花屋とお客様の間で断トツに多いトラブルは? 7万円の花束事案を振り返る

斑目茂美 開運花師
更新日:2025-01-15 06:00
投稿日:2025-01-15 06:00
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋に、毎日のように悩めるお客様がいらっしゃいます。花の管理や花合わせ、年中行事に冠婚葬祭のアレコレ、お悔やみや寺へのご奉納の「心ばかりの」の金額とは一体いくら?

花屋に寄せられるトラブルあれこれ

 最近はご近所の独居高齢者の生存確認もあります。街のお花屋さんとは花だけじゃないんですよ、ほんとに(笑)。そして、月に1、2回はある「お花屋さんとのトラブル」に関しての相談事もございます。その問題はさまざまですが、原因はイマドキなのよね…。

 今回の花屋の“独り言”は「花を1本買うのだってコミュ力が基本」です。

お花屋さんで断トツに多いトラブルは?

 お花屋さんとのトラブルの中で、ダントツに多いのが、インスタなどで選んだ素敵な店で購入したのに、実際は「自分のイメージではない」

 主にネット販売でギフト用花束やアレンジメントを注文した際に起こるもので、そのイメージではない商品を別のお花屋さんに持ち込んで相談する方が、実は意外に多いのです。

 このイメージ通りではない商品を受け取ったときの対応は、不思議にも年齢によって偏る傾向があるようでして…。

 ワタクシ「なぜその場で気に入らないと言わないのですか?」

 お客様「もちろん言ったわよ! 何回交渉してもやり直してくれないのよ!」

 一旦は戦うけれど、先方が土俵に上がることを固辞するために不戦敗。諦めて他店に頼るパターンは、中年から初老の方にみられます。

 そして、やり直すことも、他店にて買い直すことも諦めて、不本意ながらも花には罪はないとそのままプレゼントなさるのがご年配の方。ずいぶん後になってから、「実はこんなことがあったのよ」と教えてくださいます。

 また「言いづらくて言えない」と他店で購入した花束を別のお花屋さんに持ち込み、やり直しを要望するパターンは10~30代の若い世代の方。

 何事もトラブルを嫌うものの、自分の欲求には忠実。でも相手の心情については想像が乏しいようでございます。とりわけ若い世代に見られる傾向は、イマドキなのかもしれませんね。

【読まれています】「旦那死ぬよ!」住職から叱られて以来、大事な“トイレのあれ”。運気アゲアゲ狙うなら「水回り」が狙い目

「7万円のバラ100本花束」事案

「他の店で彼女に100本のバラを買ったけれど、ラッピングが気に入らないのでやり直して欲しい。ラッピング代は払うけど、あんまり高いと困ります」

 ある日、20代男性が大きな花束を抱えて来店されました。彼女のお祝い事にプレゼントするために注文。事前に予算を伝えていたものの、有料サービス(手数料やラッピング代、消費税等)がかさんで予算から1万円オーバーの7万円なり。

 若いお客様にとって一大事だったはずですが、受け取った商品がびっくりするぐらいイメージと違うもので、何も言えないまま店を出たものの、7万円でこれはない! と思い返したのに、買った店には戻らずに違う店に…。

 すでにテンパリ切ってるので、途中参入した別の店(ワタクシ)において会話がなかなか成立せず…というのが、先だっての事案でした。

 某有名生花店のオリジナルリボンが付いた大きな花束は、稚拙で曖昧なラッピングが施されておりました。おそらく経験不足のスタッフさんによって作られたであろう花束も、それを持って乗り込んできた(?)お客様も、正直、ツッコミどころが満載すぎて…。

イマドキ現象の2つの原因

 なんでもかんでも「イマドキの若い人は…」と言うのは好きではありませんが、それでも「はて?」と思うのは、彼らが話す難解な日本語です。

 一生懸命喋ってくださるので、こちらも一生懸命お伺いするのですが、これがなかなかムズイ!

 ワタクシがオバちゃんであることが原因なのか、会話の中に「ちょっと」だの「なんかぁ」だの謎の繋ぎ言葉を多用する一方で、「ダメじゃね?」「嫌い」「変えて欲しい」など、ご自分の欲求はオブラートに包んで優しく伝えるわけでもなくそれはもうバッサリ。

 相手とうまくコミュニケーションを取るために必要な単語の種類が少なすぎるのです。

 花1本をラッピングするのですら「感覚」を売り物にする花屋には、お客様に満足いただくためのコミュニケーションは必要不可欠ですが、これが双方で取りにくくなっているのが、イマドキなのかなぁと。

 そしてもう一つのイマドキ現象は想像力の乏しさです。

 他店の花束を別の店にやり直しさせること自体、双方の花屋がなんと思うか…。最初の花屋さんには言えないことがなぜ次の店では言えるのか。

 そんなの別に珍しい話ではないという感覚こそが、とても心配な花屋のオバちゃんの長い“今回の独り言”でございます。

 他人の言葉で傷ついてしまっている心を、優しい誰かの言葉と一輪の花が慰めてくれますことを…遠いお空の向こうでお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


「旦那死ぬよ!」住職から叱られて以来、大事な“トイレのあれ”。運気アゲアゲ狙うなら「水回り」が狙い目
「どうやったら幸せになれるのか」その方法を探してしまうのが悲しいかな、人間の性でございます。
妻のわざと誤爆LINE6連発。モチロン確信犯です、浮気夫もウザい義母もお黙りっ!
 LINEを巧みに使って夫や姑ににわざと誤爆LINEを送り、関係を上手にコントロールする妻が増えているようです…! ...
政治家とは無縁の人生を送ってきたが、「ポンコツ」って⼈気者なのか?
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
“小1宿題あるある”6選。お願いだから、タブレットは丁寧に扱ってー!
 小学校に入学したての頃、はじめての宿題でとんでもないミスをする我が子(笑)。この時期にしか見られないあるあるに思わずほ...
「低気圧と月と更年期」が連動? 天気頭痛とは無縁で、おばさんに仕上がったけれど…
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
最近の台風は凶暴さがレベチ! 最低限備えておきたい7つの備えと対策
 異常気象が相次ぐ昨今、大型台風で大きな被害に遭う地域は少なくありませんよね。大切なのは、事前に台風への備えに関する知識...
10%オフの【無印良品週間】戦利必需品6点、使えるモノしか買わねえ!SALE品もさらにお得で小躍り
 よっ待ってました! 無印良品メンバーは全品10%オフになる無印良品週間。舞台を観に行った足で銀座店に立ちより、生活必需...
そうだ熱海だ!女子温泉旅、全員ペーパーでも『大江戸温泉物語Premium あたみ』は駅から徒歩圏で心配無用
「週末、どこか行かない?」  そんな気軽な女子旅にピッタリなのが、人気再燃中の熱海エリア。東京だけでなく大阪方面からも...
40代子持ち主婦がフルタイムの営業職に転職! が、20時すぎの帰宅も増え、厳しい現実と理想に悩む
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  この度、フリー...
踊り子の実態。温厚な私が苛々するのはなぜ?
 踊り子稼業は、仕事も休みも10日単位。まだお客さんだった頃の私は、盆暮れ正月でもないのに10日もオフがあったら、定年退...
高い所での爪とぎは力の証! 講習中のチビ“たまたま”をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
宝物の小さな記憶
 夏の思い出を振り返る。  季節の移ろいと共に、宝物も、思い出も、色合いが変わっていくんだね。
ほっこり癒し漫画/第84回「迷いインコ歌をうたう 後編」
【連載第84回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
衆院選で話題を呼んだ「鞍替え出馬」。そもそも「鞍替え」の語源は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
介護に遺産…しんどい大人の悩み、相談に「ちょうどいい」相手の見つけ方
 大人こそ行きつけのスナックを見つけて欲しいと言いまくってきた私ですが、このあいだその気持ちに拍車をかける出来事がありま...
えっ、ダイソーで「優秀クッションファンデ」が買えちゃうの? 古いメイク→流行り顔へのアプデにベストかも
 IDATE(アイデイト)は、あの有名ファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」とダイソーがコラボして生...