「五月病」になるのは5月だけじゃない!イライラ、不眠、意欲減退…なりやすい人の特徴や放置のリスク

コクハク編集部
更新日:2025-04-17 06:00
投稿日:2025-04-17 06:00

3. 五月病におすすめの対策は?

 五月病になり、心身ともに不調を感じたときにおすすめの対策を4つ紹介します。

3-1. 周りの人に相談する

 五月病は、完璧主義で周りの人に弱みを見せるのが苦手な人ほどかかりやすいといわれています。新しい環境や人間関係で悩みを抱えたら、勇気を出して周りの人に相談してみましょう。家族でも友達でも同僚でも、話しやすい相手で構いません。

 どうしても誰かに悩みを打ち明けるのに抵抗がある場合は、SNSやノートにアウトプットするだけでもいいでしょう。とにかく悩みを抱え込まないことを意識してください。

3-2. 摂る栄養素を見直す

 栄養バランスの崩れによって自律神経のバランスが崩れて五月病になることがあります。忙しくて外食が続くことも多い時期ですが、栄養バランスを意識しましょう。

 とくに、イライラを抑える効果があるといわれているGABAを多く含むトマトや玄米、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの原料となるトリプトファンが豊富なバナナや大豆製品を意識して摂ってください。

 一方、神経を興奮させる作用を持つカフェインや、交感神経を刺激する過剰な量のアルコールの摂取は控えるのがおすすめです。

3-3. 運動でリフレッシュする

 血行が悪いと自律神経が乱れることがあります。適度な運動で血行を促進しながら気分をリフレッシュさせ、自律神経を整えて五月病を防ぎましょう。

 ただし、激しい運動は交感神経を過剰に働かせ、逆効果になることがあります。通勤のときにエスカレーターではなく階段を利用したり、ウォーキングしたりするような軽い運動をしてください。

 電車で座らず、姿勢よく立っているだけでも運動になりますよ。

3-4. 漢方薬の服用

 自律神経のバランスによって体調を崩している場合、体質からの改善を目指す漢方薬の服用もおすすめです。漢方薬は自律神経失調症にも処方されることがありますよ。五月病の予防には「精神を安定させる」「血流をよくして自律神経の乱れを整える」「胃腸機能を改善する」といった漢方薬を服用しましょう。

<五月病対策におすすめの漢方薬>

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):ストレスによる精神不安やイライラ、不眠などの症状を軽減します。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):エネルギー不足による疲労や倦怠感、食欲不振を解消します。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 五月病かな?と思ったら、すぐ対策を!

「五月病って、甘く見たらいけないんですね。今まで意識したことがなかったですし、名前だけはよく聞いていたので、軽い病気だと思っていました」

「聞いたことがある病気でも、怖いものもあるわ。少しでも心身に違和感があるときは、医師や薬剤師に気軽に相談してね」

「はい、ありがとうございます!」

 自分の不調の原因がわかって安心したのか、アズサさんは明るい表情で頷きます。

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくアズサさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


更年期の“意外と知らない”基礎知識/更年期症状は遺伝する? 出産経験の有無は影響する?【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
熱狂する韓国コスメブームに違和感。顔につけるのに、低価格、パケ買い、なんとなく…だけで買って大丈夫?
 つい先日、資生堂の最終赤字が100億円超との報道がありました。主な理由は中国での事業不振にあるそうですが、実際のところ...
急に夜が淡白になり、枯れてしまった彼氏…【薬剤師監修】浮気以外で考えられる原因は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代で「実年齢+5歳老け見え」は絶対回避したい!【美容家激推し】お助けアイテム3選
 40代を迎えると、ちょっとした老け見えにも落ち込みますよね。「43歳なのに、48歳くらいに見られた…」なんてしょんぼり...
お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容医療11年目の美...
腹痛だけと思ったら大間違い!本当は怖~い「便秘」の5つの影響【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
冬でもテカる! 厄介な「油田肌」3つの原因と対策3カ条。逆効果のケアしていませんか?
「夏はまだしも、真冬の今でも肌がテカるのなんでなの!?」とキレている女性の皆さま、必見!  今回は冬でも肌がテカる原因...
40代に高額な美容液は必要なの? 愛すべきプチプラではなく、全力で投資すべきデイリーコスメは…
 40代半ばを過ぎてくると「高価な美容液に変えるべき?」の疑問が湧いてくる人も多いよう。実際に私のもとへも、「プチプラ美...
脱ネガティブ! マインドフルネスって何?【専門家監修】1日5分から始める簡単メソッドを解説
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
美容家熱弁!40代以上に大人気のプチプラで“買い”な最新作(UV対策、ポイントメイク、ヘアアレンジ)は?
 ここ数年で「プチプラ」と呼ばれるコスメのレベルが、格段に上がっていますよね!  大人世代が使っても納得と満足の両方を...
噂の美容法「タオルで顔拭きはNG」って嘘でしょ!? 医師3人の回答は/専門家監修【美容のウソ・ホント】
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
洋服でお金を浪費する人の特徴4つと回避策。通販サイトは“鬼門”かも?
 お金は稼いでいても、なかなか貯金が貯まらない人に多い特徴が「洋服でお金を浪費している」ケースです。なかには、洋服はたく...
お風呂から出てもすぐに足先が冷えるのはなぜ?【専門家監修】温活で全身ポカポカにする秘訣とコツ
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代が実例チェック! アラフォー女性がハマる“逆パンダ”アイメイクの罠
 アラフォー世代のみなさ~ん。若々しさを意識して華やかなメイクをしたつもりなのに、気づけば目元が浮き上がり、さながら“逆...
夫がハゲてきた…プライドも頭皮も傷つけない伝え方と妻にできること3つ
 夫婦の間でも、デリケートで伝えにくいのが「夫のハゲ問題」です。ハゲてきたと感じても正しい伝え方をしない場合、夫を傷つけ...
ダイエット成功の秘訣は「楽痩せ」【薬剤師監修】過去の失敗は“宝”。本当に好相性な超簡単ダイエットは?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...