23歳に本気の恋。40代男性が味わった“地獄と再生”の日々「妻とは離婚寸前だったのに」

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-06-27 11:50
投稿日:2025-06-27 11:50

DV彼氏に悩む23歳アルバイト女性と男女の仲に

 そんな時、アルバイト募集で来たのが、当時23歳の優佳さんだ。

「優佳は笑顔が愛らしい素朴な感じの子。疲れ切っていた僕には、まるでオアシスのようでした。実家は山梨のブドウ農家だそうです」

 彼女には同棲中の彼氏がいたが、DV気質で口論が絶えないという。

 二の腕には、アザが癒えきらずに残っていた。

「僕は『そんな男とは別れたほうがいい』と何度も言いました。でも彼女は、『別れを切りだすと、もっとひどい目に遭う』と怯えていて…。ある夜、『帰りたくない』という彼女を、店の2階に泊めたんです」

 そこで、ふたりは男女の関係になった。

「彼女が『こんなに優しくされたのは初めて』と泣いた時、僕は男としての自分を取り戻しました。隣に女として甘えてくれる人がいる…それだけで、満たされた気がしたんです」

妻からの衝撃的一言…ますます愛人に惹かれていって

 季節は流れ、息子は3歳になった。

 妻は育児の合間に在宅ワークを始め、息子も目黒区の保育園に通うように。表面上は穏やかに見えた家庭生活の裏で、和彦さんの心はますます優佳さんへと傾いていく。

 その頃には、優佳さんも暴力的な彼氏ときっぱり決別し、和彦さんの店で正社員として働くようになっていた。店もかつての活気を取り戻し、ふたりは公私ともに深く関わるようになっていく。

「お互いに、心のすき間を埋め合っていたんだと思います。息子は完全にママっ子で、僕にはなかなか懐いてくれなかった。妻も育児やママ友づきあい、そして在宅の仕事に追われていて、僕の存在はどんどん薄れていった。だからこそ、優佳の存在が心の救いになっていたんです」

 和彦さんはそう目を細めるが、ある日、園のお迎えから帰ってきた妻が、沈んだ顔で告げてきた。

「園で、息子が『お前のパパ、おじいちゃんみたいだ』って言われたそうで…それで『パパ、もうお迎えには来ないで』って、僕をにらんだんです。さすがに堪えましたね。周りのパパたちは20代~30代で、服装も今どき。僕は腹も出てるし、完全に浮いていたんでしょう」

 傷ついた心は、いっそう優佳さんに引きよせられていった。

愛人の告白、そして離婚へ動き出すも…

 そしてある日、優佳さんはこう言ってきたのだ。

 ――社長と結婚したい。

 ――子どもはいらない。ふたりでこの店を守っていきたい。

 和彦さんは震える心を抑え、問い返した。

 ――もし離婚できたら、本当に結婚してくれる?

 ――ええ、もちろん。

 妻とは数カ月にわたって話し合い、慰謝料や養育費の取り決めも終えた。優佳さんの存在を明かすと、最初こそ激高した妻も、やがて疲れた表情でこうつぶやいた。

 ――息子との生活がちゃんと守られるなら…もう、あなたのことは追わないわ。

 あとは、来週、離婚届を区役所に出すだけだった。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「恋愛も結婚も女性もわからなくて」色恋経験ゼロ男が淡泊に描く既定路線
「冷酷と激情のあいだvol.198〜女性編〜」では、結婚前提で交際する5歳年上の生真面目な恋人・サトルさん(46歳・仮名...
並木まき 2024-06-08 06:00 ラブ
「真面目で大事にされてもときめかない」味気ない男との再婚迷う41歳女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-06-08 06:00 ラブ
年齢を言いたがらないアラフォー女性 “私は若く見える”が招く婚活トラブル
 結婚相談所では生年月日はプロフィール上に掲載されていますが、相談所外での恋愛相談を聞いていると、「年齢」を巡って揉める...
植草美幸 2024-10-24 14:24 ラブ
ド緊張して顔が土色!? 夫の人見知り発動時に隣の妻がやるべき3つのこと
「夫が人見知りで困っている」という悩みを抱える妻は少なくありません。ご近所付き合いや親戚の集まり、子育て関係のイベントや...
恋バナ調査隊 2024-06-07 06:00 ラブ
“女風”で気持ち良くなりたいのに…アラフォー女性初回利用でなぜ大失敗?
 女性用風俗、略して「女風」の勢いが止まりません。東京都だけで約100店舗ほどがあるとされ、どのお店の誰を選べばいいのか...
内藤みか 2024-06-06 06:00 ラブ
唇かむ“サレ女”。高度化する浮気バレ対策、奴らはLINEに証拠残さない!
 今、SNSのショート動画には“スマホから浮気を発見する方法”に関する動画が溢れ返っています。LINEはトーク画面上から...
ミクニシオリ 2024-06-06 06:00 ラブ
「野球大好き男」彼氏がうざい件 たまには違う話をしてー!対処法は?
 野球大好き男を彼氏にもつと、一緒に野球観戦デートをしたり、勝利を祝ったり、楽しいこともありますよね。でも、時にはあまり...
恋バナ調査隊 2024-06-06 06:00 ラブ
「関西の女はモテない」のざっくり感。関東男性の本音と好相性のいい人
 恋愛において、相手の出身地は意外と大きな影響があるものです。文化や習慣、価値観などに関わるので、相性にも差が出てきそう...
恋バナ調査隊 2024-06-04 06:00 ラブ
【調香師監修】梅雨はフェロモン危機!パワフルシトラスで恋愛運UPを
 雨の日が続く梅雨時は、出かけるのも仕事に行くのも憂鬱な気分…ヘアスタイルも決まらないし、肌も心も曇りがちなフェロモンピ...
太田奈月 2024-06-04 06:00 ラブ
セルフプレジャーは私を解放してくれた。性欲は恥ずかしいものではない
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。2年前の48歳までセックスをしたことはなくても「セルフプ...
mirae.(みれ) 2025-02-24 09:53 ラブ
お金に寛容な年上彼女、急募! 遊びの延長の同棲を後悔するバツ1男
「冷酷と激情のあいだvol.197〜女性編〜」では、同棲を始めた途端にセコい金銭感覚をあらわにした8歳年下の恋人・ユウタ...
並木まき 2024-06-01 06:00 ラブ
私のアカウントで買い物し、支払いはスルー。セコさ増す彼に悩む49歳女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-06-01 06:00 ラブ
「年収500万の星野源似=普通の男」問題も再燃…でも最近は「普通の男=吉沢亮」の深層
 歌手の星野源(43)に対する“臆測”投稿が世間の注目を集めた件。インフルエンサーに拡散されたアナウンサーとの不倫疑惑は...
思い込み? 年下独身男性が既婚女性を「好き避け」するサインが知りたい
「職場の年下の独身男性が、なんだか素っ気ない…」と悩んでいる女性、必見! それはもしかして好き避けかもしれません。  ...
恋バナ調査隊 2024-05-31 06:00 ラブ
同じ空気ムリ、離婚する? 本音で話せない夫婦が抱えるリアルな悩み5選
 あなたはパートナーと本音で話せているでしょうか? 本音で話さずにいると、異性問題が勃発するケースもあるようです。  ...
恋バナ調査隊 2024-05-31 06:00 ラブ
地雷踏んでませんか? 年下男子が“即ブロ”認定する年上女性のLINEとは
「どうして? 彼からブロックされちゃった…」と、茫然とする年上女性が増えています。  うまくいってると思っていたのに、...
内藤みか 2024-05-30 06:00 ラブ