では夫のリョウさん(42歳・仮名)は、今の夫婦関係や妻の不満を、どう捉えているのでしょうか。
42歳、完璧主義者の母が誇り
「ウチの母親はね、すごく厳しい人なんですよ。他人にもだけど、自分にも厳しい人。
若い頃にとてつもなく成績優秀で、当時の女性にしては珍しい超難関の国家資格を取得しています。
将来を期待されていた人材だったらしいんですけど、俺と弟を立派に育てるために仕事を辞めて、それからはずっと専業主婦なんですよ。
母には勉強も教えてもらいましたし、『どこに出しても恥ずかしくない』ようにと、行儀作法についてはかなり厳しくしつけられました。子どものころは、反発もしましたが、今は感謝しています。
そんなわけで、母親は家庭に入り、子育てに専念すべきという考えの持ち主。加恵とは価値観が根本的に違うんですよね」
いわゆる完璧主義者の母親に育てられたことを、誇りにしているリョウさん。
妻の加恵さんとは恋愛結婚でしたが、母親が加恵さんとの結婚を承諾したのは「奇跡的」と振り返ります。
珍しく母が気に入った
「それまでは、どんな彼女を連れて行ってもダメ出しばっかりされていたので、どうせ加恵も認めないんだろうなって半分諦めていたんですよ。
ところが会わせてみたら『妻にするなら、ああいう女性がいいんじゃないの?』なんて言い出して。それで俺は母親の気が変わらないうちに急いで加恵にプロポーズして、OKをもらいました。
当時の俺は、結婚を焦っていましたからね。
だけど“俺の妻として相応しい女性”かと、母親が加恵を人として気に入っているかというと、話は別なんですよ。
母親は最近かなりイライラしていますね。42歳にもなって第二子を作ろうとしない加恵に対して、妻や母としての責任を放棄しているように見えるみたい」
どこか他人事のように、母親と妻との関係を淡々と話すリョウさん。「俺はふたりのあいだには入りたくないし、入る気もない」と言います。
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