平野ノラさんは10年間のメルカリ売り買いは660回!「汚部屋から一転断捨離で人生が変わった」

更新日:2024-12-25 19:53
投稿日:2024-12-25 17:00

平野ノラさん(タレント)

 メルカリは2014年から始めました。メルカリ歴は10年になります。これまで売り買いの取引は660回になります。その金額がいくらかはわからないですね。儲かるとか小遣い稼ぎという感覚はなくて、私はメルカリなどで断捨離することで自分の人生が変わったと思っています。

 最初は5枚1セット300円くらいのポストカードとかを売っていました。後から気がつくのですが、300円だと送料と手間暇をかけたらマイナスじゃないかと。

 だけど、梱包するのがすごく好きで、自分でお店をやっているような感覚になり、梱包にもひと手間かけ、サンキューシールを買って貼ったりして。楽しいし、買ってくれた人に「キレイですね」と言われるのがうれしくて、工夫するのは全然、苦じゃなかったですね。

 でも、そのうち300円のものを売ってる暇はないゾとなって、少しずつ単価を上げていきました。続けているうちにやり方がすごく上手になって。写真の撮り方とか上げ方、文言……。

 売り買いはポストカードからブランドもののバッグ、スニーカー、洋服、コスメまで何でも。時にはハンドメードの品も。ハンドメードは母が得意なんです。

 例えば2月の豆まきシーズン。子供に赤鬼の角をつけさせ、黄色と黒の虎模様の衣装を着させるのですが、シーズン前にそのセットを作り、娘に鬼の格好をさせ、写真を撮る。それをやっておいてシーズンにめがけてメルカリに出す。イベントものは必ず売れますからね。値段は1000円とか2000円。それで儲けようと思っているわけではなく、今必要と思っている人に使って欲しい。来年はサイズアウトして使えないので、手元に残すよりたくさんの人に使って欲しいと思います。

 写真の撮り方もテクニックが必要です。絶対にダメなのは柄のじゅうたんに柄ものの洋服を乗せることですね。絶対に白ベース、私はシーツを敷いてやっています。洋服は畳んだままとか、広げないで撮るのはダメ。私は平置きもするし、ハンガーにもかけ、全体がわかるように何枚も撮ります。飾りとかをつけたまま売る人もいますが、「それも込みですか」みたいなやりとりをすることになるからムダです。タグもキレイに撮る。写真の枚数も15枚とかMAXの20枚とか上げるようにします。

 文言では「早いもの勝ちです!」とか「希少価値あり!」「このモデルはもう手に入りません」「大人気で即完した商品です」「限定カラー」とかメッチャあおる(笑)。自己プロデュースします。

 梱包も大切ですね。キレイに梱包しているとか、写真の撮り方で大体その人のセンスがわかる。この人、センスがいいと思うと、その人の他の出品も見たりすることが多いんです。

 送料込みというのも当たり前みたいになっていますが、ちゃんとアピールポイントにして記載します。

 あとトラブルになりそうな取引はしません。例えば新品未開封で出品してる人に「中身見せてください」とお願いしても「新品未開封なので無理です」と言われたらどんなに欲しくても諦めます。

 私がファンデーションの色を間違えたことがあります。取引が終わって、先方に品物を送ったのはいいけど、「書いてあるのと色が違っている」と連絡がきて。その時はどうしようもないので、「申し訳ありません。今回は差し上げます」と言ったら、逆に喜ばれましたけど(笑)。

ボロボロのシャネルのバッグは秒殺だった

 今でも思い出すのはシャネルのボロボロのバニティーバッグを売った時のこと。3000円くらいで出したら秒殺、たった2秒で売れた。その時はもっと値段を上げておけばよかった、値段交渉もしてみたかったなあと後悔しました。

 時には私ならではの買い方もしました。

 昔はバブルネタの真っ赤な衣装から、バリエーションを増やすため当時のバブリーな服を探していました。スタイリストさんがつく前でしたから自分で用意するわけです。そんな時はメルカリに「平野ノラ」と検索をかけると、「80年代平野ノラ風」とか「忘年会に平野ノラになりたい方いかがですか?」とか紹介されながら、肩パッド入りの服が売られてるわけです(笑)。それを私が買ったりしてましたから、もう「プロ」を超えて「達人」でしょ!?(笑)。

 私はメルカリを始める10年前まで、汚部屋に住んでいました。テーブルの上も布団の上も洋服が山になっていた。夜は洋服の上で寝ているような状態でした。

 モノをため込んで、足の踏み場もないような家の中で、どうやったら仕事がうまくいくか、自分が満たされるかと悶々として、わけがわからなくなっていました。

 そんな足の踏み場もないような汚部屋に住んでいた27歳の時、ある本を読んで、このとっちらかっている部屋の状況と私の内面はリンクしているんじゃないかと気がついたわけです。こんな生活をしていたら私の人生、うまくいかないんじゃないか。

 それで部屋に積まれていたものを捨てていった。すると、それらがなくなっても何の未練もないことがわかった。

 じゃあ、私が一番やりたいことは何だろうと考えてみたんです。そうか、やっぱり芸人なんだ、芸人になるためにもう一回チャレンジしてみようと思った。それで部屋もスッキリさせ、何をやりたいか整理してみました。すると、何か悩んだりしている時って、部屋がすさんでいるんだなということをはっきり実感することができました。

 その頃、まだ世に出る前でバブルキャラ以外のネタもたくさんあり、バブルキャラでやっていこうと思っても、受かるオーディションもあれば受からないオーディションもあるので、場面に応じてキャラを変えながらやっていました。

 でも、ネクストブレーク芸人の枠に2年くらいいて、来年はそろそろブレークしないとまずいという雰囲気になっていた。

 そこで考えたわけです。キャラの一つ一つは確かに武器だけど、それじゃ抜きんでているのは何だろうかと。そう思った時にやっぱりバブルキャラだよねってことになって。それからはバブルと心中するつもりで、他のキャラを断捨離することにしました。

 売れてないんだから、急いで断捨離しなくてもいい、もったいないという考え方もあります。だけど、売れたら衣装も小道具も必要な時にちゃんと用意されるようになると信じた。

 その結果、翌年にブレークできた。断捨離することで人生が変わったことを、身をもって体験することができました。

 3歳になる娘がいるのですが、子供が作った作品とか取っておくとたまるじゃないですか。多くの人はそれをしまい込んで捨てられない。捨てると子供が悲しそうな目をしますからね。でも、捨てないとたまる一方です。

 それで、私はため込む前に壁に貼って飾ってあげるんです。美術館だと言って。そして壁がいっぱいになったら、古いものから捨てよう、新しいものが待機しているからねと言って、古いものを処分する。娘は飾って一緒に愛でてあげたのがわかっているから、満足して「もう、いらない」と自分で捨ててくれます。

 断捨離は死ぬまで続くと思います。生きていれば好きなものが変わってくるし、ものも増えますからね。芸能人のメルカリ大会とかがあったら、ぜひ、出てみたいです!

(取材・文=峯田淳)

▽平野ノラ(ひらの・のら) 1978年10月、東京都生まれ。ロングソバージュと肩パッド付きの服のバブル時代のスタイルでブレーク。著書「部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。」が好評発売中!

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