ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-04-20 06:00
投稿日:2025-04-20 06:00

お笑い界の「女すぎる」という悪口

 記事を書くにあたって参考にした記事内に、「男社会で生き残るために名誉男性にならざるを得なかった女性は、被害者でもあると思う」と書かれていた。もしサーヤが名誉男性だと見られるなら、このパターンでもあるかもしれない。

 お笑い界は強烈な男社会だ。つまらない男は許されるが、つまらない女の居場所はない。つまらなくても男は趣味が多かったり、売れてる人と気が合ったりすると普通に大きな顔ができる。

 でもネタで評価されていない女芸人は結構冷たく当たられている感じがする、と正直思う。お笑い界では「女すぎる」という悪口もあるくらい、女性性を下に見る風潮もある。

 テレビで見るような女性芸人は本当にごく一部で、芸人としてかなり優秀な人しかいない。お笑い界で女性が居場所を見つけようと思うと、男(大多数)に引けを取らないくらい面白くて結果を残さないと認めてくれないのだ。

女性芸人のレベルを底上げする存在

 その点、サーヤはお笑いのテクニックに長けすぎているし、「ブス・デブ」というステレオタイプな女性芸人のネタを使わないので、男性的なスタンスに見えたのかもしれない。

 今のお笑い界で見てもトップを走る実力だし、事務所を立ち上げたりバンド活動に励んだりとバイタリティーもすごい。その強さ故に、「名誉男性」だとみなされたのだろう。サーヤからしたら「知らねえよ」という案件だと思うが、才能も名声もあるトップ芸人の一人なので、このような思ってもみない批判が来るのだろう。

 ただ、サーヤには気にせずこのまま突っ走っていってもほしい。サーヤに憧れている後輩芸人は女性も含めたくさんいるし、サーヤの存在が女性芸人のレベルを底上げしているのも間違いない。

 サーヤが気にせず頑張ることで、それでも身に染みる批判があれば軌道修正しつつやっていくことで、まわりまわってサーヤもお笑い界も生きやすい世界に変わっていくのかもしれない。お笑い界の端っこで生きるおじさんはそう思います。

帽子田
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別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

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