「あんぱん」この見合い相手、あの朝ドラの“不倫男”じゃないか! ラスト2分にも衝撃…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-05-20 18:05
投稿日:2025-05-20 17:52

第8週「めぐりあい わかれゆく」#37

 朝田家に上品な婦人(神野三鈴)が訪ねてくる。その婦人は、夫が結太郎(加瀬亮)にあるお願いをしていたと話す。後日、のぶ(今田美桜)は結太郎と話したことがあるという息子の次郎(中島歩)に会いに行く。次郎の口から結太郎のソフト帽の話が出て、のぶは顔をほころばせる。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」“柳井嵩子”事件、ドロドロ展開を期待してごめん。黒井先生の凛とした姿は見事でした

【本日のツボ】

「花子とアン」で蓮子(仲間由紀恵)を取り合った2人が!

 ※※以下、ネタバレあります※※

 のぶの見合い話、朝田家一同、乗り気で、あれよあれよという間に決まってしまいました。それにしても、のぶにとって嵩(北村匠海)はいったいどういう存在なのか、と思ってしまいました。

「おねえちゃんには心に決めた人がおると思とちょった」とメイコが言ってたように、てっきり嵩のことが好きなのかと思っていたのですが、まったくその気配はなく……。それに比べて、もう喧嘩別れしたのは1年半も前のことなのに、のぶにお詫びの手紙を書く嵩、あまりにも不憫でなりません。

 奇しくも、いま放送中の連ドラ「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系)と、時代設定がほぼ同じなのですが、あちらの芳根京子など、鶴の一声ならぬ父の一声で、お見合いもすっ飛ばして、即、結婚でしたから。

3人目の「ふてほど」キャストが登場。ラスト2分の衝撃も…

 のぶのお見合い相手の次郎ですが、どこかで見たと思えば、「花子とアン」で吉田鋼太郎演じる石炭王・嘉納伝助から妻の蓮子(仲間由紀恵)を掻っ攫った男ではありませんか。世が世なら不倫男の誹りを免れず、CMもすべて降板しなくてはいけないほどの罪を犯した男ですが大丈夫なのでしょうか(笑)。

 次郎を演じる中島歩は、現在、長澤まさみと「キンチョール」のCMでも共演しています。あの「不適切にもほどがある!(以下、ふてほど)」(TBS系)では安森先生を演じていました。阿部サダヲ、河合優実に続いて3人目の「ふてほど」キャスト。「虎に翼」と「新宿野戦病院」(フジテレビ系)のキャストがかぶる事案がありましたが、今回は「ふてほど」のようです。

 のぶのお見合い話で終わるのかと思いきやラスト2分の急展開。豪(細田佳央太)ちゃん戦死の報せに驚愕。釜じい(吉田鋼太郎)の「豪~よ~! あ~あ~」。

 シェイクスピア劇仕込みの発声がこんなところで活かされるとは! その慟哭のような叫びが頭から離れません。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...
「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由
 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン...
帽子田 2025-04-09 09:48 エンタメ
ヤムおんちゃん草吉はあんぱん代をきっちり集金。ジャムおじさんとは違う“先導”に期待膨らむ
 草吉(阿部サダヲ)のあんぱんを食べて、生きる力をもらった朝田家。羽多子(江口のりこ)は内職の仕事を始め、釜次(吉田鋼太...
桧山珠美 2025-04-07 17:20 エンタメ
「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本
 結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶ(永瀬ゆずな)は一粒の涙も流さなかった。そんなのぶ...
桧山珠美 2025-04-05 06:00 エンタメ
“百戦錬磨”香川照之ゆえの提案「全6話、スイッチを仕込んでいます」【主演ドラマ『災』インタビュー】
「連続ドラマW 災」(WOWOW、6日22時スタート)は、湿り気を帯びた陰鬱な雰囲気とぞわりとする劇伴が感情を揺さぶる不...
朝ドラ「あんぱん」の描写に25年前の“名台詞”が…CA役だった松嶋菜々子の変わらぬ美貌はさすが過ぎる
 ある日、のぶ(永瀬ゆずな)は千尋(平山正剛)とシーソーに乗る嵩(木村優来)を見かけるが、千尋が軽くて動かない。そこでの...
桧山珠美 2025-04-02 17:20 エンタメ
「あんぱん」ヒロインの着物がオレンジ色の納得。ドキンちゃんのモデルゆえの演出
 昭和初期、家族の愛情をたっぷり受けて育った少女が高知の町中を勢いよく駆けていく。「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶ(永瀬ゆ...
桧山珠美 2025-03-31 17:20 エンタメ
朝ドラ「あんぱん」男性俳優陣がめちゃ豪華! 赤楚衛二路線で大ブレーク必須な最注目の若手は?
 31日(月)から新しい朝ドラが始まります。その名も連続テレビ小説「あんぱん」。あの「アンパンマン」の作者やなせたかしと...
【おむすびにモヤっと】伏線をまき散らして放送終了、そしてモヤモヤが残った。結はとんでもなくヤベ~やつ?
 歩(仲里依紗)から詩(大島美優)を引き取ろうとするのは甘かったかもしれないと聞いた結(橋本環奈)は、仮定の話を気にして...
桧山珠美 2025-03-29 06:00 エンタメ
【写真特集】倖田來未の美し過ぎるバスト♡ギリギリショット5連発
【この写真の本文に戻る⇒】40代の倖田來未が《全盛期と変わってない》と話題に…20年前と同系ファッションでも、なぜ痛くな...
2025年「冬ドラマ」を調査! 独走状態の『ホットスポット』、疲れた大人世代に『御上先生』は難しかったか
 2025年1月よりスタートした冬ドラマ。惜しまれつつ最終回を迎えたドラマがあった一方で、期待されていたものの視聴率が振...