平成女が歩んだ「まつ毛」戦線。10代マスカラ→30代まつエクを経て、たどり着いた“スッピン隠し”の答え

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-05-14 06:00
投稿日:2025-05-14 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第30話は「まつ毛の行方」。

白髪まつ毛、あらわる

 先日、まつ毛に1本の白髪を見つけた。「おお…」と、どこから沸き出ているのか分からない不思議な声をあげて、急いでマスカラを塗って、ホットカーラーでまつ毛を上げた。マスカラは本来「まつ毛を長く、濃く見せるコスメアイテム」としてきたけれど、中年になると「白髪を隠すアイテム」としても兼用できるらしい。白髪用用の簡易マスカラが売られているけれど(もちろん持っているけれど)、あれと用途の一部が同じか。頭髪と陰毛の白髪は見慣れたけれど、まつ毛にも白髪があるとは。死ぬまでに全身の体毛すべて白くなるんかいなと思いに吹ける。

 化粧を始めたのは10代の終わり。肌の質感を整える…といったテクニックよりも、まつ毛をいかに長く見せるのかに対して注力してきた。奥二重でつぶらな瞳なので、とにかくデカ目に化粧を仕上げたかった。この時代から現在に至るまで、私の願いが化粧品メーカーに届いたのか、新発売されるマスカラのほとんどが「伸びる!」「長く!」というキャッチフレーズで売られていたのだ。おかげで中年になった現在も人並みの長さのまつ毛をドール級に仕上げるのは、いまだに快感である。

【こちらもどうぞ】おばさん、「ストロング系」缶チューハイを初体験。悪い予感は的中…若者世代に人気でも中年は敵わない

マスカラからエクステ信者に転身

 ここからは私が歩んできたまつ毛戦線の話だ。

 まつ毛を長く見せたい欲求はどこか美容整形に似ていて、やればやるほど止まらなくなっていた30代。メーカーのまつ毛研究も底をついてしまったのか、どんぐりの背比べ期が続いていた。そんな時に美容雑誌の取材で知ったのが『まつ毛エクステ』。今では一般化したけれど、15年以上前はまだアイリストも客も少なかった。けどこれは俄然、まつ毛が長く見える。そりゃそうだ、己には生えない長い毛をつけているんだから。

 おそらく30代前半から40歳まで10年近く、当たり前のように毎月、まつ毛エクステに通っていた。ハマってしまった私は、エクステをつけていない素の状態の自分を人にさらすのが恥ずかしくなっていた。大事な約束やデートがある時に狙ってメンテナンスへ通い、まつ毛をパチパチ。まつ毛エクステはまるで自分のアイデンティティだと思っていたかもしれない。が、とある日、雑誌を読んでいたら美容家がこう言っていた。

「いつも同じ顔の印象になってしまうので、まつ毛エクステはしません」

 確かに。周囲でエクステをしている女性を思い出すと…あれ? なんだかギャルっぽい? 確かに皆、同じような顔に見える。私のまつエクマインドコントロールは一気に消えてしまい、以降、サロンに行っていない。ちなみにエクステをやめた直後、まつ毛はグルー(人工毛と毛を接着する材料)の負担が大きかったのか短く、薄く、貧祖になっていた。慌ててまつ毛美容液を購入して、一年以上かけて普通よりも長めのまつ毛に戻した。けしてまつ毛エクステを否定しないけれど、つけるなら美容液などで地まつ毛のケアも忘れずに。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


おしゃれダイソー、やるじゃん。ヘアアレンジは『スリーピー』でコスパ良くしよっ。1000円で3つ買えちゃう
 THREEPPY(スリーピー)は、ダイソーが展開する300円が中心のオリジナルアイテムのブランドです。「あいらしい。そ...
え、そんな理由?「挨拶しない若手社員」のフクザツ心理。パワハラにならない接し方は…
 最近、若手のなかで「挨拶不要論」が唱えられているのをご存じでしょうか。コロナの影響なのか、挨拶をしない若手が急増してい...
激レアな“たまたま”3連複! 猫のお導きで最高な一日をスタートしましょ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
マナー教えてます?「友達の子ども」にモヤった5つの瞬間。ベタベタ触るのはやめて~!
 友達との女子会などに子どもを連れていくママは、友達への配慮が必要かもしれません。いくら仲がよくても「子どもどうにかなら...
母の日の贈り物を“受け取り拒否”する姑たち。花屋が「令和の嫁」トリセツを提案します
 たくさんの人たちがお母様への感謝の気持ちを形や言葉で伝える「母の日」。普段あまりお花に縁の無い方でもこの日くらいはカー...
「喪服」迷子だった40代、ベストな一着に出会う。AOKIでもしまむらでもなく“あの通販”だった
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
仕事を辞めたい…辞表を叩きつける前にやるべき6つのこと。まずは一旦落ち着こ?
「今の仕事を辞めたい…」「新しい仕事に変えたい」と悩んでいる方、必見! 今回は、仕事を辞めたくなったときにやるべきことを...
「いいよな~女は」生理休暇中の“心無い一言”5選。取得をためらう理由がここに…
 生理の痛みや不快感には個人差がありますよね。中には立つのもやっとなほど、腹痛や貧血などに悩まされる人もいるでしょう。し...
上司からの“誤爆LINE”が面白すぎる! 社内不倫バレからお局のかわいいギャップまで大公開
普段はバリバリ仕事をこなす上司も、あなたの知らない意外な素顔を持っているかも…。 (コクハク編集部では誤爆にまつ...
ジェントルにゃん、太郎の“たまたま”を見よ! 気品あふれる姿に心が浄化されるんです♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
『最後から二番目の恋』千明と和平の“名前がない関係性”の意味を、大人になってやっとわかった
「千明と和平って、付き合ってるの?」 ——現在、フジテレビで放送中の月9『続・続・最後から二番目の恋』にハマってい...
5月の青い空
 この青空、どこまで切り刻まれるのか?
「女は出産して一人前よね」マタニティハイで大暴走! プレママの攻撃がウザいんです
 初めて妊娠・出産をするプレママは、周りからウザがられる場合もあるといいます。高揚感から活発的な行動が増える“マタニティ...
【女偏の漢字探し】「媒」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
混乱する「2025年7月大災害」騒動。ネット上の噂や陰謀論にハマった人にどう対応すべき?
《イワシやクジラの海岸への大量漂着は地震の前兆や影響である》  この情報に接した4人に1人が家族や友人に話したり、...
スナック的「キープボトル」のお作法。“チャンスボトル”のタイミングは本当に難しい…!
 みなさんスナックといえば、最初に何を想像しますか? まずはレトロな看板、それからカラオケ。そして欠かせないのがキープボ...