【今日のおむすびにモヤっと】当日いきなりスコッチエッグの無謀。鶏ひき肉と卵、大量に仕入れていた?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-12-19 17:48
投稿日:2024-12-19 17:48

第12週「働くって何なん?」#59

 愛子(麻生久美子)が置き手紙をして家出したため、ヘアサロンヨネダでは聖人(北村有起哉)がてんてこまいに。一方、社員食堂で働く結(橋本環奈)は、立川(三宅弘城)から日替わりのメニューの考案を初めて任される。

 材料費200円以内でおさめるという条件で、ランチタイムまでのわずかな時間、結は必死になって考え、その料理が出来上がる。

【こちらもどうぞ】パワハラ系上司役・三宅弘城の演技が達者すぎる? 右肩異変の翔也は病院に行くべし!

【本日のモヤっと】

愛子不在で、突然、繁盛し出すヘアサロンヨネダ

 ※※以下、ネタバレあります※※

 開始早々、驚きました。あの閑古鳥が鳴いていたヘアサロンヨネダが繁盛しているではありませんか。お客さんが次々と現れ(といっても3人ですが)、聖人がひとりでパニクっている様子がコミカルに描かれていました。

 これって、そもそもおかしな話ですよね。愛子がいた時は客がいなくて、それをなんとかしなくては、と愛子がホームページ作成を提案したら、聖人が「そんなものは必要ない」と怒って夫婦喧嘩になり、愛子が家出をしたわけで…。突然、客が殺到するというのも無理がありませんか。

 すでに愛子がホームページを立ち上げていて、それで繁盛したというオチも考えられますが、だとしたら、そんなに急激に客足が伸びるホームページなど存在するのかという新たな疑問も湧きます。

 そもそも職人としての腕はたしかな聖人なのに、愛子がいなくなったくらいで何もできない、という描き方、腑に落ちないし、もちろん、笑えません。

「ランチまで時間はある」の違和感

 あっ。すっかり結のことを忘れていました。立川に「今日の日替わり考えてみぃ」と言われた結、「味付けも任せる。うちの食材、どれ使こてもええ」「ただし材料費200円以内で」というミッションを与えられ、「スコッチエッグ温野菜添え定食」を考案します。

 立川のOKも出て、その日の日替わりとして採用されました。ですが、これもどうなのでしょう。「ランチまで時間はある」と立川は言ってましたが、いったいこれは何時の話なのか。いくらなんでも、その日の朝にメニューを考えるというのは無理があり過ぎ。せめて前日ならわかりますが。

 今回、スコッチエッグでしたが、鶏のひき肉や卵を大量に使ったら、ほかの料理が作れなくなるのでは。いつも無駄に材料を仕入れているとしたら、それはそれで問題ですし…。

 日替わりのメニューをなぜか筆で書く(どこから持ってきたんや!?)。原口(荻原利久)に「お~。字うまいんやね」と言われ、「うち、元書道部なんです」と得意げな結。これで、伏線回収したつもりになっていたとしたら、開いた口が塞がりません。


桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」羽多子らの“あの言葉”にあんぐり…のぶも感動してる場合か。落語家の年齢も気になる
 嵩(北村匠海)は「まんが教室」という番組に出演してほしいという健太郎(高橋文哉)の頼みをしぶしぶ承諾する。そして第1回...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
「あんぱん」のぶ、議員のコネ入社なのに“クビ”の謎。急成長したアキラ君と老けないオトナ達に酔いそう…
 嵩(北村匠海)が書いた詞にたくや(大森元貴)がメロディーをつけて生まれた「手のひらを太陽に」は、「みんなのうた」でも紹...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
スキャンダル続出の花田優一、美女にモテまくるのは何故? 不誠実男に学ぶ「悪名は無名に勝る」メリット
 元横綱・貴乃花光司と元フジテレビアナ・花田景子を両親に持つ“親の十四光り”の花田優一。  現在、元テレビ東京アナ...
堺屋大地 2025-08-17 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)、“何か”が始まっちゃう? 嵩は作詞能力をいつ見抜かれたのか
 舞台公演は成功裏に幕を閉じる。数日後、なぜかぼんやりした様子の嵩(北村匠海)。そこに、また一緒に楽しい仕事をしようとた...
桧山珠美 2025-09-04 12:26 エンタメ
カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
 カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&...
帽子田 2025-08-15 11:45 エンタメ
島崎遥香31歳、40代を迎えても「幸せの更新」方法は変わらない。カテゴライズせず“ぱるる”として生きていく
 昨年、初めての著書『ぱるるのおひとりさま論』(大和書房)を出版するなど、このところ「ひとりが好き」「結婚願望はナシ」と...
望月ふみ 2025-08-14 11:45 エンタメ
ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ
キンプリ岩橋玄樹、A.B.C-Z戸塚祥太ら夏の深夜ドラマ、極上イケメン4選。“フェミ男”の二世息子も俳優デビュー
 常夏の国、ジャパン 日本列島沸騰中です! 連日、熱中症警戒アラートが発令し、無駄な外出はしないようにと呼びかけます。コ...
1位の道枝駿佑を抜いた!2025年上半期「国宝級イケメン」を検索数でランキング。最も調べられた日の出来事は
 7月15日、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」(以下、「ViViランキング」)が発表されました。N...
こじらぶ 2025-08-10 11:45 エンタメ
「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った...
桧山珠美 2025-08-09 10:38 エンタメ
山田裕貴、“気持ち”を考え続けて撮影に挑んだ。W主演の堤真一に「恥ずかしくて聞けないこと」とは?
 太平洋戦争末期の沖縄で、アメリカ軍に追い詰められて木の上に身を潜めた日本兵が、終戦を知らないまま2年間にわたって潜伏生...
望月ふみ 2025-08-08 11:45 エンタメ