「あんぱん」メイコたちの“椰子の実”をどこかで聞いた…ヒロインの妹は歌う法則があるのか?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-05-13 16:11
投稿日:2025-05-13 16:05

第7週「海と涙と私と」#32

 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)を仲直りさせようと、健太郎(高橋文哉)とメイコ(原菜乃華)は千尋(中沢元紀)と共に2人を海に連れ出す。

 メイコが持ってきたあんぱんを食べ、波打ち際で談笑する5人。嵩を天才だと言う健太郎に、嵩の絵は見た人がやさしい気持ちになると話すのぶ。その言葉がうれしい嵩。そんな2人に、健太郎たちは胸をなでおろす。そしてメイコは……。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」蘭子らの一夜を想像して興奮が…のぶと嵩の恋はいつ始まる?

【本日のツボ】

メイコの初恋と、千尋の秘めたる想い

 ※※以下、ネタバレあります※※

 先週は蘭子(河合優実)の週でしたが、今週はどうやらメイコの週のようです。のぶと一緒に、あんぱんを売り歩きながら、「♪みんながにっこりあんこのパン」と、突然、歌い出したのには驚きましたが、可愛いからよしとしましょう。

 そういえば、朝ドラ「ごちそうさん」では、ヒロインめ以子(杏)の夫・悠太郎(東出昌大!)の内向的だった妹の希子(高畑充希)が、「焼氷有り〼の唄」を披露し、その美声が話題になりました。原菜乃華もいずれ高畑充希のように、ミュージカルへ進出、などということになるかもしれません。

朝ドラヒロインの妹は歌う法則か

 そのメイコ。東京から帰省した嵩の親友・健太郎にすっかり恋をした様子。健太郎の言葉にドキドキするメイコの可愛さに、こちらもキュンキュンしてしまいました。のぶと嵩の仲直りよりも、メイコの初恋が気になる今日この頃です。

 健太郎のギター伴奏に合わせて、みんなで歌った「椰子の実」。この歌は、「ちむどんどん」でも、ヒロインの妹・歌子(上白石萌歌)が歌っていました。

 どうやら、朝ドラヒロインの妹(義妹も含む)は歌う、という法則があるのかもしれません。

 島崎藤村作詞の「椰子の実」。その歌詞を聞くとなかなかせつないものがあります。この5人の海辺のシーンが楽しげで、いかにも青春の1ページという感じでした。

 おそらくこの先に、誰かがこの時のことを思い出し、回想シーンとして出てくるのだろうな、と。そして、それはきっと辛い場面なのだろうな、と勝手に、この先の展開を想像し、胸が詰まりそうになりました。

 千尋はやっぱり、のぶのことが好きなんですよね。のぶを見つめるその熱い視線でわかりました。のぶは奥手なので、まったくそのことに気づきもしないようですが……。嵩は嵩で、「嵩の絵は優しい」とのぶに褒められたことが嬉しく、それだけで満足なようです。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


【再募集】2025春ドラマどうだった?面白かった&ガッカリを教えて!『あんぱん』『最後から二番目の恋』『対岸の家事』etc
 引き続き、2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。続々と最終回を迎えた4月よりスタートの春ドラマ、あなた...
「あんぱん」竹野内豊らが退場→津田健次郎と倉悠貴が新たに補充。イケメン好きにも優しい朝ドラに感謝したい
 闇市で渡された東海林(津田健次郎)の名刺を頼りに、高知新報にやってきたのぶ(今田美桜)。しかし、東海林は全く記憶にない...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
さや香、バッテリィズ…意外と多い「不仲コンビ」にグッとくる理由。仲良し芸人だけが正解なのか?
 千鳥MC『相席食堂』(ABC/テレビ朝日系)の6月3日放送回にて、「カウンセリング相席」と称した、お笑いコンビ・流れ星...
『あんぱん』嵩(北村匠海)に“たっすいがー”の面影はない。のぶへの言葉が胸を打つ「正しい戦争なんか、あるわけがないんだ」
 空襲の焼け野原でひとり佇むのぶ(今田美桜)の前に、嵩(北村匠海)が現れて再会を果たす。釜次(吉田鋼太郎)から事情を聞い...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
国分太一活動休止で消えた「TOKIO再集結」の光…木村拓哉に見せていた別の顔
 6月20日、複数のコンプライアンス違反があったとして、TOKIOの国分太一(50)が無期限の芸能活動休止を表明した。出...
こじらぶ 2025-06-25 07:50 エンタメ
大泉洋こそ“真のモテ男”じゃないか?「かくかくしかじか」の圧倒的な存在感に新たな一面を見た
  先日、いろんな意味で話題の映画「かくかくしかじか」を鑑賞してまいりました。「東京タラレバ娘」や「海月姫」などのヒット...
「あんぱん」のぶ、“落とし前”の付け方はそれでいいのか。次郎役の中島歩はあまりにも素晴らしかった
 終戦から5か月が経ち、国民学校ではGHQの指導のもと軍国主義教育からの転換が図られる。のぶ(今田美桜)は病気が一向に回...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
『バチェラー6』第8話(最終話)を正直レビュー! ラスト予想、当たった人いるの? 制作サイドにまんまと騙されました
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第8話。本編最終回です。小田...
中村未来 2025-07-25 15:23 エンタメ
曽田陵介、FANTASTICS佐藤大樹と“縁”に驚き「青春時代の人が隣にいた!」甘酸っぱい中学生の頃
 2019年に俳優デビューをきっかけにドラマ、映画、舞台とさまざまな作品に出演。そして先ごろ放送を終了した『いつか、ヒー...
望月ふみ 2025-06-23 07:00 エンタメ
【募集】2025春ドラマの感想は? 面白かった&ガッカリを教えて!『対岸の家事』『最後から二番目の恋』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「面白かった」作品や「...
72歳、ザ・ぼんち里見まさとに“若い女子”が熱狂。イケジジブームが来るか? 老害にならずモテる大人の魅力
 去る5月17日フジテレビ系で放送された結成16年以上の漫才師による大会『THE SECOND~漫才トーナメント~・グラ...
「あんぱん」ここがヘンだよ、戦争パート。のぶが夫に駆け寄らないのはなぜだ?
 次郎(中島歩)からの便りに顔を輝かせるのぶ(今田美桜)だったが、それは海軍病院からだった。のぶが不安な気持ちで病室に入...
桧山珠美 2025-06-21 12:55 エンタメ
『バチェラー6』第7話を正直レビュー!石森さんの“事実発覚”に全視聴者が驚いた…。辻󠄀本さんの高度な会話テクにも注目
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。第7話は、クアラルンプールへ久次米...
中村未来 2025-06-21 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第6話を正直レビュー!小田美夢の“あまりにあざとい”テクニック。キス連発は最初から決めてた?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第6話。前回のラストで、早朝...
中村未来 2025-06-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ
『バチェラー6』第5話を正直レビュー。自然体の笑顔をやっと見れた。で、なんで突然キスした?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第5話。もう折り返しなんて早...
中村未来 2025-06-19 06:00 エンタメ