今さら「バリキャリ」にならなかったのは“自己責任”と言われましても|トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』

トイアンナ ライター・経営者
更新日:2025-06-22 06:00
投稿日:2025-06-22 06:00
 昭和から令和へ。時代とともに「女性の働き方」は大きく変化しました。求められる女性像に翻弄された今の40〜50代は今何を思うのか。トイアンナさんによる『えらくならずにお金がほしい』(大和書房)より、一部を抜粋してご紹介します。

24歳の女性は“イブちゃん”と呼ばれていた時代

 最近、70代の男性から現役時代のお話を伺う機会がありました。

 偶然そこで、当時の女性はどうはたらいていたのか? という話題になったのですが、「24歳にもなった女性は、“イブちゃん”なんて言われて、いじめられたもんよ」と聞き、びっくりしたものです。クリスマスの前日である24日はイブ。クリスマスの25歳は結婚するにも行き遅れとされるため、24歳は「一歩手前」扱いだったようです。

 当時の女性は短大卒で十分学のある扱いでしたから、卒業時は20歳。そこから腰掛け3年での寿退社を期待されていたため、さらに1年も遅れた24歳は手遅れ寸前と言われたのだそうです…。

 そういった話を聞くと、この数十年で女性のはたらく権利がこれほど向上したことに、感動を覚えます。私なんて大学に入るのが2年遅かったせいで、新卒入社時点でもう24歳。当時だったら、入社時点で行き遅れだったのです。

【読まれています】「専業主婦は文句ばかり」戦略的バリキャリママの主張。家庭と仕事、手に入らないのは“努力不足”でしょ?

2012年当時、女性蔑視は色濃く残っていた

 さすがにそこから時代はめぐり、私の入社年次は2012年でした。ところが、当時すら総合職の面接で「30歳になったら、結婚して辞めてくれるよね?」と言ってくるとんでもない企業があったり、女性は総合職にいりません、と説明会で豪語したりする会社がありました。

 好意的な見方ではありますが、そういった会社は「うちは女性差別をしますよ」と入社前に教えてくれただけ親切だったかもしれません。

 というのも周りには、入社後に突然の性接待を求められて、すぐ転職を決めた人もいました。総合職なのに、水着で年配男性にお酌をしろと言われ、同期女性は全員やらされたそうです。

 ときはリーマン・ショックの不景気まっさかり。抵抗して正社員の職を失うほうがバカを見る時代でした。

 こういう文化に嫌気がさして、海外移住してしまった女性もいます。

 ネットでフェミニストを名乗り過激な発信をされている方には、この年次までに会社員を経験された方が多いように感じますが、まあ当時を知っていたらそうなるのがわからんでもない。

トイアンナ
記事一覧
ライター・経営者
 慶應義塾大学を卒業後、P&GジャパンとLVMHグループにてマーケティングを担当。同時期にブログが最大月50万PVを記録し、2015年に独立。主にキャリアと恋愛について執筆。近著に『二訂版 就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』(KADOKAWA)、『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)など。noteでは会社組織でサバイブするための方法が手に入る「会社サバイバル論」をメンバーシップで連載している。
note 

ライフスタイル 新着一覧


「ギャラ飲み」初体験女子が港区で受けた洗礼。富裕層おじがニヤつくワケは…
 恵比寿のエステサロンで働いている晴乃。お客様の中でも港区女子のまひなは、同い年の晴乃を見下し顎でこき使う。1カ月の食費...
モブキャラ自認の23歳が「パパ活」に落ちるまで。50万円のヴァンクリに「興味ない」は言い訳?
「倉持様、こちらでお待ちいただけますか」  恵比寿から徒歩5分。山手通り沿いのビルにある美容整体サロン。受付の山本...
ママ友界隈の事件簿10連発。キャベツ枕、ゴミ屋敷、NO予防接種の自然派ママまで…今日も激ヤバ!
 子供がいると避けて通れないのが、ママ友とのお付き合い! 気が合えばいいですが「付き合うのが面倒」と思うママ友もいるでし...
人生64年ずっと実家暮らしですが何か? 介護に看取り…「子ども部屋おじいさん」が至った境地
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
プロフの名前が『(^^)』に不信感! LINEから滲み出る信用できない人の特徴3つ
 信用できない相手と仲を深めようとする人は、まずいないでしょう。むしろ警戒心が芽生え、距離を置こうとするはずです。あなた...
「スパッツ」も古いの!? 今すぐアップデートしたいファッション用語8選
 ファッション業界の移り変わりは、とても早いですよね。同じアイテムでも、気が付けば呼び名が変わっていることも…。とくに4...
腐女子歓喜! BLさながらのイチャイチャ“たまたま”に胸キュン♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
年末の定番「シクラメンって古くない?」その感覚こそ古すぎる!進化系続々、安価・高価な株の違いは…
 今年も順当に(?)曖昧な秋が過ぎていきなりの冬になったかと思うと、残すところ1カ月を切り、お歳暮シーズン真っ只中。ただ...
職場Gに送った激ヤバ誤爆LINE8選。「先生、夜勤ズル休みしたから会えそう♡」で全部バレちゃった
 職場のグループLINEは、仕事を円滑に進めるために、今や欠かせないものでしょう。でも、あろうことかそんな職場LINEに...
自治体支給の「更年期バッジ」が欲しい!子無し、未婚の中年勢にちょいと冷たくないか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
天童よしみ似“銀座おばば”の人生訓。頑固オヤジたちとの付き合い方&「商店会の街路灯」が示すもの
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
一人暮らし初心者必見! 快適生活のために最初に備えるべき「最低限度の必需品」
 はじめての一人暮らし。春の引越しに向けて、早めに家具の購入や引越し準備をはじめる人も多いですよね。  今回は一人暮ら...
【噂の現場】疲れた40代女、自腹で下北沢の「無目的室Morph inn」で“無”になれるか試してみたら…
 11月末のある晩、フジテレビのニュース番組を見ていたら、堤礼実アナの美しい顔がドアップで映し出され、「強制的に『無』に...
離婚を目指す40代女の選択。子育てが終わったら生涯一人? それとも感情押し殺してレス夫と一生過ごす?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  現在、離婚を目...
「玉木ガチ恋」勢も登場。30歳女子が国民民主党・玉木代表の若者ウケを考察、最大の武器は?
 10月に行われた衆議院選。自民・公明が過半数割れし、結果は大荒れとなった。そんななか大躍進を遂げたのが国民民主党だ。若...