「バレたら、一生終わり」義弟との情熱的な密会。介護で疲弊する中、身も心も慰められて… #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-05-02 06:00
投稿日:2025-05-02 06:00

介護で見も心もすり減って

 直美さんは唇を噛みしめた。

「最近は義父の認知症が進んで、対応が大変なんです。オムツ替えは慣れましたが、朝の3時にたたき起こされて『朝メシはまだか?』と怒鳴るんです。私が『朝食は7時からですよ』と言っても、『とっくに過ぎてるじゃないか!』と怒り狂ってしまって…。

 腰の悪い義母は、義父とは別な部屋で寝ており、起こすのはためらわれました。夫にも対応を求めましたが、『家のことは直美に任せているんだから、起こさないでくれ』の一点張り。もう体も心も疲弊しています」

夫が疑い始めた?

 今は唯一の救いが、浩介さんとの逢瀬だという。

「浩介さんは『僕も水道修理の仕事を減らして、両親の介護を手伝おうか?』と言ってくれたのですが、断りました。一度だけ、夫が『浩介は離婚してから、やたら実家で夕飯を摂るようになったな。がめつい嫁と別れたのはいいけど、同居する孫の育児を手伝わなくていいのか?』と、怪訝な顔をしたことがあったんです。

 その時はドキッとしましたね。私は『授かり婚とはいえ、まだ新婚なんだから、大丈夫だと思うわよ 』と明るく告げたのですが、少しだけ怪しんでいるようにも見えて…」

深夜に義父がリビングに

 そんな折、恐れていたことが起こった。

「ある夜、いつものように浩介さんと夕食後にキッチンで晩酌をしていたんです。その日はお酒がすすんで、午前1時を回っていました。

――昨晩、夢に直美さんが出てきたんだ。すごく嬉しくて…でも、朝、目覚めて夢だと知って、空しくなった…。

 浩介さんがしんみりと告げてきたんです。

――嬉しい。私も寝る前はいつも浩介さんの温もりを思い出しているの…。

 私も思いをこめて、切なげな笑みを浮かべました。

――1泊だけでもいい。旅行に行けないだろうか?

――無理よ。お義父さんやお義母さんの介護もあるし、だいいち勝久さんが許してくれないわ。

 互いの手が重なろうとしていた、まさにその時、

――お前ら、何してるんだ!

 唐突な怒声に振り向くと、パジャマ姿の義父が、仏頂面で立っていたんです」

 続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


いざ離婚!公正証書作成で養育費月6万円、元夫は顔面蒼白に
 ステップファミリー5年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
彼と価値観が合わない…コロナ禍で浮き彫りもすぐ別れるな!
 コロナ禍になり、生活スタイルが変わった人は多いでしょう。恋人がいない不安や寂しさから恋活に力を入れる人が増えた一方で、...
恋バナ調査隊 2022-04-12 06:00 ラブ
本気で結婚したいなら「遊び終わった男性」が買いって本当?
 過去に浮気をされた経験がある人は、彼氏を選ぶ時に「浮気するタイプかどうか」を基準にしている人が多いでしょう。中には、女...
恋バナ調査隊 2022-04-11 06:00 ラブ
男が失いたくない彼女って? 若さより“人生経験”に勝算あり
 アラサー&アラフォーになると「これを最後の恋にしたい」「失いたくないと思われる彼女になりたい」など、切実に思うようにな...
恋バナ調査隊 2022-04-11 06:00 ラブ
排卵検査薬ない? 絶賛不倫中の子から届いたドン引きLINE5選
 芸能人や著名人による不倫報道はたびたび世間を騒がせていますが、あなたの身の回りでも、不倫をしている人は意外と多いかもし...
恋バナ調査隊 2022-04-10 06:00 ラブ
デートがしたいだけ! 女性から誘う時の秘訣3つと男性の本音
 恋愛中に「彼からデートに誘ってくれたらいいのに!」と思う女性は多いでしょうが、現実はそう甘くはありません。でも、だから...
恋バナ調査隊 2022-04-10 06:00 ラブ
ビビビッを信じて!「一目惚れカップル」の恋は意外に長続き
 恋に落ちる瞬間は人によってさまざま。時には「一目惚れ」をしてしまうこともあるでしょう。一目惚れは成就しづらいというイメ...
恋バナ調査隊 2022-04-09 06:00 ラブ
男性は繊細な生き物デス…彼のプライドを傷つける彼女の言葉
 男性には「男のプライド」があります。雄々しく見えるこのプライドですが、実はちょっとした彼女の言葉でも傷ついてしまうデリ...
恋バナ調査隊 2022-04-09 06:00 ラブ
結婚10年目で発覚!“鬼嫁”と吹聴する夫に不信感が募る38歳妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-04-09 06:00 ラブ
“鬼嫁”と吹聴すれば楽…切実な事情を抱える41歳劣等夫の選択
「冷酷と激情のあいだvol.85〜女性編〜」では、3歳年上の夫・トシキさん(仮名)から、自分の知らないところで“鬼嫁”呼...
並木まき 2022-04-09 06:00 ラブ
交際中の彼が別の女と結婚! 2年間尽くしまくった女性の悲劇
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。SNSの普及で簡単に連絡を取り合えるツールが増えました。しかし、ここが“落と...
山崎世美子 2022-04-09 06:00 ラブ
実は周囲からウザがられてる? 痛い「バカップル」5つの特徴
 仲が良いカップルを見ると、羨ましくなってしまうことってありますよね。でも、中には羨ましいどころか、敬遠される痛いカップ...
江戸時代?私をドーターと呼ぶお客様からの巻物式ラブレター
 涼香(リョウカ)と言います。銀座で長らくお仕事をさせていただいています。といって、接客型のクラブではなく、カウンター越...
涼香 2022-04-14 18:20 ラブ
イチャイチャタイムに♡ 彼氏と一緒に使える美容アイテム4選
 以前と比べると男性の美意識は上がっていますよね。化粧水を使う人も多く、中にはパックや美容液を使うなど女性と同じくらい美...
恋バナ調査隊 2022-04-07 06:00 ラブ
婚活必勝!春は別れの季節…彼とさよならしても幸せになれる
「春は別れの季節」って、婚活中のアラサー女子にとってはあまり聞きたくない言葉ですよね。結婚を視野に入れ、時間をかけて育て...
恋バナ調査隊 2022-04-07 06:00 ラブ
人妻不倫に悩む本命彼…その心を着実に転換させる3つの方法
 近頃、不倫関係にも男女逆転の波が押し寄せています。今までは既婚男性と恋愛して悩む女性が多かったのですが、最近は既婚女性...
内藤みか 2022-04-07 06:00 ラブ