劇団☆新感線に約7年ぶりの参加。今回の挑戦は?
――アクションにも期待ですが、鈴木さんは、みなさんのなかでも多くのジャンルを経験されてきています。劇団☆新感線へも約7年ぶり、2度目の参加です。
舞台を踏むたび、毎回いろんなことに挑戦しています。劇団☆新感線では、前回『髑髏城の七人 Season月≪下弦の月≫』に出させていただきました。そのときはダブルチームで劇団☆新感線を知ることができました。今回は、向き合う時間もさらに多いですし、演出のいのうえひでのりさんが、どういう思考でシーンを組み立てていきたいのかに、前回以上に注目して稽古に臨めたらと思っています。
――いのうえさんの思考を体現するのが、今回の最大の挑戦になりますか?
始まる前はそれが一番の挑戦かなと考えていましたが、それだけではないなとも思っています。劇団☆新感線のことはもちろん知っていたけれど、観に行こうというその一歩を踏み出せなかった方もいらっしゃると思います。それが、これだけ多岐にわたるジャンルの方々が集まっているということが、「この機会に」という一歩にもつながるといいなと。
45周年の舞台に参加させていただく身として、この公演が次の50周年につながっていったら最高に嬉しいですし、劇団☆新感線の方にお世話になっているからこそ、自分たちが参加して残せるものは何かということも考えています。
NBA観戦から受けた影響とは
――鈴木さんご自身についてもお聞かせください。鈴木さんはNBA観戦がとてもお好きだとか。
はい、今も観ています。
――なかでもアレン・アイバーソンとジェイソン・ウイリアムズがお好きだと。読者には知らない人も多いと思いますが、ふたりともアグレッシブなタイプで、特にアイバーソンは「セルフィッシュ」とも言われることも多いスターでした。
鈴木さんは常に穏やかな印象ですが、スポーツ観戦となると、ご自身と異なるタイプが好きなのか、それとも鈴木さんの中にあるアグレッシブな面を刺激されるのでしょうか。
まず自分のなかで、チーム競技の観戦が好きというのがあります。みんなで成し遂げるスポーツのほうが、個人的には盛り上がるタイプです。そしてアイバーソンは確かにセルフィッシュと言われることもありましたが、ギリギリのところで見せる力、圧倒的なカリスマ性がすごかったですし、チームを覚えてもらう“花形”でもありました。
76ersにいたころは特に、プレーでの貢献はもちろん、それ以外の部分での貢献度も高かったと思います。
――オーラや華が素晴らしかったことも、好きのポイントだと。
プロスポーツですから。勝ち負け以外で、チームに何を残せたかというところも大事なんじゃないかと思います。
――プロスポーツと演劇は全く違いますが、そうした面でご自身に重なって考えられる部分をあえて挙げるなら?
チーム全体や公演を成功させるといったところは、徹しなければいけない美学だと思います。その中にも、自分の好みをきちんと残す。それをやれるかやれないかが、仕事、プロかどうかの違いかなと。観客に届くかどうかが大事ですから。
アイバーソンも、ただ勝ち負けで試合をしていたわけじゃなかった。あれだけ自由に見えたけれど、やっぱり“プロ”だったと思います。あと僕に関して言うと、殺陣も、穏やかすぎたら成立しないかな。
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