ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ

堺屋大地 コラムニスト・ライター・カウンセラー
更新日:2025-08-14 10:37
投稿日:2025-08-12 11:45

多少の「驕り」のは仕方ないのでは?

 ヒカキン様と言えば、かつては動画編集も全て自分で行っており、寝る間を惜しんで編集作業をしてクオリティにこだわる姿などを、密着動画で公開していました。

 そういった背景もあったため「聖人」とまで評され、人格者として讃えられていただけに、今回のパクリ騒動でヒカキンは変わってしまったとかカネの亡者になってしまったとか、そのように失望したファンもいたはず。


 けれど、よくよく考えてみてください。

 そもそもあれだけ人気を博してビッグプロジェクトとなっているYouTubeチャンネルを、1人で運営するなんて到底無理な話。チームを作ってスタッフとともに制作していくのは、ビジネスとしては当然のこと。

 超売れっ子で多忙を極めていたヒカキン様が、ちょっとラクをしたくて部下に仕事を丸投げしただけの話で、彼自身がパクリ行為に手を染めたわけではないので人格否定をすることはお門違い。

 “あぐら謝罪”に関しても、あれだけの名声と莫大なカネを手に入れた人物ですから、ちょっとぐらい驕りが出てしまうのも仕方ないでしょう。

「普通の人間に戻る」を叶えたプロ

 実は、ヒカキン様は“「早く人間になりた~い」を叶えたプロフェッショナル”なのではないでしょうか。

「早く人間になりた~い」は『妖怪人間ベム』で有名なセリフですが、「妖怪」ならぬ「聖人」呼ばわれりされていたヒカキン様は、早く普通の人間に戻りたかったに違いありません。

 ラクをしたいから部下に仕事を丸投げしたものの重大なミスが発覚し、上司である自分が管理不行き届きで責められ、謝罪時の態度が悪いとまた非難の声が上がる。これ自体がサラリーマンの“あるある”であり、めちゃくちゃ「普通の人間」っぽい騒動だと思いませんか?

 実際、この炎上騒動のおかげでヒカキン様のイメージは失墜し、もう誰も「聖人」と讃えなくなっています。それはつまり、ようやく彼が普通の人間に戻れたことを意味しているのです。


「聖人」と持ち上げられていた今までが異常だっただけなので、むしろ今回の一件は「普通の人間に戻れてよかったね」と祝ってあげるべきところでしょう。

 そう考えると、早く人間になりたかったヒカキン様が、騒動にあえて火に油を注いでいたなんて可能性もなきにしもあらず。セルフプロデュースに長けた頭のいいヒカキン様ですから、パクリ疑惑が浮上した瞬間、これは「聖人」から「人間」に戻るチャンスだと捉えていたのかもしれません。

 質の悪いスタッフに丸投げするという杜撰な管理体制を暴露して炎上を誘い、さらに“あぐら謝罪”で火に油を注ぐ――こうして“普通の人間に戻るプロジェクト”が見事、成功したというわけです。

堺屋大地
記事一覧
コラムニスト・ライター・カウンセラー
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。
公式X

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


THE RAMPAGE藤原樹、日本酒擬人化ドラマで「違いの分かる大人になりたい」メンバーへのクレームも告白!?
 THE RAMPAGEの藤原樹さん(27)が連続ドラマ初主演を務める『あらばしり』(木曜24時59分~、読売テレビほか...
望月ふみ 2025-01-23 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】ヒロイン不在中にやりたい放題? スピンドラマでも歩の言動に高低差ありすぎ
 ルーリー(みりちゃむ)は、歩(仲里依紗)が東日本大震災で被災した人たちに何ができるか今も悩んでいることを愛子(麻生久美...
桧山珠美 2025-01-22 17:30 エンタメ
“国内唯一”弁護士芸人・こたけ正義感に刮目! 話題沸騰ライブ『弁論』は「袴田事件」ネタで度肝を抜かれた
 弁護士芸人・こたけ正義感(38)の単独ライブ「弁論」が話題となっている。かつて年間100本以上のライブに出演し、自身も...
帽子田 2025-01-22 06:00 エンタメ
あのちゃん、もうコミュ障じゃないでしょ。特番で見せた「普通の芸能人」への進化にガッカリ
 ブッ飛んだ不思議ちゃんキャラで人気を博しているアーティスト・タレントの「あの」ちゃん。  2021年、『水曜日の...
堺屋大地 2025-01-21 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】管理栄養士勉強中のテイで撮影抜け→既報の下関デートに繋がった放送回
 結(橋本環奈)の家に福岡でギャル仲間だったルーリー(みりちゃむ)が、突然訪ねてくる。  話を聞くと、勤めていた福...
桧山珠美 2025-01-20 17:30 エンタメ
イケメンな「NEXT中居正広」は誰? 即戦力、対抗馬、野球枠…余人をもって代え難しは幻なり
 あの中居正広(52)がこんなことになるなんて、誰が予想できたでしょうか。  昨年12月にソニー生命保険が発表した...
【おむすびにモヤっと】すべては結のおかげ、動かずして感謝されるヒロインの今後は?
 2012年1月17日。結(橋本環奈)は神戸で両親や商店街の人たちと17年前の阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼して黙とうす...
桧山珠美 2025-01-31 16:57 エンタメ
【おむすびにモヤっと】結の出産も大震災直後の描き方もショートカットが凄まじい…米田家の呪いはどうした?
 テレビを見て、東日本大震災が発生したことを知る結(橋本環奈)たち。歩(仲里依紗)は被災の映像を見て呼吸が荒くなり、そば...
桧山珠美 2025-01-15 18:30 エンタメ
冬ドラマを調査!炎上騒動『べらぼう』への評価は? 『ホットスポット』や『御上先生』への期待も聞いた
 2025年冬ドラマが続々とスタートしました。まだ初回放送前の作品もあるなか、それでも今期のドラマに期待している人は多い...
【おむすびにモヤっと】“不揃い”な春キャベでロールキャベツ? 平成のバカップルにこうのとりが…
 2010年春、結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)は大阪のアパートで新婚生活を始める。家事を分担しながら共働きをして公私と...
桧山珠美 2025-01-13 18:30 エンタメ
横浜流星は“まだ誰のモノでもない”感も含めて尊い! NHK大河が「べらぼう」に面白い
 NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」がスタートしました。主人公の蔦屋重三郎を...
【おむすびにモヤっと】メンチ切り合った2人がなぜ? 見たいシーンを出し惜しむのが「おむすび」クオリティ
 結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)は、保留とされていた結婚を進めるため2人が考えた生活プランを親たちに説明する。会社で初...
桧山珠美 2025-01-11 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】サザエさん風に「歩、スマホを買う」「結、節約に目覚める」「翔也、仕事する」の3本
 歩(仲里依紗)に、聖人(北村有起哉)がまた携帯電話を買ったのか問うと、歩はスマートホンだと答える。新しい出始めの商品に...
桧山珠美 2025-01-08 17:30 エンタメ
「べらぼう」初回、セクシー女優3人が裸死体姿に…AV業界人どう見た?「裸に意味を語らせる照明が必要」
 5日にスタートした横浜流星(28)主演のNHK大河「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」(NH...
【募集】冬ドラマ何見る?『べらぼう』『家政夫のミタゾノ』『日本一の最低男』など期待&ガッカリ教えて!
 コクハクでは2025年冬ドラマを対象としたアンケートを実施します。あなたが現時点で「楽しみにしている」ドラマ、そして「...
【おむすびにモヤっと】「プロフェッショナル」で壮大なネタバレ感!14週は元スケ番vs元レディースの様相
 結(橋本環奈)が糸島から神戸に帰ってきて愛子(麻生久美子)や歩(仲里依紗)が迎える。だが、一緒に永吉(松平健)と佳代(...
桧山珠美 2025-01-31 16:57 エンタメ