ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ

堺屋大地 コラムニスト・ライター・カウンセラー
更新日:2025-08-12 11:45
投稿日:2025-08-12 11:45

多少の「驕り」のは仕方ないのでは?

 ヒカキン様と言えば、かつては動画編集も全て自分で行っており、寝る間を惜しんで編集作業をしてクオリティにこだわる姿などを、密着動画で公開していました。

 そういった背景もあったため「聖人」とまで評され、人格者として讃えられていただけに、今回のパクリ騒動でヒカキンは変わってしまったとかカネの亡者になってしまったとか、そのように失望したファンもいたはず。


 けれど、よくよく考えてみてください。

 そもそもあれだけ人気を博してビッグプロジェクトとなっているYouTubeチャンネルを、1人で運営するなんて到底無理な話。チームを作ってスタッフとともに制作していくのは、ビジネスとしては当然のこと。

 超売れっ子で多忙を極めていたヒカキン様が、ちょっとラクをしたくて部下に仕事を丸投げしただけの話で、彼自身がパクリ行為に手を染めたわけではないので人格否定をすることはお門違い。

 “あぐら謝罪”に関しても、あれだけの名声と莫大なカネを手に入れた人物ですから、ちょっとぐらい驕りが出てしまうのも仕方ないでしょう。

「普通の人間に戻る」を叶えたプロ

 実は、ヒカキン様は“「早く人間になりた~い」を叶えたプロフェッショナル”なのではないでしょうか。

「早く人間になりた~い」は『妖怪人間ベム』で有名なセリフですが、「妖怪」ならぬ「聖人」呼ばわれりされていたヒカキン様は、早く普通の人間に戻りたかったに違いありません。

 ラクをしたいから部下に仕事を丸投げしたものの重大なミスが発覚し、上司である自分が管理不行き届きで責められ、謝罪時の態度が悪いとまた非難の声が上がる。これ自体がサラリーマンの“あるある”であり、めちゃくちゃ「普通の人間」っぽい騒動だと思いませんか?

 実際、この炎上騒動のおかげでヒカキン様のイメージは失墜し、もう誰も「聖人」と讃えなくなっています。それはつまり、ようやく彼が普通の人間に戻れたことを意味しているのです。


「聖人」と持ち上げられていた今までが異常だっただけなので、むしろ今回の一件は「普通の人間に戻れてよかったね」と祝ってあげるべきところでしょう。

 そう考えると、早く人間になりたかったヒカキン様が、騒動にあえて火に油を注いでいたなんて可能性もなきにしもあらず。セルフプロデュースに長けた頭のいいヒカキン様ですから、パクリ疑惑が浮上した瞬間、これは「聖人」から「人間」に戻るチャンスだと捉えていたのかもしれません。

 質の悪いスタッフに丸投げするという杜撰な管理体制を暴露して炎上を誘い、さらに“あぐら謝罪”で火に油を注ぐ――こうして“普通の人間に戻るプロジェクト”が見事、成功したというわけです。

堺屋大地
記事一覧
コラムニスト・ライター・カウンセラー
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。
公式X

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」ここがヘンだよ、戦争パート。のぶが夫に駆け寄らないのはなぜだ?
 次郎(中島歩)からの便りに顔を輝かせるのぶ(今田美桜)だったが、それは海軍病院からだった。のぶが不安な気持ちで病室に入...
桧山珠美 2025-06-21 12:55 エンタメ
『バチェラー6』第7話を正直レビュー!石森さんの“事実発覚”に全視聴者が驚いた…。辻󠄀本さんの高度な会話テクにも注目
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。第7話は、クアラルンプールへ久次米...
中村未来 2025-06-21 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第6話を正直レビュー!小田美夢の“あまりにあざとい”テクニック。キス連発は最初から決めてた?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第6話。前回のラストで、早朝...
中村未来 2025-06-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ
『バチェラー6』第5話を正直レビュー。自然体の笑顔をやっと見れた。で、なんで突然キスした?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第5話。もう折り返しなんて早...
中村未来 2025-06-19 06:00 エンタメ
令和ロマンくるま、吉本退所でも絶好調の今。もう一度「M-1」優勝を狙ってみてはどうか
 4月末で吉本興業との契約を終了した令和ロマン高比良くるま。一時期活動休止していたが、5月末には復帰。現在、精力的に活動...
帽子田 2025-06-19 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第4話を正直レビュー。石森さんまさかの本命? みんな久次米さんの魅力をもっと伝えて~!
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第4話。ホワイトローズを受け...
中村未来 2025-06-18 06:00 エンタメ
奥平大兼、世間とのギャップに戸惑い「僕のプライベートを見たら驚くと思う」悩んだときの考え方は?
 長澤まさみさんと共演した映画『MOTHER マザー』でのデビューに始まり、映画やドラマで常に心に残る芝居を見せている奥...
望月ふみ 2025-06-18 06:00 エンタメ
田中圭ショックか?木梨憲武、玉木宏ら「夫婦円満」をアピールするイケメンたち。向井理も丸くなった
 サントリー「角瓶」のCMが新しくなりましたね。「♪ウィスキーがお好きでしょ」の歌をバックに、バーテンダーの井川遥と客の...
「あんぱん」嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)コンビが心強い。岩男には“嫌な予感”しかない…
 嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、...
桧山珠美 2025-06-16 16:45 エンタメ
前田敦子の「アイドル否定発言」に物議。卒業後に佐藤健と撮られても、現役時は“偶像”を演じきったプロなのに
 先月、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演した元AKB48の前田敦子。番組内で「『アイドルになりた...
堺屋大地 2025-06-16 06:00 エンタメ
ジュニア退所は「timeleszのせい」…何かと荒れるタイプロ界隈、それでも彼らは“必要だった”といえるわけ
 6月2日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所。以下、SE社)のジュニア内グループ・Go!Go...
こじらぶ 2025-06-23 18:09 エンタメ
「あんぱん」戦場での緊迫シーンにホッ。嵩(北村匠海)らの“偶然の再会”、まるでドラマみたい…は禁句です
 小倉連隊に動員が下令され、嵩(北村匠海)は中国に行くことに。出発前日、嵩はひとり星を眺める八木(妻夫木聡)にこれまでの...
桧山珠美 2025-06-16 16:27 エンタメ
【話題】岸田文雄氏、“元総理系YouTuber”がトレンド入り「辞めてからのほうが楽しそうだな」「なんか複雑」賛否の声
 Xはじめ、さまざまなSNSで発信活動を行っている第100・101代内閣総理大臣の岸田文雄元首相。6月12日に岸田元首相...
『バチェラー6』第3話を正直レビュー! いまだ久次米さんのツボがわかりません。決め手は「LOVE」より「自然体」なのか? となると…
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第3話です。村岡さん、河地さ...
中村未来 2025-06-13 06:00 エンタメ
黒谷友香、50歳目前で感じる“服選び”の変化「ファッションは失敗してもいい」ステキでいられるコツとは?
 高校在学中から雑誌のファッションモデルとして活動を開始し、俳優に転身後、ドラマ『はみだし刑事情熱系』『ハンチョウ〜神南...
望月ふみ 2025-06-13 06:00 エンタメ