笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー

望月ふみ
更新日:2025-04-15 06:00
投稿日:2025-04-15 06:00

笠松将に聞いた2つの「コクハク」

――では最後に本サイトならではの「コクハク」を2つお願いします。後藤家は長く続く大きな屋敷ですが、笠松さん自身はどんな部屋に住んでいますか?

 賃貸なので特別こだわりとかはないし、物もどんどん捨てるので、そんなに多く置いてないんですよ。だから難しいけど、観葉植物が多いかな。

――ちゃんと枯らさず?

 買ってから一度も枯らしたことないですよ。

――そうなんですね。えらい。

 割と好きなほうですね。自然が足りないから置いている感じです。

――もうひとつ。恵介は、ピュアな人物でもあると感じました。好きな女性のことも、心の奥底では大切に思っています。そこから引っ張って、笠松さんの初恋エピソードを「コクハク」してください。

 しょうもない質問ですね(笑)。

――でも笠松さん、なんだかんだで答えてくれそうなので。

 保育園か幼稚園かに行ってたときかな。3歳くらいのとき、僕が誰をとかじゃなくて、そこの先生たち全員が僕のことを好きだったんです。

先生たちの心を奪っちゃっていたエピソード

――え?

 若い先生たちが。だから僕が先生たちの初恋を奪ってました。

――それはどういったところから感じたんですか?

 どう考えても僕のことを好きって感じでしたから。

――(笑)。なぜ先生たちの心を奪っちゃったのでしょう。

 やっぱり手がかかったからじゃないですかね。めちゃくちゃ手のかかる子だったんで。あと、手先が器用で、折り紙とかすごく早くできちゃって、空いた時間に遊びまわっていたらピアノの角に頭を打って結構大きな傷を作っちゃったんですよ。ココ、眉の上に縫い傷が今も残ってるの、分かります?

――たしかに、ありますね。

 そのときの痕なんです。当時の園長先生が、泣きながら若い先生たちを全員ならべてうちの母親に謝ってたんですけど、母親は僕の頭見て、「あんた、なにメロンにかぶせる網みたいなの頭にしてんの!」って言って叩いてきて。その瞬間に、じわっと血の温かさを感じました。

――(苦笑)。

 そのとき、俺、先生たちからの愛をめっちゃ感じて、「初恋、奪っちゃってんなぁ」って思ったんです。そういう子ども時代でした。

六角精児に「今更ながら恐れ多くなっちゃってます」

――ありがとうございました(笑)。楽しかったです。いまも色んな人のハートを奪ってますね。

 いや、今が一番、奪ってないかもしれないです。

――『ガンニバル』の恵介、とてもかっこいいですよ。いくつもありますが、あえて挙げるなら、父親役の六角精児さんとの最後のシーンとか、めちゃくちゃよかったです。

 本当ですか。そう言っていただけると嬉しいですけど。六角さんは、それこそ現場ですごくフレンドリーだったので、作品を観て「すごい俳優さんなんだ!」と今更ながら畏れ多くなっちゃってます。ホントいい作品でみんなスゴイので、これを読まれたみなさんもぜひ。

ドラマ『ガンニバル』シーズン2
ディズニープラス スターで独占配信中
『ガンニバル』シーズン1.1話~3話 は5月12日(月)11:59までYouTubeにて無料配信

望月ふみ
記事一覧
70年代生まれのライター(ときどき撮影)。映画やドラマ、タレント本などのエンタメ関連記事を執筆。現在はインタビューが中心で、月に20本ほど取材。ねこ検定上級、2級愛玩動物飼養管理士取得と愛猫家街道をばく進中。

X

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」蘭子と豪の秘めたる恋に“過去の名作”を思い出す。河合優実は百恵ちゃんによく似ている
 縁談の返事をしに出掛けた蘭子(河合優実)を連れ戻したのぶ(今田美桜)に、蘭子は本心を明かす。季節は巡って秋になり、うさ...
桧山珠美 2025-05-01 19:16 エンタメ
なにわ男子・道枝駿佑は“肉食女子”から守られたのか?「キャスター」男性俳優陣が気になるよ
 芸能界広しといえども清純派と呼べるのは芦田愛菜だけ。長年、そう訴えてきましたが、今回の一件が図らずともそれを証明したの...
共亜事件は「虎に翼」のオマージュか。あんぱん、ブギウギの3人が同時代を生きている
 昭和11年、家族や嵩(北村匠海)に見送られ、のぶ(今田美桜)は女子師範学校の寮に入る。軍国主義の担任・黒井雪子(瀧内公...
桧山珠美 2025-04-28 18:40 エンタメ
「あんぱん」最後まで毒親だった登美子(松嶋菜々子)。去っていく彼女に問うてみたいこと
 受験したのぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の明暗が分かれる。静まり返った柳井家で、寛(竹野内豊)たちに頭を下げる嵩。そこ...
桧山珠美 2025-04-26 12:50 エンタメ
春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ