過去のオーディション番組との違いとは?
「ただこのSNS時代、過去に投稿していたことや、実際の知人などの一言が命取りになるパターンもあります。逆に、本当に良い人の場合は驚くほどいいエピソードがザクザク出てくるため、そこから人気になることも。オーディションに出てアイドルになりたいと思ったのなら、SNSはやらない、もしくは絶対に悪いことはしないのが一番です」
実際に、過去にはどのような事例があったのだろうか。
「SNSやYouTubeで差別発言をしていた某番組の候補者は徹底的に嫌われてしまい、ランキングがずっと最下位でした。また、圧倒的なビジュアルとテクニックを持ちながらも、根も葉もない噂を流され、デビューを掴めなかったことも」
一方、珍しく荒れなかったケースも存在するという。
「多くの人からサバ番の最高傑作と言われているのが、中国のボーイズグループINTO1(イントゥーワン)が生まれた『創造営2021』です。世界各国から集まった夢を追い続ける練習生が、言語の壁を乗り越え心を交わし続ける姿に注目が集まり、荒れることはほぼありませんでした。
唯一問題となったのが、欠員のために急遽参加した通訳のリルーシュ。嫌々参加しているのにパフォーマンを完璧にこなしながらも、上位にランクインするたびに『アイドルになりたくない』『早く落としてくれ』と懇願し続けたことくらいでしょう」
サバ番マニアでも予想できない展開だった
最後に、様々なサバ番を見てきたAさんに『タイプロ』の印象を聞いた。
「仲間探し、という点が多くのサバ番とは異なります。視聴者がアイドルにさせたい人達と、オリジナルメンバーが仲間にしたい人材に相違があり、ラストは予想外の展開だと思った人も多いはず。1から作るグループのメンバーと、追加メンバーを探すのでは基準は一般の人にはわかりません。そのため、サバ番マニアの人たちでもなかなか予想がつかない展開でした」
「現役アイドルが仲間を探すのは、過去には超特急のオーディションがありました。ですが、彼らは徹底的に候補生を移さなかったんです。今回は菊池風磨さんいわく『オーディション中の姿をJr.としてとらえてもらう』(YouTube中丸銀河チャンネルより)と発言していただけあって、候補生が悩み成長する姿を映し出していたため、初めてサバ番を見た人達にも大きく響いたのでしょう。
『タイプロ』のおかげで、初めて彼らをちゃんと知る人達にオリジナルメンバー3人の良さも、伝わったのではないでしょうか」
新生timeleszはどうなる?
ただし、懸念している点もあるという。それは記者会見での菊池風磨が発した、新メンバーへの容姿いじりだ。
「新規のファンはこれまでの関係性は知らず、オーディションが好きな人ほど人間性をよく観察するので、コミュニケーションの取り方や言葉遣い、いじりなどに厳しい。さらにブレイクするためには、度の過ぎた発言などには気をつけてほしいです」
多くの話題を集めた番組だけあって、ファン以外からの注目度も高い。これまで以上に慎重になってほしいものだ。
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