バッテリィズが令和に「おバカ漫才」を蘇らせた!M-1グランプリ令和ロマンに肉迫した魅力をラリー遠田氏が解説

更新日:2024-12-25 17:03
投稿日:2024-12-25 17:00

 先日行われた「M-1グランプリ2024」(ABCテレビ、テレビ朝日系)は、令和ロマンが大会初の2連覇の偉業を達成したが、惜しくも準優勝ながら、決勝戦でキッチリ爪痕を残したのがバッテリィズだ。

 バッテリィズ(エース・30/寺家・34)は、草野球チームでピッチャーとキャッチャーのバッテリーを組んでいた2人が2017年に結成。

 今回、決勝戦初進出ながら、ファーストラウンドで7組目として登場すると、令和ロマンの850点を上回る861点で1位通過。最終決戦では、9人の審査員のうち、5人が令和ロマン、3人がバッテリィズ、1人が真空ジェシカに投票し、令和ロマンには2票差と肉薄した。

 ファーストラウンドのネタは「偉人の名言」、偉人の名言を説明するインテリ風の寺家に、“バカ”なエースがボケを連発すると、会場は爆笑に包まれ、空気は一変。

 採点後のコメントでは、「ボケが来るタイミングも角度もわからへんから、笑う準備ができへん間に笑かされてしまう」(NON STYLE石田)、「小難しい漫才が増えている中で、ワクワクするバカが現れた。日本を明るくしてくれそう」(オードリー若林)、「昔からあるスタイルだと思うが、逆に新しすぎてめちゃめちゃ面白かった」(かまいたち山内)、「他の人がやってもこんな面白くならない。エースの間が今日、一番笑えた」(ナイツ塙)、「長らく途絶えていたアホ漫才を令和の時代にうまいこと蘇らせた」(博多大吉)などなど、審査員たちも大絶賛だった。

ボケ担当エースの明るく無邪気な「おバカキャラ」が魅力

 続く最終決戦のネタは、「世界遺産」。こちらも同じく、寺家の説明にエースがボケを連発するスタイルだった。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話す。

「バッテリィズの漫才の魅力は、ボケ担当のエースさんの明るく無邪気な『おバカキャラ』です。知識がないことでピントが外れた受け答えをしてしまうのですが、その外れ方が常に受け手の想像を超えているので、不意打ちを食らったように笑わされてしまいます。しかも、エースさんの発言はでたらめなようで意外と本質を捉えているところがあったり、そこに彼の人間的な優しさも見えたりします。最終決戦の『世界遺産』のネタでは、昔の偉人の墓が大きいのはそれだけ偉大だからだという話をされて『俺のおじいちゃんもおもちゃいっぱい買ってくれたから! 俺のおじいちゃんも偉大やから!』と返すくだりは、笑えるけど泣かされるようなところもありました」

 どことなく昭和のにおいがするベタなしゃべくり漫才だが、“バカだけど愛嬌があって憎めない”というエースのキャラクターが大きなポイントになっているようだ。

「エースさんのキャラは唯一無二で、今後はそれを生かしたテレビの仕事もどんどん増えていくでしょうね」と遠田氏は付け加えるが、来年は、一気にブレークの階段を駆け上がりそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 連覇を達成した令和ロマンについてもラリー遠田氏は解説している。関連記事【もっと読む】令和ロマン「M-1グランプリ」連覇の大快挙!ラリー遠田氏が“お笑いAI”と評した天才的「場の空気の掴み方」…では、連覇の原動力を分析している。

エンタメ 新着一覧


優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ
朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ
生田斗真“無痛おねだり”大炎上の後始末 羊水発言は“謹慎4カ月”だったが…
 俳優の生田斗真(39)が大炎上している。生田はインスタグラムのストーリーズで、ファンから質問に回答する企画で「今日で妊...
優三のいい人キャラさく裂!予告でヒヤリとした梅子の断崖絶壁シーンも〇
 涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)...
桧山珠美 2024-05-09 16:30 エンタメ
『虎に翼』脚本家、アニメ界でなぜ高評価?朝ドラ人気の要因は公平な目線
 NHK連続テレビ小説『虎に翼』が好評だ。主人公は日本初の女性弁護士・三淵嘉子をモデルとした猪爪寅子。彼女が投げかける疑...
竹もとで勉強する寅子たちは今時のノマド?法律事務所の初仕事はお茶入れ
 昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び...
桧山珠美 2024-05-07 14:20 エンタメ
あさイチで光った令和の“料理男子”の新星、キスマイ横尾のライバル現る!?
 ゴールデンウィークといっても、どこかにお出掛けの予定になんの予定もなく、ただ漫然とテレビを見ていたら、神様から思わぬご...
直言ら16名全員無罪!憲法記念日に放送された寅子が語る「法」の解釈
 昭和11年12月。1年半に及んだ直言(岡部たかし)の「共亜事件」がいよいよ結審の日を迎えた。  寅子(伊藤沙莉)...
桧山珠美 2024-05-04 06:00 エンタメ