとてもシクラメンとは思えない花形です。

 2023年、優れた育種家の多い日本が世界に先駆けて先行販売。進化系シクラメンのデメリットである生産法を払拭し、「種子」による生産で安定供給が見込まれ、今年は世界一斉本格販売されています。

 進化系のシクラメンでも、ミニサイズでリーズナブルに購入できるのは花がカールした「カールレッド」、花弁とガクの色のコントラストが可愛い「ジックス」、八重咲でナチュラルな「プチムーラン」などシクラメンの概念を覆した新しいタイプは、自分への一年のご褒美に購入される方が多くいらっしゃいます。

シクラメンのマストな育て方

 シクラメンは暖かいお部屋は苦手で、寒いのがお好き。エアコンの風が当たる場所などもってのほかです。

 クタッとなったら、水切れか高温が原因。ヤバい! と思ったら、球根が凍らない程度に戸外に出したり、日当たりが良くて寒い窓際におけば復活する可能性大でございます。諦めずにお試しあれ。

 色・花姿・香りと進化し続けるシクラメンがアナタに驚きと感動を届けてくれますことを…遠いお空の向こうで祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スタレビの名曲が聞きたい!仏教と深い関係のある「木蓮」とその仲間たち
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ただいま卒業式や送別など春特有のイベント仕事で、いつにも増して花まみれの毎日...
“炎上常連”麻生さん級の「ルッキズム失言」していませんか?
 最近、よく耳にするのが「ルッキズム」という言葉です。政治家や芸能人が、何気なく言った一言で「ルッキズム発言だ」と叩かれ...
女の敵は女だから?忘れた頃にぼっ発する「専業主婦論争」をガチで考える
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  X(旧Twi...
職場の同僚ランチが苦痛すぎる…一人の時間を確保する4つの冴えた処世術
 業務内容へのストレスより、職場でのランチタイムが苦痛という人は多いですよね。正直、仕事で疲れているのに、休憩時間まで同...
離婚→シンママになり、心底よかったこと4つ 我慢は美徳っていつの話?
 世間では、離婚してシンママになった女性に対して「かわいそう」「大変そう」といったイメージがあるかもしれません。  で...
春まであと少し?
 残雪の甲斐駒ヶ岳を背にすっかり葉も落ちた葡萄畑  春まであと少しが意外と長い
春のお花と記念撮影にゃ! ウサギみたいなしっぽの“たまたま”
 きょうは、ウサギ君みたい! しっぽの短いにゃんたま君に出逢いました。  しっぽが短い猫は長い猫と比べると、臆病で...
ほっこり癒し漫画/第70回「すぷりんぐファミリー」
【連載第70回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
男と女の物語、だからこそ「娚」の当て字が使われた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「場所代は200円いただくわ」堅実というかケチ!名目別に徴収するママ友
 ママ友と仲が良いといっても、子どもありきの関係。価値観や金銭感覚など、すべてが合うとは限りませんよね。  中には、マ...
家庭の派閥争い…夫の“ポカリ甘すぎ、アクエリアス!”に猛反対する妻
 混沌とした世の中。世界で起こっている戦争や紛争だけでなく、会社やネット上のコミュニティーでもあらゆる「派閥争い」が繰り...
40代が自分の老いを実感した切ない瞬間4つ 運動は得意だったのに(涙)
 年齢を重ねると、体の老いを実感する瞬間が増えてきますよね。特に若い頃に運動が得意だった人は、頭では動けると思っているの...
ストリッパー、Airpodsおじさんに学ぶ。
 AirPodsをしたサラリーマンのおじさんを通勤電車で見た瞬間、私はその後ろ姿にぎゅんと心惹かれた。  なにそれ...