「あんぱん」紅白未出場、浅田美代子の歌唱をここで聞けるとは。吉田鋼太郎の笑顔もグッとくる

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-07-17 17:39
投稿日:2025-07-17 17:35

第16週「面白がって生きえ」#79

 三姉妹揃っての朝田家ご帰還。朝ということは、蘭子(河合優実)は昨夜、のぶの家にお泊りしたのでしょうか。ならば、久々の三姉妹キャピキャピシーンを見たかったような気もしますが、釜じいが寝込んでしまっている手前、それどころではありませんね。

 というわけで、本日は釜じい(吉田鋼太郎)スペシャルデーです。

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【本日のツボ】

お別れは「よさこい節」で

 ※※以下、ネタバレあります※※

 その前に、釜じいの咳ですが、羽多子(江口のりこ)の口から、肺が相当悪いと医者に診断されたと語られました。

 ということは、ちゃんとお医者さんに見て貰えたということで、柳井医院の寛(竹野内豊)先生急死以降、御免与町の無医者が居なくなったと思っていましたが、いつの間にか解決したのですね。釜じいによれば「ヤブ医者」らしいですが……。

 頑固じじいだった釜じいが、すっかりいいひとに。「この家に縛られたらいかんぞ。おまんらも面白がって生きえ」「女子も、いや、女子こそ大志を抱きや」とのぶらに言います。

 さらに、結太郎(加瀬亮)の形見の帽子を被り、「なりふり構わず走れ。間違うても転んでもえい。それも全部、面白がって生きえ」とも。あの頑固じじいはどこへ行ってしまったのでしょう。

 のぶに頼まれて嵩が描いた4コマ漫画は、お世辞にも面白いとはいえませんでしたが、それでも釜じいが笑ってくれたのは、なによりでした。

 そして、釜じいに促されての「よさこい節」。想えば、豪ちゃん(細田佳央太)の出征を見送った時もこの歌でした。蘭子(河合優実)の前でこれを歌うのもどうかなと思いましたが、くらばあこと浅田美代子の「よさこい、よさこーい」が聴けたのは眼福ならぬ耳福でした。

 というのも、その昔、アイドル時代、NHKの歌番組に出演するための新人歌手オーディションに何度も落ちたなどという噂もあるほどで、「赤い風船」というヒット曲がありながら、「紅白歌合戦」には出場できなかったという話もあります。

 真偽のほどは定かではありませんが、半世紀後にドラマの中とはいえ、NHKで歌を披露できたのですから。まさに「たまるかー」です。躍りながら退場の釜じい、最後の笑顔も良かったです。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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