はるな愛「本名でいることが応援してくれる両親への恩返しなんでそのままでいます」

更新日:2025-06-28 17:03
投稿日:2025-06-28 17:00

【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#249

 はるな愛

  ◇  ◇  ◇

 私がお会いしたのはまだ「エアあやや」で話題になる前のことでした。それでも関西ではむちゃくちゃかわいいニューハーフとしてレギュラー番組も持っている有名人でした。

“彼女”が現れると、その場に花が咲いたように明るく、こういう言い方はNGなのかもしれませんが、お辞儀の仕方、イスに座るとき、立つときの動き、カップを口に運ぶ所作などなど、立ち居振る舞いのひとつひとつが見とれてしまうような「女らしい」きれいで繊細な動きでした。

 MCの(トミーズの)雅くんが「(はるなさんの本名の)大西賢示くん!」と言うと、どんな話をしていても低い男性の声で「は~い!」と返事し、矢継ぎ早に可愛いトーンで「それやめてください!」と言い返すノリツッコミで何度も爆笑をとっていました。

 学校では「男女(おとこおんな)とか言われてイジメられて“私ってなんなんやろう”って悩んだこともありましたけど、ニューハーフの世界を知って仕事をするようになって自分の居場所を見つけられたと思いましたよ。だから、いろんなことで悩んではる方がいたはると思いますけど、必ず自分の居場所はありますから、がんばりましょう!」と目を潤ませながら訴えておられたのが強く印象に残っています。

 雅くんが戸籍の名前を変えるという選択肢について問うと「本名でいることが応援してくれてる両親への恩返しなんでそのままでいます」と自分に言い聞かせるように言っておられました。

 よく、顔は笑っているけど目が笑っていない、と評される方がいますが、はるなさんはいつも目の奥から、芯から優しいほほ笑みを放っていました。ご自分で言ってらしたように“居場所”を見つけた安堵感、“はるな愛”として生きていくんだという覚悟の表れでしょうか、大人であんな素直な笑顔を見たのは初めてでした。いまも画面を通して見ていて、その輝きは変わっていないように思います。

 現在は子供食堂を開いて、支援活動をしてらっしゃるようですが、これからも多くの人たちを笑顔にすることを考えていかれるであろうはるな愛さんを応援しています。

(本多正識/漫才作家)

エンタメ 新着一覧


春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ