横浜流星との共演が見られる『天使のいる図書館』
『べらぼう』の主演俳優である横浜流星さんとは、実は8年前に映画『天使のいる図書館』(2017)で共演を果たしています。
知識は豊富だが、コミュニケーション能力に欠けている図書館司書の吉井さくら。ある日、一人の老婦人が何か困っている様子を見かけた彼女は、思い切って話しかけることを決意。この出会いがさくらの運命を大きく変えていくことになる…というストーリー。
祖母の死をきっかけに、機械的な口調の堅物人間になってしまったという過去を持ち、他人との関わりを持たないようにしてきた女性を、小芝さんは繊細な演技で好演して魅せます。
終始、無表情ではあるものの、老婦人との関係に、かつての祖母との関係を重ね合わせ、その心情に大きな変化が現れる様子を実に見事に体現。その演技は、自身が王道の正統派女優というよりも、様々な役柄を演じ分ける個性派女優であると宣言しているように見て取れ、彼女の女優魂を大いに感じさせる次第です。
また、横浜さんはそんな小芝さん演じるさくらと心を通わせる老婦人の孫役に扮しており、ホッコリさせる関係性を構築。横浜さん演じる幸介と徐々に惹かれあっていく様子は、まるで青春の1ページを見ているかのよう。この頃からすでに抜群の相性を見せつけています。
ダンスの才能も発揮『ガールズ・ステップ』(2015)
映画『ガールズ・ステップ』(2015)では小芝さんの印象をガラリと変えるシリアスな演技に挑戦しています。
5人の女子高生がイベントでパフォーマンスを披露し、必修科目であるダンスの単位を取得しようとすることから幕を開ける。5人は、次第にダンスの楽しさ、素晴らしさに目覚めていき、ダンス部として大会に出場することを目指していく。
主人公のクラスメイトで、根暗な性格が印象的な片瀬愛海役に扮する小芝さん。普段は常に下を向いているような物静かな女子が、裏ではSNSで知り合った年上のサラリーマンと交際中という二面性のある役どころを演じます。
さらには、後にそのサラリーマンの子供を身籠ってしまうという展開も待ち受けており、デビュー間もない女優が演じるには、かなり高難度な少々影のあるキャラクターでした。小芝さんはそんな役柄に臆することなく、真っ向から向き合い、緩急自在の演技と奥深い表情で、壮絶な役どころを熱演して魅せています。
劇中ではダンスの才能も遺憾なく発揮。演技面を初め、十年後に演じることになる『べらぼう』花の井役の役作りに、大いに役立ったと言えるのではないでしょうか。
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