【独自】「タクシーの中で偉い人に体を触られ…」アイドリング!!!元メンバーが過去に受けていた不適切な行為
遠藤舞さんインタビュー(後編)
元「アイドリング!!!」のリーダーで、現在ボイストレーナーの遠藤舞さんは、2023年12月、自身のⅩで《昔例の会に誘われた事があり、もし断ってなかったら私も例の人に献上されてたという事》と投稿し、反響を呼んだ。
"例の会"とは、週刊誌に男性芸人の性加害疑惑の舞台として報じられた高級ホテルのスイートルームでの飲み会のことだ。
【前編】では、その会に参加したという知人女性の被害について明かしたが、遠藤さん自身、過去に業界の男性から不適切な行為を受けた経験があるという。
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「昔お仕事でお世話になった、テレビ業界でそれなりに権力のあるAさんという男性がいて。彼からとある案件の"お疲れさま会"に誘われたんです。その会にはAさんと男性スタッフ2名と、私の計4名が参加することに。全員すごく長い付き合いだったので、女性は私だけでしたが、特に警戒することはありませんでした。でも、Aさんは結構お酒を飲まれる方で、その日はいつも以上にへべれけになってしまい……」
遠藤さんは、Aさんを全員で支えて駅まで送ろうとした。しかし、男性スタッフ2名は何もせず、遠藤さんが彼を介抱する様子をただ傍観しているだけ。そんな男性スタッフたちの様子を不審に思いつつも、ひとまず遠藤さんが酔った彼に肩を貸す状態で店を出た。
■権力者と2人きりにした男性スタッフたちは手慣れていて
「駅までの道のりも、男性スタッフたちはただニヤニヤしながらこちらを見るだけで何もしてくれず。それでもなんとか駅に着いてタクシーを呼び、Aさんを乗せて、私はそのまま電車で帰るつもりでした。すると急に男性スタッフたちが、私をAさんと同じタクシーに乗せようとしてきたんです。でも私も、酔っている人をひとりにするのは気が引けるところもあったので、強く拒絶できませんでした。
仕方なくお互いの最寄り駅を告げて同乗したのですが、タクシーが走り出した直後にAさんからいきなり体を触られて。驚きと恐怖で硬直していたら、『こんなに好きだったのに』と、その方から強く迫られました。これ以上一緒にいるのは危険だと判断し、運転手さんにお願いして、必死の思いでタクシーから降ろしてもらいました」
長年の付き合いがあり、信頼関係を築いていたはずの男性たちから受けた裏切り――。遠藤さんは当時の様子について次のように語る。
「私を車に押し込んだ男性スタッフたちは、なんとなく手慣れている様子でした。もしかしたら、常習的にああいうことをやっていた可能性もある。昨今世間で騒がれている"上納"のようなことが身近でもあったのかもしれないと思うと、とても恐ろしく感じます」
芸能界で"上納"が起こる理由「成功したときのリターンが大きい」
なぜ芸能界には、女性を"上納"する文化が根づいてしまったのか。遠藤さんは、芸能界の権力構造に潜む問題点について指摘する。
「一般企業では、社長と新卒社員が親密な関係になったとしても、さすがに新卒からいきなり部長に昇進したりしませんよね。でも、芸能界では権力者に気に入られたら、無名なタレントがいきなり有名な番組に出られる可能性もなくはないからです。成功したときのリターンが、一般企業よりも大きいように感じます。
上納する側からすれば、自分たちは上の人に気に入ってもらえるし、女性側にも大きなメリットがあるだろうと、ある意味でよかれと思ってやっているケースもあると思います。実際、自分の体を武器にのし上がろうとする人が芸能界にいることも否定しません」
こういった芸能界の体質について、遠藤さん自身も「ある程度は仕方ない」と受け入れていた部分があったという。
「私も変に染まってしまっていたというか、業界の中でそういうことが"あるある"だから、多少は飲み込まなきゃいけないと思っていました。でもやっぱり、性が絡むことで誰かが偉くなったり、得をしたりするというのは、時代的にもなくしていかなくてはならない。特に、私は女性アイドルに歌唱指導をしているので、彼女たちのような若い世代の人たちが変なトラブルに巻き込まれるのだけは我慢できません」
■「被害に遭ったら声を上げていい」と思えるように
一方で、遠藤さんの現役時代に比べ、世間が真っ当な方向に変わっていると実感する場面もあるという。
「先ほどお話ししたハラスメントも、あの頃は友達にすら言えませんでした。今まですごくお世話になった人だし、『ちょっと体を触られたくらいで』とずっと我慢していた。でも、世の中の空気感が徐々に変わってきていて、誰が相手でも被害に遭ったら声を上げていいし、過去にあった辛い出来事も打ち明けていいんだと思えるようになりました。知らないところから矢が飛んでくることも多いけれど、理解して寄り添ってくれる人は必ずいます。私もDMやLINEなどでたくさん応援の声をいただきました」
遠藤さんが芸能界を引退してから7年以上が経過した。いまは女性アイドルを育成する立場として、業界を裏側から支えている。芸能界に対して思うところがあっても、自身が歩んできたキャリアに否定的な気持ちは一切ないという。
「過去の積み重ねがいまのキャリアに繋がっているので、『これをしなければよかった』と思うようなことは一つもありません。私はすごく歌が好きだけど、人前じゃうまくパフォーマンスを発揮できないのが悩みでした。だから、人に歌の楽しさを伝えるボイストレーナーという仕事は天職だと思っています。これから芸能界で戦っていく生徒の皆さんに、今後も誠心誠意向き合っていきたいです」
(取材・文=渡辺ありさ)
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