石田ひかり53歳、今を生きる女性に伝えたい“楽しく生きていく”ためのメッセージ|映画『ルノワール』

望月ふみ
更新日:2025-07-10 11:50
投稿日:2025-07-10 11:50

毎日は楽しみの種に満ちている

 パワーはもちろんなんですけど。でもね、詰まるところ、素晴らしいのはやっぱりお人柄です。結局、シンプルな、その結論に達します。そのお人柄を育むのにも関係すると思うのだけれど、私、日々の生活には“種”が大切だと思うんです。

――種、ですか?

 たとえば、私、絵画とかって、よくわからないんですけど、それでも、なるべく展覧会とか、そういったところには出かけて行くようにしています。いつか分かりたいなと思いながら。

 足を運ぶことで、自分の中の種を植え付けていると思っているので。展覧会に限らず、なんでも、それがいつどんな形で芽を出すか分かりませんから。

――なるほど。

「どんな形で芽を出して、花を咲かせてくれるかな」

 もしかしたら一生、芽を出さないかもしれませんけど(笑)。でも、「どんな形で芽を出して、花を咲かせてくれるかな」というのが、人生の楽しみだと思ってるんです。読書にしろ、展覧会にしろ、たとえばこの映画『ルノワール』を観ていただくにしてもそうだと思うんです。日々の生活にかかわることすべてが種だと。いつ、どんな形で自分に影響を与えてくれるのか、楽しみが出来ますよね。

――ではとにかく出かけたほうがいい? ダラダラはしないほうがいいですか?

 そんなこともないと思います。ダラダラする時もあってもいいんじゃないでしょうか。それだって種を植える土壌になっていくかもしれないし。そうやっていくうちに、人間力じゃないけれど、厚みが増していって、いつどんな形で、何かに結びついていくかもしれない。答え合わせはこの先に、きっとありますから。ともかく、この先に楽しみを持っていられるといいなと思います。

映画『ルノワール』作品概要

『ルノワール』は全国順次公開中

長編デビュー作『PLAN 75』(22)が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞した早川千絵監督最新作。1980年代後半の日本を舞台に、郊外の家に暮らす11歳のフキ(鈴木唯)が、豊かな感受性と想像力を膨らませながら、仕事に追われる母(石田)や闘病中の父(リリー・フランキー)ら、不完全な大人たちの孤独や痛みに触れていく。

(C) 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners

望月ふみ
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70年代生まれのライター(ときどき撮影)。映画やドラマ、タレント本などのエンタメ関連記事を執筆。現在はインタビューが中心で、月に20本ほど取材。ねこ検定上級、2級愛玩動物飼養管理士取得と愛猫家街道をばく進中。

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