清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

更新日:2025-08-20 10:58
投稿日:2025-08-20 10:55

 後半になってようやく物語が大きく動き出した、清原果耶(23=写真)主演の連ドラ「初恋DOGs」(TBS系=火曜夜10時)。《愛犬同士の一目ぼれから始まる こじらせ大人の3人の国を越えたラブストーリー》(公式サイトから)だ。愛を信じないクールな弁護士・愛子を清原、動物しか愛せないこじらせ獣医・快を成田凌(31)、韓国財閥のワケアリ御曹司・ソハを日本のドラマ初出演の韓国人俳優ナ・イヌ(30)が演じている。

「TBS火曜ドラマは視聴者を“キュン”とさせることにおいては右に出る者がいないと言ってもいい枠。キュンだけではなく、前クールの『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』のように社会問題も重くなりすぎないよう上手に取り入れていて、固定ファンが多い。ただ、残念ながら『初恋DOGs』は進展も遅く、ネットの盛り上がりもイマイチなんですよね。離脱者も多いようです」(エンタメ誌編集者)

 テレビの無料動画配信サービスTVerのお気に入り登録数は60.3万(8月19日現在)で、夏ドラマの中では8位あたりにランクインしているが、ほぼ横ばいで伸びがない。レビューサービスFilmarksでの評価も5点満点で3.0と微妙なところで、世帯視聴率も初回5.8%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)から右肩下がり。8月12日放送の第7話は4.1%だった。

「とにかく恋愛面の展開が遅かった。それが視聴率が下がり、お気に入り登録数が伸びない原因かと。また、主人公の愛子は周囲からの期待も大きい、できる弁護士という役柄なのですが、その役を演じるにはいかんせん清原さんが若すぎる。清原さんは大人びて落ち着いたクールビューティーですから、実年齢よりは年上に見えます。とはいえ、今回の役はかなり無理があり、ドラマに入り込めないんです」と話すのは芸能ライターのエリザベス松本氏だ。

 ネット上にも《清原さんの役、何歳設定なんだろ。気になってしまう》《この役ならアラサーでバリキャリが似合う女優さん、ほかにいただろうに》などと年齢設定をいぶかる声が目立つ。

「清原さんはNHK朝ドラ『なつぞら』で当時17歳で30代の母親役を演じ、話題になったこともありましたが……今年公開の映画『片思い世界』では年齢相応の役で、こちらは安心して見られた。あまり表情を大きく変えるような演技をする女優さんではないので、今回のような落ち着いた演技だと無表情に見えてしまうというか、魅力が半減するような気がするんですよね」(ドラマ制作会社関係者)

■《ナ・イヌの無駄遣い》の声も

 ナ・イヌは韓国だけではなく日本でもファンが多いが、物語の展開がゆっくりだったせいか、《ナ・イヌの無駄遣い》という失望の声も出ている。前出のエリザベス松本氏は「それを言うなら、成田さんもそうですよね」と、こう続ける。

「成田さんの恋愛ものだと聞いて楽しみにしていたんです。成田さんは変幻自在の役者さんですが、個人的には恋愛ものでの色気の出し方がとてつもないと思っています。2019年公開の『愛がなんだ』、20年公開の『窮鼠はチーズの夢を見る』。特に『窮鼠』では、本来、男性に使う言葉ではないですが、『成田さんのファム・ファタール感……』とうっとりしてしまったほど」

 成田の恋愛もので出す破壊力満点の色気が「初恋DOGs」ではいまだ放出されておらず、残念でならないそうだ。

「違うキャスティングだったら評価も変わってきたのかもしれませんが、そもそも清原さんには“集客力”より、出ているだけで作品が締まる、印象をアップさせられる“格上げ力”に期待した方がいいのかも。主役より光る脇役がマッチする、数字より質の女優さんなのでは」(前出のドラマ制作会社関係者)

 右肩下がりの視聴率を食い止めるには、もはや残りの話数は多くない。

  ◇  ◇  ◇

 このままでは清原も《低視聴率女王》待ったなし……というわけでもない理由を知りたいアナタは■関連記事【もっと読む】をご覧ください!

エンタメ 新着一覧


トラコ入学、伊藤沙莉は表情筋を自由に操る女優…男装の山田よねにも注目
 昭和7年。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子(伊藤沙莉)のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユ...
桧山珠美 2024-04-08 18:38 エンタメ
“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...
平野らTOBEがドーム公演大成功の一方、暗雲立ち込める旧ジャニの逆転は
 3月14日から17日にかけて、滝沢秀明氏創設のTOBE所属アーティストによる東京ドーム公演「to HEROes ~TO...
こじらぶ 2024-03-30 06:00 エンタメ
ブギウギ最終回、水を差すようでスンマセン! 残念すぎる4つの演出と描写
 スズ子(趣里)のさよならコンサートが始まる。客席には懐かしい多くの面々がかけつけている。茨田りつ子(菊地凛子)、愛子(...
桧山珠美 2024-03-30 11:41 エンタメ
スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ
超鈍感力! 羽鳥の絶縁宣言を屁とも思わないスズ子とタケシは似た者同士
 歌手引退――。スズ子(趣里)はその決断を、愛子(このか)や大野(木野花)に伝えた。  羽鳥善一(草彅剛)に絶縁す...
桧山珠美 2024-03-26 15:40 エンタメ
「GTOリバイバル」注目の新人イケメンは?松嶋菜々子は本当に出るのか
 反町隆史主演「GTO」が26年ぶりに帰ってきます。反町演じる元ヤン教師・鬼塚英吉がさまざまな問題を解決する学園モノで、...
ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ