更年期障害と付き合うおばさんの心得。私は「ツヤ髪」で自信を取り戻す

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-12-25 14:57
投稿日:2024-12-18 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第10話は「おばさんだって“女の自信”が欲しいわけで」。

女としての自信とは

 ラジオを聴いていたら50代の女性パーソナリティーがこんなことを言っていた。

「女性の50代は更年期や仕事、家庭と何かと大変。それでも全身のどこかに誇れるパーツがあると、女として自信が持てる。肌や髪の毛、まつ毛、爪、フェイスライン…何でも構わないけれど、どこか1カ所だけは丁寧に手入れをしたほうがいい。ぜんぶのケアは無理だから」

 ちなみにこちらのパーソナリティーも、絶賛更年期中だそう。でも自分を鼓舞するためにツヤ髪ケアだけは欠かしていないとのことだった。ラジオを聴きながら「そうか」とうなずく。

 この連載のテーマは更年期。みなさまと情報共有をするべく、あんな症状もあった、こんな症状もあったと記憶を掘り起こしたり、新しいことを考えたりしながら文章にしている。

 事象を並べて見直してみると、毎日ちょっとずつ不調だ。そして体調不良というものは、精神的な部分も蝕んでいく。

 夏にこんなことがあった。ショッピングモールで襟周りに特徴のあるトップスが目に入り、買おうかどうしようか迷っていた。が、のぼせで首筋に汗をかきまくっている自分を思い出して、購入を思いとどまる。

 これが精神へのダメージだ。代わりにガンガン洗濯をしても良さそうな、コットンのTシャツを買った。こうして自信はすり減っていく。


【こちらもどうぞ】更年期、私はこれで対処しています①漢方薬服用歴15年超、「意味あるのか?」と医師に尋ねた

先祖に感謝する髪質を活かす

 荒んだ気持ちは良くない。私も自信を取り戻すべく、自分に何かないかと見た目を振り返る。体型は…史上最重量をマークしているので、アレとして…と。

 そこで思いついたのがパーソナリティーと同じく、髪の毛だった。直毛で大きなトラブルもなく、馴染みの美容院でも「合格!」と、いつも褒められる髪質だ。真っ黒でもなく、適度に茶色。これは完全に遺伝によるもので、先祖に感謝を申し上げる以外、他はない。

 ただ最近、白髪が見えてくるようになり、だんだん手入れも面倒になっていた。最近、毛量も増えて、ドライヤーでも乾きにくい。

 いかん。つい落ち込む方向に考えるのが更年期の悪い癖だわ。

 50代を控えているけれど、昔のような状態にして自信を戻そう。やってみよう。以前のツヤ髪になることが、私のメルクマールだ。

 そう意気込んでまず見直したのが、日々のシャンプーである。実は以前、前出の美容院のスタイリストとヘアケアに関する『髪の明るさは女性の一生を照らす』(扶桑社)という書籍を作ったことがある。

 その時の打ち合わせでさんざん、効果のあるシャンプー方法を聞いておきながら、最近はサクッとシャンプーを終わらせていた。なんと情けない編集担当者だろうか…。まずは当時の記憶を掘り起こそう。

おかえりなさい、髪ツヤ

 自信を取り戻すために行ったシャンプー方法を紹介したい。重視するのは「梳(と)かす、流す、乾かす」。

 まずはシャンプー前によーく髪の毛を梳かして、汚れを落ちやすくする。ブラシはなんでも構わない。ちなみに私は『ラブクロム』のコームを使っている。高価ではあるけれど、一生モノだと清水買いをした。

 そしてよーくお湯で流す。これで汚れのほとんどは落ちるそうだ。顔まわり、うなじ、首の裏。見落としがちな部分を1分間(!)ほどかけて、流す。

 で、いよいよシャンプー。洗うというよりはシャンプーの泡を髪の毛に絡ませるという感覚がいいそうだ。ゴシゴシ洗うのはNG。ここで『ツーシャン』と呼ばれる、洗髪方法の登場だ。

 1回目は全体に泡をさらっとつけて、ざっくり流す。2回目はたっぷり泡をつけて、しっかりと流す。洗髪前のお湯で流すような感覚で流す。ちなみに泡立ては専用のネットを使っている。手で泡が作れる専門性の高い技術は、私にはない。

 トリートメントも塗布したあとは、コームで馴染ませる。そしてまたよーく流して、ドライ。濡れたままは傷みの原因なので、きっちりと乾かす。

 読んでいるとジリジリしてきそうな工程かもしれないが、この丁寧な洗髪方法を実践してから、汚れが落ちているのか髪の毛がとても軽くなった。美容院帰りの感覚である。その後どこかに消えていたツヤが全速力で戻ってきたのだ。

胸を張って歩くのは気持ちが良い

 戻ってくるペースは人によると思うけれど、私の場合は1カ月程度で実感。このおかげで最近、外出前のスタイリング(オイルを塗る程度だけど)が楽しくなった。仕事先で「どこのトリートメントなのか」と聞かれることもある。

 これらが加齢や更年期によって失いかけた、完全自信修復になるとは言い難い。もしくはおばさんの抗いに見えるかもしれないけれど、胸を張って歩くのは気持ちが良いのだ。

 何かひとつ、無理(高額美容治療etc)をしない範囲で、自信をつけてみること、お勧めします。

 次回(#11)へ続く。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【2025年人気記事】「港区の遊びはやり切った!」アレン様を待ち受けにするギャラ飲み女子、私生活で各界有名人を総ナメ
 2025年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初...
【2025年人気記事】転職10回以上、それでも非正規雇用から抜け出せない。51歳独女が語る『就職氷河期』の理不尽な現実
 2025年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第109回「院内大掃除! ワイパーを狙う名ハンター」
【連載第109回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
算数のテストで「スケジュール管理ができない病」の原因が判明!そして忘れられない15000
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
ああ、勘違い。「チャッピーって浮気相手だろ!?」なわけあるかーい! 流行語で赤っ恥LINE3選
 2025年も残すところあとわずか。年末恒例の「流行語大賞」も話題になっていますよね! しかし、次々に生まれる新しい言葉...
1年お疲れ様!年末年始は「スナック」に行ってみて。ストレス解消の全部があると言えるワケ
 みなさんは、”仕事の話をしなくてもいい同性の先輩”ってどのくらいいますか?  たぶん大人になればなるほど、「いる...
猫とコタツに勝るものある? 私の年末年始“最高の過ごし方”6つのケース。彼氏ナシでも幸せすぎ
 世の中は“帰省”や“旅行”や“初詣デート”で盛り上がっているけれど、気づけば年末年始の予定はゼロ。でも、「予定がない=...
正直、お年玉をあげたくな~い! 節約女の「うまい逃げ方」9選。こんなご時世だもの…許してね
 新年が近づき、そろそろ「お年玉」を意識し始めた人もいるでしょう。大人となった今、どうにかお年玉をあげずに済ませたい場面...
2026年の抱負は「ママ友への復讐です」私の“人に言えない”来年の目標6選!
「2026年はこんな年にしたい」と、すでに抱負や目標を持っている人もいるはず。ただ中には、人には言えない内容もあるでしょ...
早く会いたいニャン♡ “にゃんたま”君、ママをお店の前で待ってるの?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「お受験」界隈で赤っ恥!港区女性との会話が噛み合わない…庶民ママが後悔する“無知すぎた”一言
「みーちゃんも試験うけて高級なおりこうさん学校いくよ」――保育園年長の娘が突然の“お受験宣言”。庶民的な家庭に生まれ、高...
「大人を論破した!」子どもの困った“反抗期”エピソード6選。超理論に頭がイタイ…
 思春期の子どもが、何かにつけ反抗的な態度を取る「反抗期」。そういうものだと頭では理解していても、親にとってはつらいもの...
息子の手紙にホロリ…大掃除で“発見した”意外なもの5選。なのに夫が隠したカードで大喧嘩!
 これから年末の大掃除をしようとしている方! もしかしたら、見覚えのない謎アイテムやパートナーの隠し事を発見するかもしれ...
えぇ…「長男は4万円ね」義実家の“ヤバすぎ金銭感覚”LINE3つ。金ズルにされてない?
 年末年始やお盆の帰省シーズン。久々の再会を楽しみにしている人がいる一方、頭を抱えがちなのが帰省にかかる「お金問題」です...
しなやかな神の魅力…“にゃんたま”のヒミツはお手入れと恋のパワー♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ゲッ…私が“老化を実感”した6つの瞬間。「顔が汚れてるよ」ってシミだから!
 アラフォーになると「歳をとったなぁ…」としみじみ感じる瞬間があるでしょう。 今回はそんな“老化を実感した話”をご紹介!...