河合優実が日本アカデミー賞「最優秀主演女優賞」の舞台裏…石原さとみと激しいガチンコ勝負
14日に開催された第48回日本アカデミー賞。大激戦と噂されていた最優秀主演女優賞に、「あんのこと」(キノフィルムズ)の河合優実(24)が選ばれた。
主演女優賞のノミネートは5人だったが、その中で有力候補と目されていたのは「ラストマイル」(東宝)の満島ひかり(39)で、エンターテインメント作品としてクオリティが非常に高かったことと、約59.6億円という興収成績を残した満島は、今回が初めての主演女優というカテゴリーのノミネートもあり、念願の初受賞に最も近いと思われていた。
ところが呼ばれた名前は、ミニシアターを中心に上映されている、PG12指定の興収1億円を突破したばかりの「あんのこと」の河合だった。
昨年1月期の「不適切にもほどがある!」(TBS系)で大ブレークした河合は、今が旬であることは間違いないのだが、受賞選考で一体何が起こっていたのだろうか。
■映画会社の"持ち回り"の根強い噂
「今回の主要6部門の受賞作を見ればその謎が解けてくるでしょう。最優秀監督賞と最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞は『正体』(松竹)から藤井道人(38)、横浜流星(28)、吉岡里帆(32)。最優秀助演男優賞は『キングダム 大将軍の帰還』(東宝)の大沢たかお(57)と、松竹と東宝だけで4部門を独占しています。日本アカデミー賞は"東映、東宝、松竹の大手3社による持ち回り"という暗黙のルールの噂が以前から根強くあります。今回の作品賞と主演女優賞に関しては、その"おこぼれ"の可能性が否定できません……」(映画関係者)
最優秀作品賞は東映京都撮影所が特別協力した「侍タイムスリッパー」(未来映画社/ギャガ)に決まった。そして、主演女優に関して、この関係者は「昨年の同賞の結果も大きく影響しているのでは……」とこう言う。
「昨年の最優秀作品賞は、日本だけで興収約76.5億円を記録した『ゴジラ─1.0』(東宝)でしたが、映画関係者の評価は圧倒的に、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にもノミネートされた、役所広司(69)主演の『PERFECT DAYS』(ビターズ・エンド)の方が高かったのです。それをひっくり返す形で作品賞をとった東宝ですが、最優秀主演女優賞も『怪物』(東宝/ギャガ)の安藤サクラ(39)が獲得しました。さすがに2年続けて押し切ることはできなかったということでしょう」
つまり、今回に関していえば、満島の最優秀主演女優賞受賞の可能性は最初から限りなく低かったということになる。
「受賞者を決める日本アカデミー賞会員の投票は、今が旬の河合と、『ミッシング』(ワーナーブラザース)でなりふり構わない激しい素顔を見せた石原さとみ(38)に集中したようです。その中で、会員の40%強を占める、大手芸能プロダクションやテレビ関係者から構成される"賛助法人"の票のほとんどが、河合を推していたといいます。『ナミビアの砂漠』(ハピネットファントム・スタジオ)もアジアやカンヌ国際映画祭で高評価されましたから、さすがに今の河合を無視するわけにはいかなかったのでしょう……」
紅紫のあでやかな着物姿でレッドカーペットに登場した満島。残念ながら今回は逃したものの、リベンジする日は来るか。
(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)
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芸能ジャーナリストの芋澤貞雄時は、第48日本アカデミー賞の優秀主演女優賞にノミネートされた女優の動向はほぼカバーしている。■関連記事もあわせてご参照ください。
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