43歳、推し活でお金は減った。でも後悔はない。“推し”と過ごしたあの頃の私を誇りに思う

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-08-25 11:45
投稿日:2025-08-25 11:45

楽しいだけじゃない。人間関係とお金の悩み

 華やかに見えるオタ活の裏には、心が擦り減るような場面も。

 特につらかったのは、同じ推しを応援するファンとの人間関係です。推しとの距離が縮まるにつれ、他のファンからの視線や言葉が、徐々に重たく感じられるようになっていきました。

 ちょっとした言葉に棘を感じたり、マウントを取られたり。大人の世界だと思っていたのに、まるで学生時代のような“仲間はずれ”の空気が流れることも…。この年齢になって、そんなことで悩むなんて、正直思いもしませんでした。

 そして、やはり現実的に大きな負担となっていたのは、お金の問題です。渡韓費用、応援広告やイベントの準備、サイン会への参加、日本での活動にかかるチケット代やグッズ購入……。気がつけば、毎月の出費は綱渡り状態。

 独身で自由になるお金があったからこそ続けられていたものの、「この生活をいつまで続けられるだろう」と不安になることもありました。

コロナ禍を機に“卒業”した今、思うこと

 そんな日々が突然変わったのは、コロナ禍の到来でした。

 渡航ができなくなり、イベントも次々と中止に。日常の中から推し活がすっぽり抜け落ちたことで、自然と気持ちも離れていきました。

 そして気がつけば、私は静かにオタ活をやめていたのです。

 それでも、あの時間を後悔しているわけではありません。あれほど全力で誰かを応援した経験は、間違いなく人生の財産になりました。

 毎日にハリが生まれ、生活に目標ができ、推しに会いに行き笑顔をもらい、同じ推しを愛する仲間たちと感情を共有できた日々は、私を支えてくれる存在でした。

 今でもふとした瞬間に、あの頃の記憶がよみがえることがあります。

 推しのパフォーマンスで涙ぐんだライブ。初めてサインをもらった日の胸の高鳴り。SNSで深夜まで語り合った夜。そんな思い出の数々が、今も心の奥で静かに輝き続けています。

“推し”は「人生の潤い」だった

 オタ活をやめた今、改めて振り返ってみると、“推し”は私にとって「人生の潤い」だったのだと感じます。

 恋愛とはまた違うけれど、ときめきをくれて、日々を明るく照らしてくれる存在。応援できたこと自体が、私の中に大きな誇りとして残っています。

 アラフィフ独女だからこそ、あの頃のオタ活はただの趣味ではなく、人生に必要なエネルギーでした。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


『あんぱん』の方言、実際どう? 高知県民からの評価を聞いた。「あの俳優の声質と土佐弁が相性抜群」
 現在NHKにて絶賛放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。今田美桜が演じる主人公・のぶと北村拓海演じる嵩の二人が、どのよう...
ジメジメ湿度が憎たらしい! 梅雨の「嫌~な思い出」エピソード集。白いスカートが一瞬でビシャッ
 毎年ゆううつな、ジメジメとした梅雨の季節。髪はうねるし、メイクは崩れるし、傘があっても結局びしょ濡れ…なんてこと、あり...
休日がない(涙)私のストレス発散法。祝日ゼロな“魔の6月”はこう乗り越えた!
 祝日がない6月を乗り切った同士の皆さま、お疲れ様です! ただ、残念なことに7月と8月の祝日もたった1日だけ(涙)。休み...
お兄ニャン、そんな無防備スタイルで大丈夫? “たまたま”を心配する妹猫の優しさにキュン♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ゲフッ…炭酸でむせるのは“老い”のせいか。ついに来た「更年期の地雷」はそこかしこに。麺のむせはどうする?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
世話めんどくせっ!ズボラでも枯らさない「タフネス植物」たち。NASAが認めたスタイリッシュなツワモノも
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋さんに今年も恐怖の季節がやってまいりました。  いやはや最近の日本の夏は、...
「社会人としての責任ですよー」休日に勘弁して! 私が“退職”を決意したLINE3つ
 仕事を辞めるのにはさまざまな理由がありますが、中には「あるLINEがきっかけで退職を決めた」なんて人もいるようです。い...
夫がイクメン=家庭円満とは限らない。妻でも母でもない“私”を取り戻すのは悪いこと?
「おしゃれは自分のため」と言いつつも、パートナーから「きれいだね」なんて一言があれば、それだけで1日中気分がよくなるもの...
「大阪万博」開幕から2カ月、どうなった? 変化した5つの常識。インパク、わんぱく…ファン専門用語も解説
 4月13日に大阪・夢洲で開幕し、連日にぎわいを見せている大阪・関西万博。累計入場者数も900万人を突破し(6月23日現...
美猫が勢ぞろい! 天才モデルに令和の王者まで♡ 癒しの“にゃんたま”の9連発
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年6月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
記憶から消えていく…加工アプリを使わずに撮った、本当の顔
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
にゃんたま族はヒモが好き。誘惑に吸い寄せられて…この通り!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第99回「気分転換も必要ニャン」
【連載第99回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「スメハラ」ですよ! 香水に“マナー”があるの知ってる? ビジネス、プライベート別の付け方をおさらい
 上手く使えば人の心を鷲掴みにできるアイテム、香水。香りは人の記憶に強く残るので、相手に自分の印象を残したいときに役立ち...
イタタ…妻が困る「非常識」夫のトンデモLINE3選。「挨拶するわけないやろw」ってどの口が?
 恋は盲目。“彼氏”のときは見えなかったけど、“夫”になったら気になりまくる非常識なパートナーに頭を抱えている女性もいる...
【女偏の漢字クイズ】「妻、委、要、妾、姿」の中の仲間外れはどれだ?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...