フジ第三者委は1950件超の“証拠のやり取り”復元を成功!「デジタルフォレンジック」費用や要注意事項は?

コクハク編集部
更新日:2025-04-04 06:00
投稿日:2025-04-04 06:00

フジテレビ第三者委の報告書で話題となった「デジタルフォレンジック」

 元タレントの中居正広氏(52)とフジテレビの元女性アナウンサーのトラブルによる一連の問題で、同局は3月31日、第三者委員会の調査報告書を公表。そこで注目されたのが、女性アナと中居氏を繋いだとされるフジの幹部社員B氏のメールだ。

 第三者委は、調査の過程で「調査対象者の一部から本件調査に際して電子データの一部を意図的に削除したとの供述が得られた」と説明し、B氏を含む対象者からは、中居氏が主に利用していたとされるショートメール、社内外とのコミュニケーションのツールとして使用した個人のLINE、社内におけるコミュニケーションツールとして多用されている「Microsoft Teams」が復元されたという。

 報告書では、中居氏の利益になる行動をしていたと認定されたB氏について特記。トラブルが起きた前後の約3年間で、中居氏ら関係者の間でやり取りしたショートメール437件、LINE86件、Teams1427件の計1950件を「2025年1月9日から2025年2月1日にかけて削除している」と明らかに。結果、中居氏にとって不利なやり取りを隠ぺいしていた事実と生々しいメールの履歴がバレてしまったが、この問題で過去のトーク履歴を復元する「デジタルフォレンジック」にも注目が集まっている。

【こちらもどうぞ】フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

 調査では東京・千代田区の専門会社が復元を担当したとあるが、「デジタルフォレンジック」とはパソコンやスマホ、ハードディスクなどの記録媒体を調査や解析し、証拠の収集などを行う技術を指す。

 今回のような特別な事例ではなく、広く一般でも活用できるのか。たとえば、社内のハラスメント事案や友人との金銭トラブルなどで証拠を保持する前に消してしまったり、夫婦間で配偶者が不倫相手とのやりとりを消してしまったら、申し込むことはできる…?

費用や注意事項は?

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏が解説する。

「基本的には誤って削除してしまったメールやデータはパソコンなどのゴミ箱に入るので、1カ月以内であれば取り出して復元できます。それ以上前やゴミ箱内のデータも消えてしまっても、アドレスや発信元が分かればデータを復元することは可能です。『デジタルフォレンジック』は、今回の調査委みたいな大ごとでなくても個人レベルで依頼できます」

 修理などを専門とするパソコンショップやアイフォン修理などを行う業者でも一部、データ復元を受け付ている。スマホのデータ復旧を謳う業者のサイトを見ると平均5万円から。パソコンのデータは平均6~7万円から。

 しかし、必ず欲しいデータが復元できる補償はないので、成果報酬型の業者を選ぶのがコツという。さらに注意したいのは、自分のパソコンやスマホのデータが消えた場合は復旧することで会社や友人、家庭内のトラブル解決の証拠になる可能性はあるが、夫婦の場合は相手のスマホを勝手に解析するのは違法になることだ。

復元アプリは手を出すべからず

「家族共用のパソコンやタブレットを調べる分には問題ありません。費用を抑えようとして『復元アプリ』を使うのはやめた方がいいですね。過去には、アプリ利用者の写真や個人情報をスキャンし流出させた事件が起きています。裁判などでどうしても証拠が必要なら、コストをかけても専門業者を使ってください」(前出の井上トシユキ氏)

 いざという時の“切り札”にはなりそう。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


LINE界隈の地味な嫌がらせ、どう撲滅する? 先輩部下からの休日鬼電、八方美人なママ友、嫉妬する女友達…
 地味〜に嫌がらせをしてくる相手、どう対処するのが正解なのでしょうか? 今回はLINEで受けている“地味な嫌がらせ”を3...
FILAの冬物ウエアが1点1500円って…!ゴルフ用品店で掘り出し物ゲット、親孝行が叶った♡【福袋衣類編】
 お正月は実家近くのゴルフショップへ福袋を買いに行くのが毎年恒例となっています。父はそこで毎年福袋を購入しその1年間着倒...
グループLINEで嫌われる人には特徴があるらしい。職場、ママ友、同窓会…やらかしていませんか?
 グループLINEが苦手で、気を遣いながら適度な距離感で参加している人は多いようです。でもなかには、空気が読めなさすぎて...
“雑談”はカネになる!生まれて60ウン年、「下ネタ」に磨きをかける男がたどり着いた境地
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
「デパコスじゃないんだ」って、メイクや美容でもマウント取りたいのね…。賢くかわす方法は?
 女性社会では、相手にマウントをとることで自分を優位に立たせようとする人が多いですよね。  今回は、メイクや美容に関し...
「人生楽しまないと損」メンタルにシビれる、憧れるゥ! イケオジたちの好感度爆上がりLINE3選
 世間的に「おじさん」にカテゴライズされる生き物には、頑固で気難しいイメージがあるかもしれませんが、同じおじさんでも「イ...
庶民の味方のダイソーにゾッコン♡ シニア猫も40女の財布も大満足!おすすめのペットアイテム3選
 我が家の可愛い可愛い2匹の愛猫、もんさま(15歳)とこっちゃん(14歳)。早いもので彼らもすっかりシニア猫になりました...
ありがたま! 非の打ち所がない完璧な“たまたま”様がご降臨
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
眠りが浅くて心がザワザワ…熟睡したい!【専門家監修】「安眠」のための簡単ストレッチ&呼吸法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
花屋とお客様の間で断トツに多いトラブルは? 7万円の花束事案を振り返る
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋に、毎日のように悩めるお客様がいらっしゃいます。花の管理や花合わせ、年中行事に冠婚葬祭の...
マウント女、人工天然女をスカッと撃退LINE7選。我慢は美徳の時代ではありません!
 女の敵は女。とにかくマウントを取らないと気が済まない人や、計算高く天然キャラを装う人…。  今回はそんなウザい女たち...
「人の仕事までやる人」の心理と対処法。しごできアピール?嫌がらせ?
 仕事を押し付けてくる人はウザいですが、逆に自分の仕事を奪ってくる人も厄介。スケジュールを立てていざ取り組もうとしたら、...
「更年期じゃね?」「おばさん、更年期(笑)」適当な情報を鵜呑みした女子大生たちが悪いのか?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
「性的合意」を描く舞台に主演俳優が思うこと。傷に蓋をしても「消える」わけじゃない【内田慈インタビュー】
 2024年、ドラマ『お別れホスピタル』や『Re:リベンジ-欲望の果てに-』などで深い印象を残した俳優の内田慈さん。現在...
子どもを産まない、欲しいと思えないのは人間失格? 51歳独女ライターの恐怖と願いと幸せ
 パートナーなしの51歳独女ライター、mirae.(みれ)です。この歳で独身だと「子どもは欲しくないの?」「子どもがいた...
夢の中へ行ってみようか
 その景色は、上を見上げた時にあるものだと思い込んでいた。  常識に縛られるな。