ゲフッ…炭酸でむせるのは“老い”のせいか。ついに来た「更年期の地雷」はそこかしこに。麺のむせはどうする?

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-07-02 11:50
投稿日:2025-07-02 11:50
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第35話は「むせます、むせますっ!」。

炭酸水は危険な飲み物

 更年期の女性は“むせる”と知っているだろうか。この文章を目で追いながら「ワタシ…?」と我が身を振り返っている人もいるかもしれない。自律神経を崩してメンヘラにさせ、汗をかかせるだけが更年期の仕業ではない。バーリトゥード方式にありとあらゆる現象が訪れてくる。今回はまさか縁はないよね? と思っていた、むせがやってきた話し。

【こちらもどうぞ】怒った中年の顔は「ブス」だと知った。更年期世代がイラついた時にするべき大事なアレ

 その日は酷暑厳しいある日。ずっと顔を出してなかったバーへ行った。

「ひさしぶりじゃん」

 店主は私を覚えていてくれて、最近の仕事ぶりを褒めてくれた。

「ご活躍で。ラジオレギュラーなんてすごいじゃん」
「え、本を書いてるんですか? 私、買います!」

 同じカウンター席にいた女性客も乗っかってきて、ひとしきり騒ぐ。大物ならまだしも、私レベルの書き手の話、小っ恥ずかしいだけだ。ちなみにこういうシーンで「買います♡」そう言う女性は99%、拙著を買わない。もし全員が買っていたらもっと重版がかかったはずだ。

 テーブルに運ばれてきたバーボンソーダ(酒セレクションに感じる、平成の名残)を何も考えずに飲み込んだ。

「ゲフッ、ゲフッ…なんか変なところに入ったみたいで…」

 苦し紛れにその場を取り繕おうとする姿だけでも褒めてくれ。

「久乃ちゃん、それもう年だよ(笑)。俺も全然まともに飲めないし、詰まっちゃうんだって。水、もっと飲む?」

 店主のフォローもむなしい。この店に通っていた10年前は、むせることなんてなかったのに。

「やだなあ、失礼しました。普段飲んでないから炭酸がきつかったんだよ。次はロックで飲もうかな」

 きつい炭酸は大好物。ハイボールの炭酸水をペットボトルではなく、マシンから出してくれる店をひたすら探している女のくせに、どの口がそんなことを言う。私のむせデビューはこんな感じで突然現れた。口、鼻、耳など体中の穴という穴から酒が飛び出してしまわなかっただけ、救われた。そんな事件になったら、あの店にはもう一生いけない。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


月経ディスクにベットする女の覚悟「ストレスを減らす手伝いがしたい」
 生理用品の一種で使い捨て可能な「月経ディスク」を企画・販売する「MONA company」代表取締役の向井桃子さん(3...
3万のフレンチ? 1カ月の食費ですけどー!心で泣いた“女子飲み”の誘い
 仲良くしている友達や、恋愛対象として見ていた人との会話で「私とは住む世界が違う……」と感じた経験はありませんか? 今回...
【45歳からの歯科矯正】歯科矯正の洗礼か! 頬がこけ、そして便秘に…
 総費用160万円かけてワイヤー矯正(表側)に踏み切った“40代半ば婦人”の歯科矯正ほぼほぼリアタイ体験談です。  今...
男性用のレース下着って知ってる?トム・クルーズと極道の「色気」の正体
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
やっぱりハブられてる? 飲み会に自分だけ誘われない理由と3つの対処法
 自分は仲良しだと思っていたグループで、自分以外のメンバーが飲み会をしていた…… なんてことが発覚したら、かなりショック...
察知できないから危険でヤバい!「ステルス地雷系の競わせ屋」の罠こわっ
 みなさんの周りには、どんなヤバい人がいますか? あ、いると決めつけてすみません……。でも正直、「この人、ヤバいな」とす...
縦も横もななめも…直線だけで造られた街の違和感と落ち着き
「なんだか不思議な風景だな」とファインダーを覗いたら、その理由に気がついた。  縦も横もななめも、すべて直線だけで...
私は佳代だよ、レイちゃんってかすりもしねえ! 関係が終わった決定打!!
 仲良しの女友達や意中の彼からのLINEでも、幻滅したり、縁を切りたいと思ったりすることはありますよね。  今回は...
40女スーパー銭湯でととのえず、ぴーちくぱーちくな先客にモヤった話
 スーパー銭湯が好きです。週末のランニングがてら、あちこちの施設に出向いております。広い湯船にざっばーん! からの~、サ...
まるで御神体のよう! 美しく雄々しい“たまたま”に幸せを祈ります…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
どれくらい実践してますか? 家でできる環境にいいこと「7つの習慣」
 子供たちに限りある資源を残すためには、私たちの日々の努力が欠かせません。今回は、みんなが普段心がけている環境にいいこと...
胡蝶蘭はお祝い専用? 寺の住職から聞いた「お悔やみ花」としての需要
「つかぬことをお伺いしますが……」  猫店長「さぶ」率いる愛すべき我が花屋には、お客様から毎日のように“ちょっと困...
台無しなんですけど!家族旅行なのに「夫のイライラ言動」と4つの予防策
 世の女性の中には、せっかくの家族旅行中、「夫のイライラする言動」によって、楽しい雰囲気が台無しになってしまうケースも…...
“頑張り屋のメンヘラ”が「セルフラブ」という人生の処方箋を知りました
「セルフラブ」という考え方は、確実に私の人生に大きな影響を及ぼしています。  セルフラブについて学び始めた時「世界...
【にわか呑み鉄】電車とビール好きにたまらない「流鉄BEER電車」に参戦
 さる9月2日(土)、千葉県流山市で「電車好き」と「ビール好き」垂涎の1日限りのイベントが開催されました。  通常は入...
かつて入り浸った店も 横丁の思い出も時代と共に変わってゆく
 昼間の細い路地を軽装の観光客が闊歩する。  誰かにとってはノスタルジーでも、また違う誰かにとっては新鮮に映るんだ...