「あんぱん」嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)コンビが心強い。岩男には“嫌な予感”しかない…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-06-16 16:45
投稿日:2025-06-16 16:45

第12週「逆転しない正義」#56

 嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、物々しい雰囲気が漂っていた。数日後、健太郎(高橋文哉)も宣撫班に入ることになり、2人は地元民から反感をかわない紙芝居を作ることに。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」戦場での緊迫シーンにホッ。嵩(北村匠海)らの“偶然の再会”、まるでドラマみたい…は禁句です

【本日のツボ】

嵩、ピ~ンチ!

 ※※以下、ネタバレあります※※

 先週、「これを描いたのはお前か」と詰め寄られ、“嵩、ピ~ンチ!”となったところで、林田アナの「ほいたらね」で終了しました。

 ですが、どう考えても八木(妻夫木聡)が嵩に不利益なことをするわけがないと思ったら、案の定、「実にうまい。あいつの偏屈なところまでよく描けている」とお褒めの言葉を頂戴し、「明日から宣撫班に来てもらおう」と。

 やはり、芸は身を助けました。

 そんな嵩を「よかね~」と羨ましがる分隊の仲間たちに、「宣撫班はお前らが思ってるほど楽なところではないぞ」と八木。「宣撫班は医療活動や娯楽で日本軍への親しみを深めさせ、占領に協力させることを目的としている。それがどれほどやっかいで困難な任務か……」とまたもや嵩をフォロー。どこまでも有難い存在です。

 おまけに、絵の学校に行っていたということで健ちゃんも宣撫班に参加。嵩にとってこんなに心強いことはありません。

 弟の千尋(中沢元紀)に渡された父(二宮和也)の手帳に書かれた「東亜の存立と日支友好は双生の関係である」をヒントに、紙芝居の話を作った嵩。

 明日はその紙芝居のお披露目となりますが、厳重な審査に通らなければ、「元の分隊に戻され、戦闘任務となる」そうで、またしても“嵩、ピ~ンチ!”

岩男があのままの「卑怯者」でいますように

 それにしても、突如、ぶっ込まれた、岩男(濱尾ノリタカ)が結婚していて、さらに子どもが生まれていたという事実。しかも、その子とはまだ会えていないという話でした。あの自分に懐いている小さな男の子を助けるために、自ら犠牲になるということになるのでは……といやな予感しかしません。

 岩男といえば、パン食い競争で卑怯な手をつかって2位になったことがありました。八木が嵩に、「生き残るためには卑怯者になることだ」と言っていましたが、「なんか変わったな」と言われる岩男が心配です。あのままの卑怯者でいますように。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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